《【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。》63.臆病者

大図書館に向かうと、リアナは一つの席で本を読んでいた。

僕とリアナは契約紋で繋がっていて、お互いの居場所がわかる。これだけ近づいても気がつかない......すごい集中力だな。

邪魔するのも悪いし、向かいの席に座って待つか。

僕はすぐ側にある本を抜き出し、席についた。

......久しぶりだな、こうしてゆっくりと本を読むなんて。

そうして三十分程が経過した頃、リアナに小聲で呼ばれた。

「れ、レイ......ごめんなさい、いつからこちらに?」

あ、気がついたのか。

「大丈夫、來たのはいまさっきだから。 その本、読んでいていいよ。 僕もこの本読んでるからさ」

「で、でも」

慌てるリアナを落ち著かすように僕は言う。

「実は、ネネモアの居場所に當てがついたんだ。 だから今日はゆっくりしよう」

「そうなのですか!? では直ぐに向かわなければ」

「いや、彼が引き取られたのは貴族の名家だったからね。 いきなり押し掛ける訳にもいかない。 だから、今日はもうお休みにしよう......ゆっくりと読書していて良いよ」

王都までの道中、彼には沢山の苦労をかけた。しはゆっくりとさせてあげたい。

「そ、そうですか。 ......ありがとうございます」

「それともどこか行きたい所でもあるかな? せっかくの王都なんだ、遠慮なく言って良いからね」

「だ、大丈夫、です。 ありがとうございます、レイ」

それから僕とリアナは食事を済ませ、宿へと戻った。

ベッドで寢息をたてている彼を橫目に、夜空を眺める。今夜は空が雲に覆われていて、星も見えない......雨は落ちていないけど、地面は暗く淀んでいる。

しかし、そんな景とは対照的に明日にはしていた。なぜなら捜し人、僕のかつての友人であるネネモアの行方がわかったからだ。

「......本當に良かった」

さっそく明日はアーゴン公爵の屋敷へ訪れ、ネネモアとの面會が葉うのかを聞いてみる。

出來るのなら都合の良い日を教えてもらい、また後日伺おう。

......一目でも、彼の姿を見られたら。ネネモアに會えたら良いな。

と別れてかなりの時間が経った。僕もネネモアも長し、あの頃のように會話ができるかも分からない。

もしかしたら、僕がもう死んだものと思っていて驚かれたりするかも。

でも、あの頃の約束を果たしたい。

今の僕になら、出來る事は多い......なんでも良い、何かしてあげたい。

もし......もしも

もしも君がそこから、奴隷である人生から逃げ出したいと思っていたら、僕は......

『――奪うの?』

え?

ふと部屋の隅を見れば、白髪の子供が膝を抱えてこちらを見ていた。

僕は彼の姿に見覚えがある。

『そんな事......出來るの......ここまで何も出來なかった癖に』

何も出來なかった?

『ユグドラシルから出て來て、ここまで......誰も殺せなかった』

それは、その必要が無かったからだろ。

......殺す必要なんてない。悪だろうが善だろうが助けられる命は助けた方が良い。

そう、例え罪を犯してしまっても、生きて償えば良いんだ......魔族も人を襲わなければ殺す理由は無い。

だから、僕が彼らを殺さなければならない理由にはならない。

......君は、何が言いたいの?

『......そうじゃないでしょ。 君は、人を......魔族でも、人間でも......殺す事が......自分と姿形が同じモノの命を奪う事が怖いんだ......』

......。

『君は後悔する事になるよ......その甘さが、自分の首を絞めるんだ......それほどの大きな力を手にしながらも......誰かを救いたいと願いを口にしながらも......結局は何も出來ない』

......後悔する事になる?

『手遅れって事』

「えっ?」

その言葉に「はっ」とし子供の方に目をやると、その姿はもうなかった。

......あれは、い頃の......僕?

「......手遅れ?」

言い様の無い不安が、を覆った。

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