《【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。》58.包容
――カッチコッチと木製時計の針が鳴る。
「う......ん、あれ......?」
治療して宿へと運んだリアナが目を覚ました。
「おはよう、リアナ。 と言ってももう夜だけど」
「え......あ、えっと、私......ずっと眠っていたんですか?」
「うん。 はどうかな? 傷と折れた骨は全て治したはずだけど......痛みはまだある?」
彼は橫になり勢を起こそうとするが起き上がれない。
僕のオーラどころか自の魔力を全て使い果たしたんだ......無理もない。
「大丈夫だよ、宿に戻ってきたんだ。 ゆっくり寢ていて良い」
「で、でも......レイ様のお時間が」
「良いよ、大丈夫」
窓から覗く満月。し込む月明かりにリアナの金の髪がしく輝いている。
「......レイ様、あの」
「ん?」
「あの人は......大きな剣を背負っていた......あの人は」
あ、そうか。リアナはあの後どうなったか、気を失っていたから知らないんだった。
「ああ......スグレンストか、彼は逃げていったよ。 もう僕達の前には現れないと思う」
「ほ、本當に......ですか」
「うん、リアナが頑張ってくれたからね。 あと言っておくと、彼は死んではいないよ、大丈夫」
しリアナが安堵した様に見える。人の命は重い......彼の小さな背に負わせる訳にはいかない。
......きっと潰れ歪んでしまうから。
リアナもそれを恐れていたんだろう。
「......」
「......どした?」
ホッとしたのも束の間、リアナがもじもじし始めた。
「トイレかな?」
「ち、違いますよっ!」
え、違うの?じゃあ何だろう......。
「じゃあどうしたの?」
「......いえ、別に」
ふむ......って、いやまてよ、スグレンストの事か?
いや、そうだろ、きっとスグレンストの事だ。
急に襲ってきたんだ、気になっているに決まってるだろ。
命を狙われたのに事の説明もなにも無しとか......あり得なくないか。
「リアナ、ごめん。 そうだよね、スグレンストの事が気になっているよね......?」
彼はしうつむき、恐る恐る口を開く。
「......い、いえ。 人には話したくない事もありますから......。 レイ様は、その......あのお方の事は話したくないのでは......」
まあ、それはそうだけど。こんなに気を遣われてる......けないな、僕は。
「ううん、大丈夫。 彼とは昔......同じ冒険者パーティーに居たんだ」
僕はリアナに冒険者時代の話をし始めた。
今の彼には、知る必要がある。
そして、この先も共に居るであろう彼には、僕の事を知ってほしいと思う。
パーティーに捨てられた事、その後どういう経緯でリアナと出會ったのか。
「......だから、僕はただの捨てられた白魔導師なんだよ」
「ど、どーゆうことですか!?」
ええ、びっくりした。
勢いよく言葉を返してくるリアナ。勢い良すぎてビビった。
「SSSランクダンジョン......ユグドラシルから生還されたんですよね!? それのどこがただの白魔導師なんですかっ!」
あ、そこか。
「いや、まあ......」
「レイ様はなぜそれ程に自信が無いのですか?」
自信が......無い。
「だって、実際......僕は大したことないんだよ。 今回だってリアナを守ると約束しておいて......あんなに危険な目にあわせてしまった。 どれ程の力を手にしたって、結局は」
その時、ぼふっと目の前が暗くなる。
――顔をらかなが包み込んでいる。
「り、リアナ......?」
ぎゅうっと彼の香りに包み込まれた。小さなに抱かれて。
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