《Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜》第74話 ヒノノコリベンジ戦 中

まだヒノノコのHPは8割を切って、7割が見え始めてきたところだ。流石、ボスなだけあって相當強い。思った以上の速度と攻撃にサヤは『自己強化』を使い、対応する事にした。サヤの全に薄っすらと無のオーラのようなものを纏っていく。時間制限はあるがそれだけ強力なのである。その點はヒノノコの『魔力集中』も同様だろう。

巖に刺さった尾を抜き、ヒノノコは再び姿を隠す。さてあの攻撃は厄介だぞ……。『自己強化』は全員が使える訳じゃない。アルやハーレさんが今の攻撃で狙われると厳しいものがある。さてとちょっと危険だけど、荒業で対処させてもらうか。

「周りの木がこういう風に邪魔になるとは思わなかったかな……」

「さてと、どうしたもんかね?」

「あー、アル。しばらくの間、火にやられても平気か?」

しの間なら魔法と水分吸収で回復すれば多分相殺しきれるとは思うが……」

「よし、んじゃそうしてくれ。みんなはアルの後ろで隠れてて」

そう、邪魔ならば木を無くしてしまえばいい。そしてヒノノコがその手段を持っている事も、その手段を発する方法も知っている。そして水屬を得た今の俺ならば前のように一方的に焼かれて即座に全滅という事もないだろう。ちっ、マズい。ヒノノコがさっきの攻撃の前兆と同じ勢にっている。急がないと!

「ここにし群を殘していくからな」

「あー大想像ついたわ。おう、任せとけ」

<行値を1消費して『群Lv1』を発します> 行値 21/23(−1)

<行値を1消費して『毒生Lv1』を発します> 行値 20/23(−1)

みんながアルの背後に退避したのを確認したので作戦に移ろうか。ヒノノコが先程の攻撃を再び仕掛けて來る前に潰しておかないと。やる事は単純明快。ヒノノコ、お前の大嫌いな毒のプレゼントだよ!

お、俺の存在に気付いたな。毒を使わなきゃ気付いてくれないとか地味に酷いよな。っていうことでその報いをけてもらおうか!

ヒノノコは攻撃勢を変化させ、空中にジャンプして火を吐く準備を始めた。よし、毒に対する行パターンは変わらない! 一発蕓で行きたいとこだが、ちょっとこの狀況だと危険か……? まぁしの範囲だけだしなんとかなるか。

<行値を1消費して『群Lv1』を発します> 行値 19/23(−1)

ヒノノコが火を吹く。木に火がついて燃え始める。……コケは水屬のおかげか案外無事だ。

<行値を1消費して『群Lv1』を発します> 行値 18/23(−1)

逃げまくる俺にヘイトを向けて、著地とジャンプを繰り返してヒノノコは火を吐き続けている。

<行値を1消費して『群Lv1』を発します> 行値 17/23(−1)

結構な範囲に火の手が回った。これなら邪魔な木も排除出來そうだな。そしてコケは多弱った気はするがまだ健在。流石は水屬! というかどんだけ毒が嫌いなんだよ!?

「これで、ちょっとは防げるだろ! 『リーフカッター』!」

「私が消火するよー! 『アースクリエイト』!」

アルが自分の目の前に魔法で葉の刃の舞を発生させ、それに引火させる事で自に火の手が及ぶのを防いでいる。そして燃えて落ちた葉にハーレさんが土魔法で生した砂で消火していた。そういや土魔法の『アースクリエイト』は砂、石、土と種類が選べるんだったな。ナイスコンビプレイ!

<行値を1消費して『群Lv1』を発します> 行値 16/23(−1)

さて大半の木は燃えている。これでもうさっきと同じような枝を利用した攻撃手段は使えまい! とはいえ、このまま俺にヘイトが集中し過ぎているのも不味いな。

「ヨッシさん!」

「うん、わかってる! ハチ二號、『毒針』!」

ヨッシさんの統率下のハチが指揮に従い、毒針をヒノノコに向けて放つ。でしかない統率下のハチは即座にヒノノコに狙われ、すぐに仕留められていた。ただ俺が毒を使った時と違う事といえば、飛び上がって地上に向けて火を吐くのではなく、地上から上空に向けて火を吐いた事くらいか。

ともかく、これで使い捨てのハチは殘り1。使いどころに気をつけないと。

「とりあえず消火するぞ!」

<行値1と魔力値4消費して『水魔法Lv1:アクアクリエイト』を発します> 行値 15/23(−1): 魔力値 42/46

<行値を4消費して『水の作Lv5』を発します> 行値 11/23(−1)

もうこれ以上は燃やしていても意味はないので水を生し、水球を火に當ててどんどんと消火していく。やはり水魔法は火には有利に働くらしい。あっという間に火が消えていく。ヒノノコは自の攻撃により自の有利な戦場を破壊し盡くした。これでもうあの木の枝のしなりを利用した高速移は不可能だろう。

殘ったのは燃え殘りの木の殘骸と、それに囲まれた俺達と隠れる場所を失ったヒノノコ。それほど広範囲は燃やしていないので位置を変えれば元の狀況に戻るけども、そんな事はさせはしない。

そこから後のヒノノコは単調な突進と『魔力集中』による尾の刺突のみで攻撃を繰り返してきた。だが、ヨッシさんは見事な斬撃のカウンターを決めるし、サヤは尾だけは上手く避け、それ以外はけ止めてから痛烈な一撃を當てていき、そしてヒノノコのHPが4割としというところまで削っていく。攻撃手段自は変わらないが、周囲の木があってこその攻撃だったのだろう。加速手段を奪ってしまえばこの通りという訳だ。

だがサヤもヨッシさんも流石に無傷とは行かず、ハーレさんからの柑の投擲による回復をけてもいた。アルもまた時々ダメージをけるものの水分吸収によって回復出來る範囲である。俺のコケによる火耐し上がったのも良かったのかもしれない。その間、俺はそれなりに減っていた行値の回復に専念する。

だが、HPが4割を切ったところで大きく変化が現れた。ヒノノコが全に火を纏い、その狀態から攻撃を繰り出して來るようになったのである。きそのものは大きく変わってはいないがれるだけでダメージをける。

<黒の暴走種、ヒノノコに燃やされました。群數が22減しました> 群數 1429/1500

<生存進化ポイントを1獲得しました>

ちっ、ヒノノコが著地した所のコケが焼けたか……。火力が上がってるな……。

「やっぱり弱らせたら行パターンも変わるか!?」

「……ごめん、悪い報。『自己強化』切れたよ……」

「……私もちょっと前に『魔力集中』切れた」

「時間制限あるんだから仕方ないって。それにしてもキツくなるな……」

あの時點でどちらも使う必要があったとはいえ、ここで効果切れというのは痛い。サヤは『魔力集中』も取得しているからそれを使う手もあるが、もうし弱らせてからにしたい。……となれば、どうする……?

あの火を纏うのはおそらくは火の魔法だろう。……そろそろあの手を使うか。

「ハーレさん、『魔力集中』の発をお願い」

「了解だよ!」

「サヤとヨッシさんは今は回避に専念して」

「「了解!」」

<黒の暴走種、ヒノノコに燃やされました。群數が15減しました> 群數 1414/1500

<生存進化ポイントを1獲得しました>

燃やされるようになったとはいえ、減り方は以前より遙かにない。でも、コケが燃やされるようにはなったので核の位置にピンポイントで著地されるとまずい。それを警戒しながらの指示出しなので中々大変だ。この狀況なら群の全滅はないだろうが、下手に核に攻撃をければペースがれるのは免れないしな……。さて、その厄介な火を封じさせてもらおうか! 魔法がお前の専売特許だと思ってんじゃねぇよ!

<黒の暴走種、ヒノノコに燃やされました。群數が18減しました> 群數 1396/1500

<所屬ボーナスにより上限回數が一回追加されます。生存進化ポイントを1獲得しました>

<行値1と魔力値4消費して『水魔法Lv1:アクアクリエイト』を発します> 行値 14/23(−1): 魔力値 40/46

<行値を4消費して『水の作Lv5』を発します> 行値 10/23(−1)

ヒノノコの狙いが俺以外に集中していたため、多の行値と魔力値も回復出來ていたのがありがたい。さて、今までは功した事は無かったが、水魔法となった今ならば!

1つの水球をヒノノコに目掛けて飛ばしていく。ヒノノコも水を脅威と認識しているからか、即座に退避に転じる。だから逃がすわけないだろ! 逃げるって事は効果があるって言ってるようなもんだしな!

「ハーレさん!」

「ここで逃がすわけは行かないもんね! 『散弾投擲』!」

『投擲』の派生スキル『散弾投擲』はその名の如く、複數の弾を同時に投擲する事の出來るスキル。ただし弾として使用出來るのはスタック可能な投擲用のアイテムだけらしい。今の弾はただの石。しかしその全てに『魔力集中』の強化と巣によるダメージボーナスが加算されている。そして散弾故に、避けることも難しい。

「ついでの妨害だ! 『リーフカッター』!」

ハーレさんの散弾を躱しきれずヒノノコは逃走の為の跳躍の勢を崩し中途半端なジャンプとなり、ダメージこそほとんどないがアルの追撃によって水球への迎撃にも失敗する。そして俺の水球がヒノノコを遂に捕らえた。よし、作戦大功!

ヒノノコが水球の中で暴れてはいるが纏っている火は弱まり消えかけている。俺の水魔法でうまく相殺できているようだ。そして水に閉じ込められている為か徐々にだがヒノノコのHPも減していっている。

だが、封じられたのは火だけで行そのものは封じきれていない。水球の中でヒノノコの暴れ方が激しいのでいつまで閉じ込められるかはわからない。もし、他の対魔法攻撃を持っていれば非常に厄介だ。削れるうちに出來るだけ削ってしまえ!

「ハーレさん、あれ使えるか!?」

「えっと、うん、ぎりぎり足りるから大丈夫!」

「なら任せた!」

「分かったよー! 『アースクリエイト』で尖った丈夫な石の弾丸の生! 行くよー。『投擲』!」

魔力値も魔力もないハーレさんだが、それでも自然の弾を使うより魔法産のを使った方が魔法の威力補正の分、投擲した際の威力は強くなる。更に今は『魔力集中』で威力増強中である。そしてそこに巣のボーナスがかかり、一気に威力は跳ね上がる。

魔法産の弾であり『魔力集中』もある為、そのままでも俺の水球は貫通するが威力をしでも殺さない為に、線上の水だけは退けてヒノノコへの直通に調整する。そしてヒノノコの腹部に直撃し、HPがゴッソリと削れた。ハーレさんのとっておきの強烈な一撃をけて苦しむように暴れている。

殘るHPはあと1割ちょっとといったところだろう。あとしだ。覚悟しろよ、ヒノノコめ!

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