踏破は後回しにして、見えてるデカい木の『群集拠點種』に向かってレッツゴー！　それにしてもデカい木に近付いて行けば行くほど、なんか雰囲気が他の場所と変わっていく気がする。なんかちょっと、だんだん明るくなっているというか……。

「……なぁ、これ、この辺りの木がってないか？」

「あ、ホントだ！？」

「ちょっと『夜目』切ってみるか」

＜『夜目』の発を解除したため、行値上限が元に戻ります＞　行値　26/27

試しに夜目の発を切ってみる。うん、木だけに限らず周辺の植が『群集拠點種』を中心にして淡いを放っている。なんというか幻想的な風景だ。

「みんな、『夜目』切ってみ。凄いぞ、これ！」

「ほう？　……こりゃ確かにすげぇな」

「あ、これは凄いかな」

「これは幻想的だね」

「これ、凄いね！　夜の日で良かったかもね！」

みんな言葉なに幻想的な森の風景に魅っている。この風景は『群集拠點種』の誕生と『大地の脈』とやらの自浄作用の効果なのだろうか？　淡くる森林なんて現実じゃ見れないんだ。ゲームならではの景だな。

そんな幻想的な森の中を進んでいくと、拓けた場所に出た。そしてその場所の真ん中に聳え立つのが『群集拠點種』のエンである。淡くはあるが、他の木々よりも力強いを放っている。見上げても、木の葉で隠れて木の上の端は見えない。所々に眩くる実も生っているけど、あれはなんの実だろう？

「わぁ！　これは近くで見ると凄い迫力だね」

「これは見事だね。なんの木なんだろ？」

「なんの木でも良いじゃん！　うー登りたい！」

「いやいや、ハーレさん流石に登るのはやめとこうな？」

「何にしてもこりゃすげぇな！」

周りにはまだ誰もいないが、そのアナウンスを見た近くのプレイヤーも見に來るだろう。俺ならそうするし。……そういやヒノノコの殘滓はどうなるんだろうか？

『おっ！　お前たちだな、俺を解放してくれたのは！』

「お、この聲はさっきのエンって奴か！」

『おう、おさまで黒の暴走種からは解放されたぜ。禮を言わせて貰う。ありがとうな！』

「いえいえ、どういたしまして」

群集クエストとかに関わる特殊な黒の暴走種が解放されるとこうしてNPC化して重要そうな役割に就くんだな。……ベスタが倒した沼ガメも何かあったりするんだろうか？

『さっきの呼びかけである程度は理解して貰ったとは思うが、改めて自己紹介をさせてもらうぜ。俺はエンだ。灰の群集の安全地帯認定した5つの場所の、この地帯の自浄の地において拠點管理を請け負うことになった』

「自浄の地ってのは？」

『あぁ、星の中に【大地の脈】っていう力の流れがあるようでな。その中の淀みを自浄する場所がある。その一つがこの場所だ。それ以上の事はグレイが現在調査中だ』

「なるほどねー！　まだ々調査中なんだね！」

ワールドクエストか群集クエストか、はたまたそれ以外の別の何かかそこまでは分からないけど、これは確実に次のクエストがあるな。オフライン版は自分の種族が人類種を目指すだけで特にこれと言ったストーリーも無かったけど、オンライン版ではこういった背景的なストーリーがあるんだな。そして個別に進めるのではなく、群集や全プレイヤー単位でストーリーを進めていくと。

『まぁそういう事になるな。……場合によってはかつてこの地には人類種がいたかもしれん。でなければ【瘴気】の大量殘留は考えにくいからな』

「それって大昔には人間がいて、何かの理由で滅んで【瘴気】をしていったってことかな？」

「そうなると未開の地とも言い切れなくなってくるな」

『すまんがまだ詳細は不明だ。何か異変を見つければグレイの方へと報告してくれ。その度、対処方法を考えるからな。俺は俺で【大地の脈】を通じて周辺の狀況や【瘴気】に関する報を集めているとこだ』

「うん、分かったよ」

今までのクエストの発生を見た限りだと、異常報告が必要數を満たせばワールドクエストや群集クエストが新たに発生する。そして未開の星のはずが元々人類がいた可能ありときた。これは場合によっては古代跡とか出てきたりもするのかな？

この運営のやり方だと、それはやってみてのお楽しみってじもする。自然の中で生存競爭を楽しむのも良し、古代産を探すも良しとか々楽しみ方を用意してそうだ。オフライン版では種族が違えば別のゲームと言われるだけの事はあったしな。よし、それはそれで冒険も楽しくなりそうだ！

『そうだ、お前たちに渡しておくがある。け取ってくれ』

その言葉とともに、っている実が5つほどそれぞれの前に落ちてくる。どうけ取れと……？

＜『帰還の実：始まりの森林深部・灰の群集エリア2』を獲得しました＞

＜『帰還の実』を使用する事で任意に帰還、死亡時にリスポーン位置として指定できます＞

あ、自でインベントリにったよ。ふむ、これがここでリスポーンする為のアイテムか。ちょっとこれは詳細を見ておこう。

【帰還の実：始まりの森林深部・灰の群集エリア2】

所持しているだけで死亡時にリスポーン位置に『始まりの森林深部・灰の群集エリア2』の『群集拠點種』を選ぶ事が出來る。また通常時、任意に使用して『群集拠點種』へと移が出來る。

使い捨てで所持制限1個。ただし『群集拠點種』にて再取得が可能。（1日1個まで）

ふむふむ、これで別エリアに行っても戻ってこれるんだな。しかも死亡時以外にも任意で戻ってこれるとは、流石は群集の拠點という訳か。あ、でも1回使う度に再取得が必要なんだ。まぁそれでも便利だし、ある程度の制限は必要かな。……これは初期エリア毎の帰還の実があったりするのかな？　これも要確認

っと。

『そして急で悪いんだが、俺を倒したお前たちにし頼みがある』

「お、なになに？　何でも言ってー！」

まだなにか続きあるらしいが、ハーレさんはあっさりと聞く前からける気満々である。これは何かのクエストフラグか……？　言葉的にはヒノノコを初回討伐した人限定ってじか。とにかく続きを聞いていこう。話はそれからだ。

『ここから北側の場所に窟がある。その中にも俺らの仲間たちがいる筈だが、そこへのり口が瘴気の塊で塞がれている。俺自は移出來ないから、その力を見込んでり口の解放を頼めないか？』

「窟があるのか」

「これはヒノノコが新エリア解放と群集クエストの発生の両方の鍵になってたじかな」

「ここから北側の窟って、赤の群集の森林エリアの真下を通る可能もあるんじゃない？」

「あ、確かに！　窟の長さ次第だけどそれはあるかもね！」

「まぁそれは行ってみれば分かるだろ。で、どうすればいい？」

窟はそのままだと通れないのなら、これはけるしかないだろう。というかこれは初回討伐者が開放しなきゃ後続者が行けなかったりするんじゃないか？　……それはそれで悪用が出そうで嫌だな。まぁなんか対策は取ってるだろうし、むしろゲームを楽しむ上でここで斷るなんて選択肢は無い！

『そうか、引きけてくれるか。なに、何かを倒せばって訳じゃない。これを持っていけ。それで瘴気の塊は消える筈だ』

「わっと！？　危ない危ない、落とすとこだったよ！」

「ハーレさん、ナイスキャッチ！」

エンが再びっている実を落としてきていた。さっきと違いインベントリにはらないらしい。まぁこういう渡し方をするって事は多分地面に落ちても問題ないんだろうけど、気分的には落としたくないもんな。

『その窟の中がどうなっているかは分からないが、り口の開放は任せたぞ』

＜エリア開放クエスト《瘴気の排除：始まりの森林深部・灰の群集エリア2》を注しました＞

＜『浄化の実』を手にれました＞

「あ、クエスト始まったね！」

「エリア開放クエストか。これは他のエリアの特殊地形にもあるのかな？」

「どうなんだろうね？」

「後で報共有板で確認してみるか」

「いや、ケイ、ここ以外まだボス討伐されてないから無理だろ」

「あ、そういやそうだった。それでヒノノコの殘滓ってどうなるんだろうな？」

「沼ガメは殘滓がそのままエリア妨害ボスにいるらしいぞ。ヒノノコの殘滓はこれから開放する窟への妨害ボスじゃないか？」

「多分そんなとこだろうね！」

「『群集拠點種』までの妨害はちょっと問題ありそうだしね」

「それもそうか。まぁとりあえずクエストやれば分かるか」

「んじゃ、窟の開放に行きますか！」

という事で、サクッと移しよう。それほど距離もないし、ボス戦もないなら時間もかからないだろう。幻想的にる森を移しながら北へと向かう。陥沒した地形なので行き著く先は崖になっている筈だ。そこの窟のり口が瘴気の塊に塞がれているのだろう。

「ねぇ、あれじゃないかな？」

「骨に邪悪なじだね……」

「んー？　近付かないで、これ投げる？」

なんとも嫌そうな聲を上げているヨッシさんに、投げて終わらせようとしているハーレさん。まぁ気持ちは分からなくもない。周りのる木がなければ気にはならないかもしれないが、あからさまに黒いオーラを漂わせている巖のような何かが崖のところにあるからだ。うん、どう見てもあれだろう。

「とりあえず投げてみるか。駄目なら駄目で拾っていけばいいだろ」

「それで良いのかな……？」

「ものは試しだね！」

ハーレさんが『浄化の実』をあからさまに怪しいところに投げつけた。すると直ぐに黒いオーラが消えていき、窟のり口が姿を表した。

＜エリア開放クエスト《瘴気の排除：始まりの森林深部・灰の群集エリア2》をクリアしました＞

＜『浄化の実』は消滅します＞

＜『始まりの森林深部・灰の群集エリア2』の『ヒノノコの殘滓』の妨害位置が変更になりました＞

んー特にこれと言った報酬はなしか。別にちょっと移して実を投げただけだしな。浄化の実は消滅って事は、これが無きゃここは通れなかったと。ある意味、一番乗りが報酬か？

「あ、さっき気にしてた事の結果が分かったね」

「まぁタイミング的に確実にここの妨害だよな」

エリア移の阻害ボスは一度倒せば妨害されずに通れるようになるらしいし既にヒノノコを倒した俺たちは問題ないか。これからこの窟の先に行きたい人はここでヒノノコの殘滓を倒す必要があるってだけの話だしな。……し気になったけど、殘滓と再戦する方法とかってないかな？　まぁ、それは後回しでいいか。今は……。

「さて、どうする？」

「ここまで來たんだしね」

「やっぱりそうだよね」

「もちろんだよね！」

「そりゃ當然！」

聞くまでもなかったか。ここまで來て行ってみないという選択肢もないよな！　時間的にもまだ大丈夫だし。

「それじゃ、新エリア行くぞー！」

「「「「おー！」」」」

幻想的な森を見て、ヒノノコ戦の疲れもし吹っ飛んだ。これは行くしかないだろう！