とりあえず目の前の地下湖の水が、海水か淡水かどうか確かめていこうじゃないか。

確かクジラの人が前に海流の作を取得したと報共有板で言っていた。そして俺自も進化の過程で無くなった「淡水適応」という淡水と海水を區別しているようなスキルを持っていた事もあった。推測にはなるけど、多分海水だと水の作をけ付けないんじゃないかと思うんだよな。という事で早速実験。

＜行値を4消費して『水の作Lv5』を発します＞ 行値　21/25（上限値使用：3）

ちょっと距離があったけど、気になっていた『視覚延長Ⅰ』を水の作に反映できないか試したら上手く行った。倍率は水の作のLvに依存だから5倍までか。結構な距離あるな。

『視覚延長Ⅰ』は視界で範囲指定する系統のスキルには反映出來るのは良い報だ。ただし距離が離れれば作の制も難しくなるみたいだから、あんまり遠過ぎても使い勝手は悪くなりそうだけど……。まぁそれは仕方ないかな。

『視覚延長Ⅰ』で水の作の支配指定も範囲をばして、地下湖に向かって発する。大きな水の流れは特にないから、普通の水ならこれで作出來るはずだけど、やっぱり支配可能な範囲は表示されない。間違いなく普通の水ではないな。

それじゃ、次は増で直接水中に行ってみますか！　えーと、ちょうど良さそうな場所にコケはないかな？　この窟だとコケを探すのにどうしても群化の指定の赤い表記に頼る必要があるね……。

群化以外での移方法もなんか考えてみた方が良いかもしれない。ここに來て痛したけど、移範囲が元々存在するコケに左右され過ぎている。まぁその辺はぼちぼち考えるとして、今は今のことをやろう。

＜行値を3消費して『群化Lv3』を発します＞ 行値　18/25（上限値使用：3）

さて、ちょうどいい場所にコケがあればいいけど……。お、湖に近い場所にコケを発見。天井部から壁面沿いに水が滴り落ちている場所って事はあれは淡水か？　場所的には結構良い場所だな。

＜行値を3消費して『群移Lv3』を発します＞ 行値　15/25（上限値使用：3）

現在地からはちょっと距離があるので、Lv3で移。さてと、ここから増で湖の中へと突っ込んでみようか。

＜行値を1消費して『増Lv1』を発します＞ 行値　14/25（上限値使用：3）

＜練度が規定値に到達したため、スキル『増Lv1』が『増Lv2』になりました＞

＜増速度が上がりました＞

お、増がLvアップか。よしよし、々と今日は順調だな。さて、増したコケが湖へと突した。これで一どうなるかな？

＜環境不適応の為に、群數の一部のコケが弱りました＞

環境不適応って事はこれはやっぱり淡水じゃないな。……あ、コウモリ連中が俺に気付いたのか飛び立った……。おい、ちょっと待て、それと同時に地下湖が波立ち始めたのはどういう事だ？　なんか地下湖の中から燈りが出てきた……？

＜長・暴走種を発見しました＞

＜長・暴走種の初回発見報酬として、増強進化ポイント4、融合進化ポイント4、生存進化ポイント4獲得しました＞

水飛沫を上げながら地下湖の中からなんか出てきた！？　陸に上がって來たのは……アンコウ？　なんかデカいけど……。いきなり出てくるなよ、びっくりするだろ。というか、陸地を歩くな！？　……とりあえず識別で確認しようか。

＜行値を1消費して『識別Lv1』を発します＞ 行値　13/25（上限値使用：3）

『燈アンコウ』

種族：黒の暴走種

進化階位：長・暴走種

あーはいはい。また長だし、その名の通りになんかってる訳ですね。この窟の中って生はいないのか。って考えてるに、アンコウがなんか突っ込んで來てるし！？　いや、ちょっと待て、アンコウさんよ。その速度は陸地で魚のく速度じゃないぞ！？

＜黒の暴走種、燈アンコウに捕食されました。群數が30減しました＞　群數　870/2500

＜生存進化ポイントを1獲得しました＞

おいこら、アンコウがコケを食うのかよ！　あーもう、進化が進んできたらもう現実の生の常識は通じないか！

＜黒の暴走種、闇コウモリに捕食されました。群數が30減しました＞　群數　840/2500

＜生存進化ポイントを1獲得しました＞

＜黒の暴走種、闇コウモリに捕食されました。群數が44減しました＞　群數　796/2500

＜所屬ボーナスにより上限回數が一回追加されます。生存進化ポイントを1獲得しました＞

え、ちょっと待って、お前らも食うのかよ！？　……なんか數が減って1匹あたりが大きくなってないか、コウモリ。こうもあっさり食われるとなると、ここって気付かれたらコケでも全然安全圏じゃないな……。

こうなってしまえば逃げるか戦うかしか殘っていない。とりあえず、地下湖に突っ込む直前までいたコケに退避だ。このままじゃ狙われ続けるだけだし。

＜行値を3消費して『群移Lv3』を発します＞ 行値　10/25（上限値使用：3）

あ、移したのにアンコウもコウモリもこっち見てるし、近付いて來てるよ。一回気付かれたらこいつらは駄目なのか。逃げに徹しても良いけど、折角だしあれを試してみよう。

＜『進化の輝石・樹』を使用して、纏屬進化を行います＞

インベントリから取り出して使用した『進化の輝石・樹』が緑と茶の混ざったようなを発して、俺を包み込んでいき、のによって球狀に覆われていく。ほうほう、こんな演出なのか。

これ、外から見たら卵みたいに見えるんじゃないかな。しの間を開けてのが霧散していく。これで進化完了かな。

＜『水陸コケ』から『水陸コケ・纏樹』へと纏屬進化しました＞

＜『群化』『群移』『群化解除』が一時的に使用不可になります＞

＜『腳移』『の作』『樹木魔法』が一時スキルとして付與されます＞

＜群數がHPへと置き換わります＞

ちょっと待って、纏屬進化ってスキル編が変わるのかよ！？　……よし、重要な時にぶっつけ本番で使わなくて良かったと思おう……。元々予想がつかないって理由で選んだんだから文句を言うのもあれだけど、流石にこの変化は予想外過ぎるわ！

それにしても何がどう変化した？　あ、水面に姿が映ってるからちょうどいいや。あーコケが球狀になっていて、そこから木が生えてるな。木は木だけどなんか苗っぽい。球のコケの下部からはがちょろっと出ていて倒れないように支えになっている。……コケが木を纏ったというより、木がコケを纏ったように見えるな。

まぁ木を纏うコケが想像出來ないからこれは別に良いけど、思った以上に見た目が変わった。なんだっけ、こういうの何処かで見た事がある。あ、そうだ。苔玉とか呼ばれてる観賞用のやつだ。もしくは盆栽から鉢を退けて、鉢の部分を全部コケにしたじ。

々検証したいとこだけど敵も複數いる事だし、呑気にしてはいられない。時間をあまり掛けずに狀況把握だ。急に姿が変わった俺に警戒して、アンコウとコウモリが距離をとった今のうちに把握しないと。

付與されたスキルの構的に、移には腳移を使えって事か。それぞれのスキルLvは……どれもLv3か。Lvだけは引き継ぐようになってるのか？　……いや、たまたま使えなくなったスキルとLvも數も同じだけで元々Lv3での付與の可能も捨てきれない。HPと群數は置き換わるってなってたけど、スキルは置き換わるとは表示されなかったしな。

……後で氷の進化の輝石を持ってるヨッシさんに確かめてもらう事にしよう。

ともかくスキル構が変わるのにはびっくりしたけど、移方法を変えられるのは朗報だ。さっきも別の移方法を考えてたとこだしな。ただし、これだと時間制限もあるから他の手段も考えておく必要はありそうだけど。

「ケイさん、何やったのー！？　群數がいきなりHP表記に変わったよ！？」

「あ、ホントだね。ケイ、何やったのかな？」

「2人とも気になるのは分かるけど、今は邪魔になるんじゃ……？」

あ、PT組んでるからそっちの表記も一緒に変わったのか。まぁ今まで群數とかいうのだったのがいきなりHPに変われば気になって當たり前だよな。それにさっき迄なら困っただろうけど、もう敵にはバレてるし喋っても問題ないか。

「敵に見つかって戦闘になってるから、ヨッシさんの心配は大丈夫だぞ」

「えっ！　戦闘中ってそれはそれで大丈夫なの？」

「いやー多分駄目かな。纏屬進化したら々変わり過ぎて戸い中……」

「あ、『纏屬進化』を使ったんだ。それで変化があったってことかな」

會話したいとこだけど、悠長な事も言ってられないな。とにかく移手段が必須だ。群化が使えない以上は腳移を使うしかない！　確かあれって行値半減ってアルが言ってたよな……。それでもそれしかないし仕方ないか。

＜行値上限を3使用して『腳移Lv3』を発します＞ 行値　10/25　→　10/22（上限値使用：6）

あれ、アルが言ってたのとなんか仕様が違う！？　いや、上限値半減よりは遙かに良いけども。とにかくその辺の詳しい事は後回し。コケの塊の中からニュっと太めのが數本生えてきた。これで歩けって事か。

うお、闇コウモリが突撃してくる！？　逃げろー！　あ、意外と早く走れるぞ、これ。とりあえずコウモリの突撃は回避功。これは木系じゃなくて草花系の腳移に近いのか……？　昨日のボス爭奪戦の時に草花のプレイヤーがこんな風に走ってたような……。

よし、これなら作は変わるけど何とかいけそうだ。オフライン板では植系の作だってやったんだから、全く始めての作ってわけでもない！

「ケイさん、どういう狀況ー！？」

「ハーレさん、悪い！　やっぱり後で！　余裕ない！」

「うん、分かったよ！」

流石に進化後の特徴の把握をしながら、戦闘してさらに雑談までする余裕はない。うわっと！？　危ない危ない。またコウモリが突撃してきていた。よし、なんかアンコウが待機狀態にっているのが不気味だけど、コウモリは何とか避けられる範囲のきだ。ちょっとこの進化形態への慣らしに付き合ってもらおうか！

しばらく回避に専念してみて、この纏屬進化の特徴は大雑把にだけど摑めた。普通の移手段があるだけで、回避しつつ行値の回復が出來るというのはいいな。この進化の利點かもしれない。……むしろ行値がないと何も出來ないのがコケの欠點と言うべきかしれないけど……。

ともかく、そろそろ反撃と行こうじゃないか。……そういや今度アルがいる時に試してみようと思ってたけど、もしかしてこの狀態なら使えるかもしれないな。ちょっとやってみるか？

＜行値1と魔力値4消費して『水魔法Lv1：アクアクリエイト』を発します＞　行値　21/22（上限値使用：6）：　魔力値　50/54

魔法産の水を窟の地面にばら撒く。魔法産の水は作しなければししたら消滅するけど、それにはし猶予がある。だからこそ試してみたかった。そして今は纏屬進化のおかげで樹木魔法が自分で使える。

＜行値2と魔力値8消費して『樹木魔法Lv2：スタブルート』を発します＞　行値　19/22（上限値使用：6）：　魔力値　42/54

樹木魔法Lv2にも水魔法Lv2と同様に速度指定があったけど、追加速度はなし。そして魔法産の水に重なるように発する。目論見が上手く行けば……。

＜『複合魔法：ルートランス』が発しました＞

よし、単獨による複合魔法の発功！　円錐狀に絡み合う槍のようになったが、コウモリ目掛けて地面から猛烈な勢いで迫っていく。よし、直撃だ。HPもそれなりに減った！　って、分裂しやがった！？　やっぱりこのコウモリは分裂するやつかよ！　広域殲滅が出來る魔法はまだ持ってないぞ……。

それにしても威力的には複合魔法にして、本家の木のアルのスタブルートと同等くらいか。本家よりは弱く設定されてるっぽいな、これは。

なんか待機狀態になってたアンコウも攻撃の溜めの作っぽいのにってるし、ここはやっぱりまだ無理かな……？　とりあえず、死ぬまでは全力で戦ってやるぜ、こんちくしょー！