《Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜》第48話 訪ねてきたモノ
「ほ、ほんとに殺さないんだよな!?」
ヨッシさんに崖の下まで案されて來た赤の群集のイノシシの人はまだ警戒していた。もうそこまで警戒するなら來なきゃいいんじゃないか?
「えーと、昨日の大巖の件だよね?」
「あ、昨日のリス!? そうだよ、あれってなんなんだよ!? いきなり殺すとか酷くねぇか!?」
「……いきなり飛び出してきたのもどうかと思うけど……」
ボソッと聞こえない程度の聲でサヤが呟いていた。まぁあの狀況は自分から突っ込んできたからこその衝突だったしな。確かにいきなり殺したのは悪かったとは思う。だけど、他の群集エリアで周囲を確認せずに突然進路上に飛び出してくるのも悪いと思うんだ。同じ群集ならそもそもダメージなかったしさ。
「あれってちょっとした事故だったんだよ。ちょっと他の群集には公表出來ない容が含まれてるから詳細は言えないんだけど、誰かが悪意を持ってやった訳じゃないんだよ!」
「そ、そうなのか……?」
「うん、そう。事故をやっちゃった人も反省してたから大目に見てもらえないかな?」
「そうだぞ、ちゃんと反省してたからな」
「そうか、事故なら仕方ないって事にしといてやろう!」
うん、他人事のように言うけども、実際ちゃんと反省したし間違ったことは言ってない。それに下手に話せば他の群集には緒でという條件を自分で放り捨てかねないからな。他の群集への報公開は協力イベントでもあるまでは溫存だ。にしても事故と分かった途端にあからさまに態度が変わった。
「ってあれ? ハチにリスにクマと? もう1人の男の聲はどこだ?」
「あ、こっちだぞ」
経験上、普通の地面のコケだと気付かれにくいので、分かりやすいように巖場のコケのなめの巖を選んでみたんだけど、それでも気付かれないとはね……。
「……コケ? あ! 掲示板で種族認定されてるコケってあんたか!?」
「他のプレイヤーに種族と言われるとイラッとするんだな。初めて知った……」
「あ、つい!? すまん! 言い方が悪かった」
「で、昨日といい、今日といい、何の用件だ?」
「あれ? あんたも昨日ここにいたのか?」
質問に質問で返すなよ。用件あるのそっちじゃねぇの? なんかいまいちこいつ気にらないなぁ。……轢いた事に罪悪はあるからお詫びにちゃんと話は聞くけど、なんか普段ならあんまり相手にしたくないタイプだ。悪い意味で馴れ馴れしいタイプ。
「いたけど何か問題でも?」
「いや、ねーよ?」
「それで、結局何の用?」
「あーなんて言ったもんかな。えーと、PTメンバーの殺害依頼?」
「あー想像はつくけど、もうちょい詳しく……」
「んで、やってくれる?」
おいこら、食い気味に被せてくるな! 大雑把な想像は付くけど説明を省くな、説明を! 他の群集に頼む殺害依頼とか進化絡みだとは思うけど、他の人のならもうし説明をしろ。普通の系なら苦労しないから、おそらく植系だろうけども! なんでもう結論にってるんだよ!?
「あ、ちょっと悪い、PTの方で何か言ってるわ」
そう言ってし離れて話し始める。こいつ、PT組んでたのか。電話を人前で取った時のようなじである。ということはあれはPTメンバーに説明不足でも怒られてたりするのか? って事はやっぱりPTを組んでるフレンドの進化に関係する殺害依頼?
「あーもう、説明不足だってのは分かったよ! ちゃんと話してくればいいんだろ!? え、いらない? 別に俺でも問題ないっての!」
「……なんか怒られてるみたいだね? 當然といえば當然だけど……」
「そりゃそうでしょ。説明してるとは言えないのにもう結論出せとか……」
「……今説教してる人の方が話が出來そう」
うちの陣からは大不評でしたとさ。俺もそう思う。『説明不足』とでも呼ぼうかね? プレイヤー名は表示はされてるから分かるけど、名乗りさえしてないもんな。ちなみに名前はアーサーだ。イノシシの王様、頑張れよ! 何に選ばれたのかは知らんけど。ていうか俺でもって何さ?
あ、話し合いというか説教が終わったみたいで戻ってきた。正直面倒くさい……。
「勝手な事するなって怒られたわ……。えーとまずどっから話せばいいんだ?」
「……とりあえず目的から正確にお願いできるかな?」
「目的だな! えーと、まず進化のために死ぬのに困ってる奴がいるから誰かに殺してもらおうって事になってだな!」
「……大想像通りか。それで理由は大分かったけど、そいつの種族は?」
「あれ? 俺、それは言わなかったっけ!?」
「「「「言ってない!!」」」」
全員の聲が重なり呆れていた。ろくに説明もしてなかったのに、既に種族を言ったつもりでいるのかよ。いくらなんでも説明下手にも程があるだろ? これはけない系統の種族で確定だな。けるなら自分で來るだろうし。
「あー悪い悪い。えっとだな、そいつは木なんだよ。んで昨日の夜に群集外流板で同じような灰の群集の木の人と渉してるって言ってたからな!」
「あ、それ多分アルさんだね。でも詳細決めるのって今日の夜だよね……? なんでもう來てるの?」
「んなもん、早いほうが良いに決まってるだろ! あいつもグダグダと予定がどうのって、うるさいしよ」
「……こっちの都合もあるんだよ?」
「良いじゃん、このくらい」
あ、駄目だ。こっちの都合は一切欠片も考慮してない。それどころかPTメンバーの予定すら無視している。そりゃPTメンバーが怒るわけだ。ハーレさんも思わず言葉を失っている。俺もイノシシのこの開き直り方には言葉が見つからない……。
「……その話はみんなログアウトした後の話だったけど、なんで昨日も來てたの?」
もう追求するのも諦めたのかハーレさんが話題を切り替える。確かにアルと、このイノシシのPTメンバーとの渉が俺らがログアウトした後だったなら、それより前に來ていた理由が分からない。今日は勝手に來ただけみたいだが、昨日の理由がますますわからない。ただ進化の為に突っ込んで來ただけか?
「昨日はな、木が進化で悩み出したから灰の群集の人連れてきたら良いんじゃね?って思って走ってきただけだ! そしたら死んで無駄足だったけどな! いや進化できたからそうでもねぇか?」
「あーなるほどね」
サヤを筆頭にヨッシさんとハーレさんの視線が痛い!? いや、その點は俺が確かに悪いけども、進化してるからそこは差し引きしといて! それに考えなしに突っ走ってるこのイノシシもどうかと思う! って、地味にイノシシへの苛立ちまで混ざってない!?
「んで、死んで戻ったら勝手な事するなって怒られてよー! さっきもまだ話が纏まってないのに先走って勝手に行くなって怒られた……」
「……なんで話が纏まってないうちにくるのかな?」
「思い立ったが吉日って言うじゃんか! それで殺るの手伝ってくれね?」
「あーちょっと相談させてくれ」
「おう。わかった!」
とりあえずイノシシから距離を取り、みんなで方針決定の會議だな。正直もう斷ってしまいたいが、肝心の下準備をしていたアルがいないのが痛い。つーか、このイノシシって考え無しにいてないか? 先走ってとか勝手にとか、迷そうな要素を言っていたけど……。
「さて、どうしようか? 私はアルが居ない間にアルが下準備したのを勝手に実行するのも斷るのもどうかと思うんだけど……」
「そもそも話が纏まってないって時點でね……。ヨッシ、アルは夜にって言ってたんだよね?」
「うん。だからあんな風に先走って來られてもアルさんいないし返事出來ないよ」
「まったく、面倒な奴が來たもんだな。それにしてもこの狀況はなんかアルらしくないな……」
「アルさんも想定してないんじゃないかな? なんか向こうのPTメンバーにも怒られてるみたいだったしさ」
どっちにしてもアルのログイン待ちか。おっさんと呼ばれて気になってくる年頃って言ってたし、アルは多分社會人だろうから仕事が終わるまではログイン出來ないのだろう。
「……とりあえず勝手に決めるのも駄目だし、アルのログインを待った方がいいよな?」
「うん、私もケイの意見に賛」
「サヤに同じだね」
「私もそれがいいと思うよ!」
「じゃ、話自は保留にするけどアルがログインしてきてから要相談な」
異議はなかったので方針はそれに決まった。アルの進化も俺たちのPTにとっても重要だ。話そのものは悪い容ではない。ただ使者に問題があるだけで。アルがログインして、これ以上目に余るような行があればお斷りでもいいだろう。けなきゃいけない義務もないしな。
「結論は決まったぞ。その話自は現時點で斷りはしない」
「お、マジか! そんじゃ早速ーー」
「斷らないって言っただけで、やるとも言ってないぞ。細かい事はこっちの木がログインしてからな? 流石に渉の當事者抜きで勝手な事が出來るか!」
「え!? 木の人、ログインしてないの!? ぎゃー!? 怒鳴んなよ!?」
アルがログインしてるつもりで來てたのかよ……。そしてまた怒られてるな。ほんと考え無しに突っ込んで來たわけだ。イノシシだからって豬突猛進を実演しなくてもいいんだぞ……?
「んじゃ、木の人がログインしてくるまで待たせてもらうわ!」
「……え、マジで?」
え、こいつしばらく居座るの? 普通のプレイヤーでも赤の群集の人には手のみせたくないんだけど、この考えなしのイノシシの前だと特に嫌だ。アル、頼むから早くログインしてくれー!
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十六夜響は高2の中間テスト終わり帰りのホームルーム前だったその時急に光に包み込まれ目を開けると白い空間にいた そこで神様に気に入られ異世界に行っても最強だったので自重せずに仲間達と一緒に自由に異世界過ごします 主人公ご都合主義のハーレムものです 気に入ってくれたのなら嬉しいです
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