《【書籍化】【SSSランクダンジョンでナイフ一本手渡され追放された白魔導師】ユグドラシルの呪いにより弱點である魔力不足を克服し世界最強へと至る。》65.理由とタイミング

朝食を済ませた僕らは、南區朱雀エリアにあるとされるアーゴン公爵邸へと赴いた。

「す、すごい......大きいですね」

「うん」

敷地の広さ、目視で確認できる屋敷の大きさ、それ以上に驚くべきは高度のオーラによる結界。

「結界師が門番をしているのか......流石は大貴族だな」

「どういうことですか?」

「結界師と言うのは他の霊の力を使って扱う魔師や聖騎士とは違い、特別な方法を用いて魔法を使う。 その結界は神木主がる神門と同等の力を持つといわれ、優秀な使い手にもなればそれすら凌ぐという」

「神門を......」

「うん。 そしてこの國に存在する結界師はヴィドラドール一族だけだ。 彼らにしか使えない高レベル魔法......それ故に破格の契約料を要求される」

「な、なるほど......これ、多分ずっと結界が張られているんですよね。 専屬の契約者がいる?」

「うん、おそらくは」

結界師......ヴィドラドールと繋がりはあるのは當然か。

ロキも貴族ヴィドラドール家の三男。

そう言えば彼は生きているのか?ダンジョンでの作戦が失敗し療養中だと前にタラゼド隊長に聞いたが......いや、もう僕と彼は関係ないんだ。

今はネネモアの事だけを考えよう。

口を探し、アーゴン邸の敷地をぐるりと囲む塀沿いに歩く。

すると槍を持ち全を鎧で固めた二人の騎士を遠目に発見した。

おそらくあそこが門だろう。

さて、どうすれば良いかな。公爵家を訪ねた事が無いからどうすれば失禮にあたらないのか。

そんな事を考えていると、唐突に後ろから「レーイさんっ!」と聲を掛けられた。

振り向けば昨日のアドバイザーがそこにはいた。

「偶然ですねえ、今からアーゴン公爵の元へ行かれるのですか」

「本當、偶然ですね。 ええ、丁度今來たところで」

......この人、今噓をついた?

「あの、こちらの方は?」

「あ、ごめん。 昨日ネネモアの行方を教えてくれた奴隷アドバイザーさんだよ」

「あ、ああ、申し遅れてすみません。 私、奴隷アドバイザーをやっております、カノン・オルト・クロノスと言うものです。 ん、そう言えばレイ様に名前名乗らせていただいておりませんでしたね?」

「クロノス......」

「はい、クロノスです」

剣聖の筋、クロノス。そこに生まれる多くの者は剣の才を持ち、その中でも力を認められ稀なる剣聖の名を冠する事が出來た剣士は勇者パーティーへと加わる。

そうして代々続いて來た名家。そして、カノンと言えば、確かヒメノの。

「もしかして、僕に近づいたのは......ヒメノの事ですか」

問われた彼の雰囲気が、一変する。

「......そうです。 聞いておられるかもしれませんが、妹は今視力を失い、四肢の一部を失い、普通の人のおくれるまともな生活をする事が出來ていません......もし出來るならば、あなたの力で治してやってはくれませんか」

「それは......」

「その代わりといってはなんですが、アーゴン公爵との面會を取り付けましょう。 私も貴族の端くれです、妹を治していただけるのであれば、必ず」

そうか、だからあれ程協力的だったのか。僕に恩を売るために。

けど、ヒメノ......か。

まあ、この人の力を使わない手は無い。実際面會を希してすんなり會える見込みなんて殆ど無いだろうし。

だけど、同じ貴族、しかもクロノスの名家であれば可能はかなり高い。

「わかりました。 しかし、目を負傷されているとの事......もし魔力回路が破壊されていれば、僕にも治せませんよ。 魔魔法の類は疎かオーラを使うことはもう不可能、魔力ゼロだ」

「ええ、理解してます。 しかし、あなたは眼球を創ることは出來る。 あの子には普通の、最低限の生活が出來ればそれで良い」

最低限か。

『僕を見殺しにしたくせにね』

聲が聞こえ、僕はハッとする。

「勿論、あなたに償いもさせます」

僕の心を見かすように、カノンが言う。

「償い?」

「妹から聞きましたよ。 あなたをダンジョンへ置き去りにしたと......あの子は表向きは気が強く見られますが、神的には脆い部分があります。 人間を殺してしまったと、激しく後悔していました。 それで私は話を打ち明けられました」

......ヒメノが、後悔?想像もつかないな。

「わかりました。 ただし、僕がネネモアと會えればの話ですが」

カノンは出會った時とは別人のような真剣な眼差しで僕と目を合わせ、頷く。

妹が、ヒメノが本當に大切なんだな。

「ええ、必ず」

そうだ、そう言えば。

「ところで、知っていたら教えてほしいんですが、ヒメノのパーティーにはフェイルという黒魔師がいたと思うんですが、彼の行方はわかりますか?」

行方知れずとタラゼド隊長が言っていたけど、見つかったのかな。

「......彼は、妹達を守り死にましたよ」

「え?」

心臓が大きく跳ね、何故かわからないが、の気が引いていくのをじた。

「おそらく自分の中の魔力を暴走させ自にも似た魔法で敵を吹き飛ばしたのでしょう。 の一部すら殘っていなかったみたいです」

......フェイル、死んだのか。

そうか。

「大丈夫ですか、レイ? 顔が......」

「え、あ、ああ......大丈夫。 ごめん、ありがとう」

いや、フェイルは......僕をダンジョンに置き去りにした憎きパーティーの一人じゃないか。

そうだ、気に病む必要なんてない、ないさ。

......けど、なんだこのの奧に淀む黒いモノは。

「では、私はアーゴン公爵へ話をしてきます。 よろしいですか? レイ君」

「......ええ、お願いします」

今は、ネネモアの事を考えろ。

『......フェイル、優しかったよね』

幻聴が、止まない。くそっ。

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