《【書籍版発売中!】ヒャッハーな馴染達と始めるVRMMO》第28話 共闘で狂闘

あるぇー?

どうしてこうなった……

「どうだった?」

一気に元に戻った世界にカレットの落ち著いた聲が響く。

ホントにいつもこれくらいとは言わないからもっと落ち著いてくれよ……とおもいながらも超集中の反で相當軽く痛む頭を軽く振りながらカレットに結果を示す単語の羅列を返す。

「目測120、牛、眉間、一撃、新記録」

この言葉が示す通り(目測だが)120mの狙撃で一撃撃破というのは俺の新記録だ。基本的に遠距離撃はいくつかの特例を除き、一定ラインを越えると、遠くなればなるほど威力は減する。

今回で言えば120mだが、それだと威力は半分近くに減衰するだろう。

しかし今回俺が使ったアーツ、『弓Lv.5』で使用可能な【キャノンショット】はその特例に分類されるため、威力そのままでのお屆けとなっております。

しかし、いくらLv.5アーツと言えど、弓の一撃でワンパンは出來ないだろう。いや、出來ないはずだったのだ。

しかし、俺には頼もしい仲間(問題稱號達)がいる。

まず『一撃砕』の効果で初撃がダメージ2倍。120m先からの狙撃なんてなくとも現段階でのモンスターに知覚出來るはずもないので(番人熊は怪しいが)『不意打ち』の発で2倍。

超遠距離から眉間を貫くという行が『外道』判定がったらしくて2倍。狙撃に外道も何も無いと思うが……

その他にも々な補正の効果が乗った矢は必殺の威力を孕みバイソンの眉間を一撃で貫き、絶命させた。

「これは負けていられないな【ファイアストーム】!」

俺の報告を聞いたカレットが更にやる気を漲らせて『火魔法Lv.4』で使用可能になる【ファイアストーム】を段々と近づき始めてきているモンスターの群れへと放つ。

ゴウッ!と音を立てながら炎の竜巻がモンスターの集団を飲み込んで行く。緋杖とローブのおかげで強化された【ファイアストーム】はいとも簡単にモンスターのHPを削り取っていき、【ファイアストーム】が収まった頃には辺りをモンスターの殘が舞っているだけだった。

「すげぇな……」

視界の先に発生した炎の竜巻につい聲をらし、目の前にウィンドウが開いているのにようやく気が付いた。

==============================

暴走牛の皮×3《ポイント換算》

暴走牛の角×2《ポイント換算》

暴走牛の蹄《ポイント換算》

暴走牛……30P(ポイント)

一撃討伐……50P

討伐距離……124×1P

アイテム換算

10P×3

20P×2

50P×1

合計 304P

総合 304P

==============================

どうやらイベント中のモンスター討伐はポイント換算方式らしい。

討伐したモンスターやドロップアイテム、他にも討伐までの攻撃數や討伐距離なんてのも対象の様だ。

このポイント數を競うのか、モンスターの種類によっても討伐時のポイントなんかは変わりそうだ。しかもこのポイントは個人換算なので場合によってはパーティーでも手柄の取り合いになりかねない。

「カレット、仕組みは理解したか?」

「このポイントというやつか?なら理解したぞ」

カレットも今回の仕組みを理解した様で次に俺が何を言うのかもわかっているのだろう。その瞳は仲間ではなく好敵手(ライバル)を見るものだった。

「ならいい、どっちだ?(協力or競爭?)」

「競爭一択」

俺の質問に間髪れずに返してくる。うん、知ってた。なので俺は返事が返ってくるや否やパーティーを解散させる。パーティーリーダーは俺なので解散権は俺にあるので強制解散も可能だ。

どうせリクルスも気付いている頃だろう。今頃パーティー解散の通知を見てこっちの思も理解しているんじゃないかな。

恐らく今3人の中でポイントが一番低いのは俺だ。やる(勝負する)からには勝ちたい。リクルスとカレットにとある容のメッセージを送ってからメイン裝備を『鉄糸弓』から『亀甲』へと戻せば準備は萬端だ。

「っとと、これも裝備しとかないとな」

◇◇◇◇

「シャラァッ!【衝拳】ッ【衝拳】ッ!……【烈腳《れっきっく》】ッ!もいっちょ【衝拳】ッ【衝拳】ッ!」

リクルスの拳が連続で打ち出され、目の前の敵のへと突き刺さる。その衝撃に仰け反ったモンスターは無防備にも曬してしまったその腹に『Lv.3』で使用可能になる足技系のアーツ、【烈腳】を放つ。

烈風の如き速度で腹に直撃した蹴りによってをくの字に折る事になったその敵はリクルスに顔面を近付けてしまった。

そしてその代償は顔面への【衝拳】2連発と言う形で払われることとなった。

『グガァァァァッ!』

顔面への強打によってHPを刈り取られたモンスターはそのに変えて空に溶け消えていく。

「よっしゃ!クマ撃破ッ!」

リクルスは軽くガッツポーズを決め、目の前に現れた今回の戦績を確認する。

==============================

暴走熊の皮×2《ポイント換算》

暴走熊の爪×2《ポイント換算》

暴走熊の牙《ポイント換算》

暴走熊の掌《ポイント換算》

暴走熊……60P

アイテム換算

15P×2

20P×2

50P×1

80P×1

合計 210P

総合 2640P

==============================

「やっぱ強いヤツ程効率いいな、次から熊狙いだな!」

今回リクルスが倒した熊、《スタンピード・ベア》は今回の襲撃してくる敵の中でも相當強い方になっており、トーカが狙撃した《スタンピード・バイソン》や大量にいる《スタンピード・ウルフ》などよりも討伐時に貰えるポイントは大きくなっている。

當然それ(取得ポイント)に比例して敵も強くなっているのだが……【連衝拳】を本能で使いこなすリクルスはそれをソロで安定して狩れる様だ。

「名も知らねぇ年!助かった!」

「あっ?助けてなんかねぇぞ?」

確認を終えたリクルスが次の獲を探そうと辺りを見渡し始めると不意に後ろから聲が掛けられた。しかしリクルスは索敵を止めず、視線すら向けずに聲を返す。

「そりゃそうだ、俺が勝手に助けられたんだしな!」

アッハッハと笑った聲にし興味が湧き視線をそちらに向ける。

視線の先に居たのは全長2m近い大剣を振り回し《スタンピード・ウルフ》やら《スタンピード・ラビット》やらの雑魚を一掃している短い茶髪の男だった。

「ちっけぇのがワラワラしてる中に熊も來たら相當やばかったからな、勝手に助けられて貰ったぜ、あんがとな」

「うわぁ……かっけぇ……」

その男の何かがリクルスの琴線にれたらしくリクルスはヒーローを見る年の様な瞳で男を見ている。

その男はその視線に気付いた様で「照れるじゃねぇか」と笑いながら大剣で周囲の敵を一掃する。

「兄(あん)ちゃんカッケェよ!背中は、任せろッ!【斬腳(ざんきゃく)】ッ!」

地』と『跳躍』の合わせ技で男の後ろまで迫っていた《スタンピード・ベア》の頭部ーー正確には首ーーに『Lv.6』の【斬腳】を放つ。

【斬腳】は斬撃の如き鋭さを持つ蹴りで相手のを切斷する、『』唯一の斬撃型の攻撃でその威力は折り紙付きだ。

『グルァァッ!?』

鋭い斬撃となった足は《スタンピード・ベア》の首筋を深く抉って行く。首筋を深く抉られた《スタンピード・ベア》は悲痛なびを開けながら、それでもリクルス目掛け腕を振り抜く。

「効かんッ!」

バーサーカー狀態とは別ベクトルのスイッチがった様子のリクルスは普段よりも軽にく事が出來る様で、振り抜かれる腕に捕まり逆立ち狀態になりそのまま《スタンピード・ベア》の頭部に踵落としを決める。

「シャラァッ!」

『グガァァッ!?』

「うっせぇ!【衝拳】ッ!【衝拳】ッ!」

踵落としを決めた後に著地と同時に飛び上がり《スタンピード・ベア》の顎に左アッパーで【衝拳】を食らわせ、振り切った左手を戻す勢いを利用して顔面に右で【衝拳】を打ち込む。

『グルァァァ……』

それでHPを削り切り、《スタンピード・ベア》が弱々しい聲を上げながら仰向けに倒れ始め……途中でとなり空に溶けていく。

「熊を瞬殺たぁやるじゃねぇ……かッ!俺はアッシュだ!年、名はなんと言う!?」

「兄ちゃんこそッ!敵一掃とか憧れるぜ!俺はリクルスだ!」

大剣の叩き斬りで《スタンピード・ベア》を一撃で真っ二つに切り飛ばした男ーーアッシュがそのまま持ち上げると同時の薙ぎ払いで雑魚を一掃しつつリクルスに問う。

別の《スタンピード・ベア》を【衝拳】のラッシュでに変えながらリクルスが答えを返す。

2人が會話している間にも周囲に群がるモンスター達を大剣が躙し拳がを生み出し続ける。

彼らが今いる所は北でも町から遠く離れた場所で、敵の出現地に近い事もあり、モンスターとのエンカウント率も大変な事になっている。その中で會話を続ける2人はハッキリ言って異常である。2人ともアドレナリンがドバドバでハイ狀態なのかもしれない。

「そうか!時にリクルスよ、ここで共闘というのはどうだ!?」

「俺は構わねぇ!アッシュの兄ちゃんこそ良いのか!?」­­

「バカヤロウ!兄貴と呼べ!全然構わねぇぞ!他の奴らとはぐれちまったからなぁ!」

「了解!兄貴!そういう事なら是非!」

ハイテンション狀態でまともな思考が出來ていない2人は《スタンピード・ウルフ》と《スタンピード・ラビット》をまとめてぶった切り《スタンピード・バイソン》を毆り飛ばしながらの共闘が始まった。

「リクルス!回転行くぞッ!」

「了解!兄貴!やっちまってくだせぇ!」

「シャオラァッ!!!」

アッシュの掛け聲に反応したリクルスが《スタンピード・ベア》を起點に飛び上がる。次の瞬間、アッシュが自を軸に大剣を回転させ、半徑2mの空間を唸りながら突き進む大剣が躙していく。

「さすが兄貴ッ!この死に損ないが!くたばれッ!【衝拳】ッ!」

『ブモォォォォォッ!』

アッシュの広範囲攻撃を辛うじて生き殘った《スタンピード・バイソン》の真上に【衝拳】を打ち込み著地する。

圧倒的躙を生き殘った《スタンピード・バイソン》だがリクルスの【衝拳】に耐えきれず斷末魔のびを上げて霧散する。

「ナイスフォローだ!リクルス!」

「兄貴こそあの量を一撃でとは、流石!」

著地した直後に『地』を利用して駆け出したリクルスは勢いそのままで《スタンピード・ベア》に【連衝拳】を叩き込み、【衝拳】による微量のノックバックでロクな抵抗も出來ずにHPを削り切られてしまう。

その橫ではアッシュが大剣を振り回し一撃で3〜5の雑魚をに変え続けている。

いつの間にか《スタンピード・ベア》や《スタンピード・バイソン》などの比較的強敵の部類にる敵はリクルスが、《スタンピード・ウルフ》や《スタンピード・ラビット》などの雑魚的はアッシュが擔當すると言う構図が出來上がり、それが上手くハマった様でリクルスとアッシュの即席コンビによる躙劇が加速していく。

「オラァ!オラァ!オラァ!」

「【衝拳】ッ!【衝拳】ッ!【烈腳】ッ!」

「「ヒャッハー!汚(モンスター)は消毒(殲滅)だァァァァッ!」」

その後もスーパーハイテンション狀態でただひたすらに湧き出てくるモンスターを躙し続ける2人組の聲と哀れなモンスター達の斷末魔のびが戦場に響き続けたと言う。

リクルスはともかくアッシュのキャラが早速ぶっ壊れた気がする……どれもこれもアドレナリン先輩が悪いんや、俺は悪くねぇ!(責任転嫁)

今後その場のノリで々なスキル(複合スキル含む)や稱號、武アイテムを増やしていくと思うので何かアイディアがあればお願いします!

おかしい所や誤字字、誤用などがあったら是非ご指摘お願いします

ブクマしてくれた方や読んでくれてる方本當にありがとうございます!

今後も當作品をよろしくお願いします!

    人が読んでいる<【書籍版発売中!】ヒャッハーな幼馴染達と始めるVRMMO>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください