＜規定條件を達しましたので、群集クエストを開始します＞

ヒノノコのリベンジ戦も勝利で終わり、それを起點として新たな群集クエストが始まった。これがおそらくフラムが不種に進化した時に発生した赤の群集の群集クエストと同種のものだろう。クエストの主題だけは知っているけど、的な容までは知らないから演出を見ておかないと。

お、いつもの如くグレイの半明な姿が浮かび上がってきた。ワールドクエストにしろ群集クエストにしろ、長のグレイが直接説明に出てくるんだな。ここら辺の演出は他の群集ではまた違うんだろう。グレイは灰の群集の長だしな。

『やぁ、同胞の諸君。急な連絡で申し訳ない。先程、黒の暴走種となっていたある者が解放され、こちらへ戻ってきた。まずはそれをした者に禮を言おう』

ん？　そういや黒の暴走種ってプレイヤーと同類の神生命で、それが暴走しているって設定だったな。そして討伐すれば解放されるとも言ってた……。つまりはそのある者ってさっき俺らが戦ってたヒノノコの事か！？　あ、なんかもう一人出てきた。見た目はグレイとあんまり変わらないな……。

『俺がそのエンだ。どうやら迷をかけていたようで悪かったな。だが、一度暴走種となった事で分かった事もある。この地には、俺らとは相の悪い何かが存在しているぞ』

いえいえ、あなたには焼き殺されましたからね。當然の報復ですよ。って、それはいいや。まぁそうなんだろうな、ゲーム的に。相良かったらあんなに暴走種とか発生しないよね。そこら辺も設定はちゃんとある訳だ。

そのエンの言葉を補足するようにグレイが言葉を続けていく。

『この地に降り立った同胞たちの活狀況を整理し、進化狀況を確認したところ、々な傾向が見えてきた。同胞の中に植と同化し、不種へと進化した者も確認できている。それらの報を査した結果、不種には今の我らには必要な要素を持ち合わせている事も分かった』

ふむふむ。進化の狀況は逐次グレイ達にモニタリングされているという設定になるのか。そして今回は不種に目をつけたって事だな。という事は場合によっては他の種族が起點になるクエストもある？　その可能はありそうだけど、ぶっちゃけやってみないとわからないね。ワールドクエストも群集クエストは1人だけでは発生させられない條件になってるみたいだし、ここら辺は報共有が必須かな。

『そこで比較的安全と判斷した5箇所に、活拠點となる不種として常駐する者を派遣する事が決まった。そしてその役目として先程のエンを送り出す事となる』

おぉ！　もしかして比較的安全って場所がプレイヤーの初期エリアの事か？　そしてNPCの不種が誕生って事か。なるほど、その為のボス討伐か。え、でも5箇所あるのに1人だけ……？

『どうにも俺が暴れていた周辺は暴走種になった者にとって不都合がある場所みたいだな。そこに近づくな、近づけさせるなという強迫観念があったからな』

おう！？　まさか元黒の暴走種がを暴！？　強迫観念があったとは。あそこの陥沒した地形ってそれなりに意味があったのか。この演出が終わったら踏破に行かないとなー。

『だからこそ、我らにとってはそこが安全と判斷し拠點を用意する事になった。幸いな事に一度暴走種となった者には耐が生まれるようで、彼は二度と暴走種にはり得ない事も判明済みだ。今回は1箇所のみではあるが、耐を得た者が戻る事があり次第、殘る箇所にも派遣していく予定となっている』

あー特殊地形って、もしかしてこのNPC不種を設置する為のエリアか！　地図作の群集クエストが終わって、不種の人數さえいれば連続して発生するようになっていると。

そして一度黒の暴走種になった者は二度と黒の暴走種にならないのか。うん、再発防止策って大事だもんな。それでヒノノコみたいな特殊ボスを倒したら、そのエリアには特殊ボスの中の人が拠點用の不種として派遣されてくると。ふむふむ、なるほど。確かにこれは演出を見れば理由が分かるな。

『それとだが、妙な黒の暴走種に襲われた植種の者もいるだろう。どうやら先んじて赤の群集がき出した事がきっかけで僅かながら意思を取り戻した同胞のようだ。だが、自我が薄く、進化を発しろという本能的な義務でいているようだ』

『ありゃ進化を進めて行くには有効だが、可能であれば解放してやってくれ』

あ、俺と混同された黒の暴走種のコケにはそんな事が……。しだけでも意識を取り戻して、仲間の進化の為に頑張ってると……。うーむ、黒の暴走種といえど、元々は味方であるって事か。

いやでもあれって長の上の進化階位の未って話だろう？　どうやって倒せと……？　これはこれで別枠のクエストが存在してそうだ。とりあえず、すぐにはどうにもならないので保留だな。

『この計畫は、他のエリアへの進出の危険を考慮しての安全策だ。死亡時に安全地帯へと戻ってこれるようにという意思によって決定された』

ん？　ものすごく気になる事を言ってないか？　死亡時に安全地帯へと戻ってこれる……？　え、もしかしてランダムリスポーンとスキルによるリスポーン設定以外のリスポーン場所が選べるようになるのか！？

『それではこれより計畫を実行に移す。エンよ、任せたぞ』

『おう、任せとけ。他の連中も協力頼むぜ』

おうともさ！　って、うわ！？　特殊地形の陥沒した所から、デカい木が一気に生えてきた。そっか、これがこのエリアでの拠點という訳か！　この辺はし中央よりは北側寄りではあるけど、それなりに何処からでもだいたい距離は同じくらいの位置だしね。それにしてもデカい木だな。

『ほう、これが俺達にはれられたくなかったものだな。【大地の脈】とその自浄場所って事か。って、暴走種の原因はまさか……。それに【大地の脈】の中に【瘴気】が溢れかえってやがるな。ここは未開の星じゃなかったのか……？』

エンが何か言ってるけど、【大地の脈】とか【瘴気】って何さ！？　いや、まぁ字面的に想像はつくけども。そうか、ここは自浄作用のある場所なのか。そりゃ自浄されたくない黒の暴走種は近付きたくないし、誰にも利用されないように近づけさせないようにする訳だ。……それにしても未開の星ではないって、もしかして何かいる？　それとも既に滅んだ何かがいたとか……。うーん、これだけじゃさっぱりだな。

『……どうやら追って調査が必要なようだな。ともかく今は拠點となる不種を強化する事が優先だ』

『グレイ、どうも【大地の脈】を通じて、黒の暴走種の撃破時に力が流れ込んでくるみたいだぞ』

『そうか。ならば、我が同胞たちよ。拠點となる不種に力を集める為にも黒の暴走種をこれまで以上に解放せよ！』

＜群集クエスト《拠點の作・灰の群集》が開始されました＞

＜特殊な不種となる『群集拠點種』にリスポーン位置の設定が可能になりました＞

＜それに伴い、どこで死亡しても設定した『群集拠點種』にリスポーンが可能となりました＞

＜【大地の脈】が解放されました＞

＜【大地の脈】により、黒の暴走種を撃破する事で設定した『群集拠點種』が強化されます＞

＜『群集拠點種』は各初期エリアの特殊地形のボスを討伐する事で各エリアに設置されます＞

＜規定の條件を達しましたので『始まりの森林深部・灰の群集エリア2』に『群集拠點種』が設置されました＞

あ、演出終わったな。なんか続きのありそうな演出だったけど、とりあえずはここまでか。これは確実に続きの群集クエストが存在するね。それにしても『群集拠點種』と來たか。今まで通り黒の暴走種を倒せば勝手に強化されていく訳だ。確かにこれだとフラムが言ってたように能的にする事はないという理由も分かるな。いつも通り、敵を倒せば良いだけだし。

「わー！　やったね、これ！」

「うん、これは灰の群集だと私達が1番乗りだよね」

「ランダムリスポーンから解放されるのはありがたいな。このじだと、灰の群集エリアなら5箇所とも登録は出來そうだな」

「そこまで行くのが大変そうだけどね」

「ヨッシ、そこは多分強化したらワープ出來るようになるんだよ！」

「あ、だから強化していくのかな？」

々と推測したい事はあるし、々話しておきたい。だけども、今この時しか出來ない事がある！

「とにかく、一番乗りに行くぞー！　目指せ、『群集拠點種』のエン！」

「それもそうだね！　いやっほー！」

「よし、行こう！」

「折角倒したんだし、これくらいは役得だよね」

「よっしゃ、行くぞ！　みんな乗れー！」

「……私は自分で走るね！」

「……なんかすまん」

「……うん、気にしなくていいよ」

アルが勢いで言ったものの、乗れないサヤがしょんぼりしていた。うん、これが終わったらアルの変異進化に期待しような？

とにかく初回討伐したんだから、一番乗りしても何があるって訳でもないだろうけど、記念に行っときたいもんな！

「とにかく出発！」

「「「「おー！」」」」

アルに乗った俺とヨッシさんとハーレさん、そして橫で並走しているサヤ。ヒノノコが最後に崩して作っていった陥沒した特殊地形のその中へと続く道を進んでいく。この先はプレイヤーはまだ誰も行っていない。そこに待ちけているのは誕生したばかりの『群集拠點種』の木のエン。

あとはそこを踏破して、ベスタと氷狼を倒して、西側の桜の木も倒せば地図作の群集クエストはこのエリア分はクリアだぜ！

何はともあれ、まずはヒノノコ討伐の記念に『群集拠點種』を見に行こう！

・補足事項

し想欄にて同じ事を何回も説明する事態になっているのでスキル発時の各數値の表記の意味を説明しておきます。

例としてよく使う水の作を発している時のものを使います。

前提として例のスキルを使用している狀況は夜の日で夜目を使用中となります。

※元々の行値が24の場合です。（この前提、書き忘れてました）

＜行値を4消費して『水の作Lv5』を発します＞ 行値　12/23（−1）

この場合ですと【行値を4消費して】の部分が、このスキルを発する時の使用行値になります。

【『水の作Lv5』を発します】の部分は使用スキルとそのLvの表記になります。

どうにも誤解の多い點は次の【行値　12/23（−1）】の部分になりますので詳細訳を出しておきます。

行値　『スキル発後の殘り行値』　/　『行値上限を使用するスキルの使用分を引いた行値の上限』　（　『行値上限を使用する、常時発もしくは使用時間の制限のあるスキルによる上限の減値』　）

以上のようになっています。

今ケイが取得しているスキルでは『夜目』が『行値上限を使用する、常時発もしくは使用時間の制限のあるスキル』に該當します。

夜の日に『夜目』を発した後に【行値　12/23（−1）】となっている時の（−1）は『夜目』の発中ということを示しています。

この手のスキルの発の際には書き忘れていない限りは【＜行値上限を1使用して『夜目』を発します＞ 行値　23/23（−1）】というじの発表記をれていますので、ご確認ください。

現時點での作中登場スキルでこの分類のスキルに該當するのは『腳移』『魔力集中』『自己強化』があります。