《Monsters Evolve Online 〜生存の鍵は進化にあり〜》第97話 々な発見
「コケのアニキが、私の兄貴だったー!?」
「おいこら、それを混ぜるな!」
再起した晴香の第一聲がそんな容だった。アーサーにそう呼ばれるのはもう黙認したけど、流石に妹にリアル側でそれは言われたくはない。
「夕食時が重なってた理由ってこういう訳だったんだね!」
「いや、確認するとこはそこなのか?」
「ちょっとびっくりしたけど、特に何も問題ないと思うけどなー? 兄貴の方はなんか問題ある?」
「あー、うん、別に特にない……か?」
別に仲が猛烈に悪い訳でもなければ、ゲームで知り合ったハーレさんに惚れてた訳でもない。ただPTメンバーが、なんの偶然かたまたま妹だっただけだ。うん、ただびっくりしただけで特に何も支障はないな。あ、そういやあれはそういう事か!
「なるほど、土日にログイン出來ないって言ってたのは寢坊のせいか!」
「そうなんだよね……。よし! 折角だし兄貴なんとかして!」
「おいおい、無茶言うな……ん? ちょっと待てよ?」
「おっ!? 兄貴、なんか思いついた!?」
「今日の晩飯のカニってヨッシさんが送ってくれたんだよな?」
「うん、そうだよ!」
「なら今回だけなら渉の余地ありか……。駄目で元々だから、無理だったら諦めろよ?」
「うん、分かった!」
今回、ヨッシさんが送ってくれたカニが両親攻略の鍵だな。母さんのあの様子だと楽しみにしてるみたいだし、父さんもカニは好きだからな。何回もは通用しないだろうけど、今回だけならヨッシさんが送ってくれたカニのおかげでゲーム沒収は免れる可能はあるかもしれない。
晴香とヨッシさんが一緒にゲームをしているという事実が大きいからな。まぁ駄目な可能もあるけども。
「とりあえずカニは臺所に置いとくぞ」
「うん! ゲーム、先にやってるねー!」
「おう」
さてと母さんに宅配便のけ取りが済んだことの連絡をれておくか。カニは保冷剤りだからしばらくはそのまま置いておいても大丈夫か。あ、返事がきた。「早めに帰れそうだから、今日は早めに帰るね。晩飯は早めにするよ〜」か。
短い文章なのに3回も「早めに」がってる。これは相當カニを楽しみにしてて、待ちきれないから夕食時間の前倒しと見た。この様子なら勝算ありだな。
◇ ◇ ◇
リアル側のあれこれも一応目処がついたので、ゲームの続きと行こう。毎度お馴染みのいったんの場所へとやってくる。今日の部分は『定期メンテナンス、無事終了! しだけ修正點があるので確認しておいてね!』となっている。今日もまともな容か。時々変なのもあるけど、これが當然と言えば當然だよな。
「今日もログインありがとね〜!」
「おう。なぁ、修正點って何になってるんだ?」
「それはね〜。ログアウト時に常時発型のスキルが自解除されるようになりました〜」
「あ、なるほど」
俺も毎回、夜目を切り忘れて眩しい経験をしてたからな。確かにあれは自解除がしいとこだ。
「標準では自解除されるけど、自解除をオフにしておきたければオプションに設定が追加されているから自分で設定してね〜」
「おう、分かった」
完全に設定変更って訳ではなくてオプションでの任意設定が可能になったのか。まぁログアウトする場所によっては自解除が困る場所もありそうだしな。例えば『常闇の窟』とかさ。
「お知らせはそんなとこだよ〜」
「そっか。んじゃ行くわ」
「行ってらっしゃい〜」
そして日課になりつつあるゲームの世界へと移っていく。
◇ ◇ ◇
ログインした場所は、昨日ログアウトした群集拠點種のすぐ近く。うん、やっぱりここはプレイヤーが多い。そして夜の日は周辺の木々が淡くっているのがよく分かり、やっぱり幻想的だな。まぁ群集拠點種が誕生した瞬間のあれには遠く及ばないけども……。さてと。
<行値上限を1使用して『夜目』を発します> 行値 28/28 → 27/27(上限値使用:1)
とりあえず夜の日だから夜目を発。これがないとやっぱり視界が悪いから必須スキルだな。
「さてと、今日はアルの進化とか、纏屬進化での実験とか々やりたいけど何からするか」
アルの進化はアルが居ないと話にならないので待ち合わせの予定時刻の9時以降に自的に決定。新エリアのどこへ行くかもみんなが揃ってからだろう。……纏屬進化を使っての実験も新エリアで長の黒の暴走種の討伐稱號を使いたいから、行き先が決まってから。よし、巖の作でもようやく手を付けるか!
そういや晴香が、いやゲームで本名は厳だな。ハーレ……呼び名変えるのも面倒くさいし、今まで通りハーレさんでいいか。……何よりリアルの言ったらいけない報をポロッと話してしまいそうだから、今まで通りの呼び方にしておいてリアルとゲームを意識的に區別しておこう。呼び方を急に変えて、間違えて本名で呼ぶとかになったら目も當てられない。
さてハーレさんが先にログインしてる筈だし、今は何処にいるかな? お、いつもの崖か。ヨッシさんは既にログイン済みでサヤはまだか。今日はすぐに合流しとくかな。
あ、その前に群集拠點種にいるんだからちょっと確認しておこう。掲示板見てたらちょっと気になったんだよな。ずばり『進化の輝石』の手手段がランキング以外に存在するのかどうか。
「おーい、エン!」
『ん? 何か用事か?』
「マップの任意提供の報酬って何を貰えるんだ?」
『あぁ、その件か。マップ報の詳細欄から報提供を選んでもらえれば一覧が見れるぞ』
「そっか。ありがとよ」
『いやなに、これが俺の役目だからな』
ふむふむ、群集拠點種には呼び掛ければ返事があるんだな。何人か同時に話しかけてたみたいだけど、この辺はゲームだから同時に相手可能ってじか。応答した聲は俺にしか聞こえていなかったじだし。
えーとマップ報の詳細欄から報提供だったな。あ、ここか。どれどれ、提供出來るのは提供可能エリアの一覧と提供可能の黒の暴走種の発見報か。
お、一覧に『常闇の窟』があるな。『常闇の窟』は……踏破率1%にも屆いてない!? え、それなりの奧の方まで行った気でいたけど、全然埋まってねぇ……。どんだけあそこ広いんだよ。あとはあそこで見つけた黒の暴走種の発見報か。ふむふむ、提供報は報ポイントっていうポイント制か。『常闇の窟』は踏破率1%分で20ポイント、長の黒の暴走種の発見1で5ポイントか。
それで、報酬一覧はどうだろう? お、やっぱりあるじゃん、各屬の『進化の輝石』! 報ポイント500とかだけど……。『常闇の窟』の4分の1の踏破分か、長の黒の暴走種の発見を100分か。まぁ永続使用が可能のアイテムだし、高いのは仕方ないかな。
『進化の軌跡』の方は使い捨てなだけあって、1個5ポイントとお求めやすくなっているしね。これらのラインナップは今の所はランキング報酬であった分だけか。そのうち種類が増えたりしないかな?
他には提供済み報の手とかもあるね。これはポイント要らずで普通に貰えるのか。でも自分で発見していきたいし、ポイントも稼いで行きたいからこれは要らないな。でも、どうしても行き詰まった時には頼る事にしよう。
とりあえず現段階で必要なはないからもういいや。サヤ達と合流するか。あ、そうだ。折角だし、新スキルに新移方法のお披目で登場しよう、そうしよう!
<行値上限を2使用して『発Lv2』を発します> 行値 27/27 → 25/25(上限値使用:3)
<行値上限を3使用して『水中浮遊』を発します> 行値 25/25 → 22/22(上限値使用:6)
<行値1と魔力値4消費して『水魔法Lv1:アクアクリエイト』を発します> 行値 21/22(上限値使用:6) : 魔力値 50/54
<行値を4消費して『水の作Lv5』を発します> 行値 17/22(上限値使用:6)
よし、これでるコケが漂っている空中に浮かぶ魔法産の水球の完! 発がLv2になったからし明るくなったんだよな! ちょっと電池が弱ってきた懐中電燈くらい。もっとLvが上がれば、『常闇の窟』での源に使えそうだ。
「うわっ!? なんだこれ!?」
「……る水の玉?」
「おい、こっちに妙なもんがあるぞ!」
あ、やばい!? 人が多いとこでやったもんだから、びっくりしてる人や不思議がってる人が集まってきた!?
「これ、プレイヤーだから問題無いぞ! コケの人だ、コケの人!」
「お、紅焔さん! 皆さんすみません、ちょっとスキルの実験してました!」
「あーなるほど。コケの人のスキルの実験か」
「もしかして海の魚系のプレイヤーがやり始めたっていう海水の作の応用移か……?」
「あれって、魚じゃなくてもいけるのか!?」
「……作系スキルって奧が深いね」
「でもなんでってんの?」
「……さぁ?」
「一部の種族には『発』ってスキルがあるぜ! ほら、こんな風にな!」
「お、ホタルの人か。そうか、そういうスキルもあるんだな」
「……水の作でああいう事が出來るなら、もしかして土の作でも……?」
「それだ! 誰か試してみろ! あのじだと草花系とかならいけるか!?」
「私、土の作持ってるからやってみる!」
紅焔さんの一言のおで、なんか質問攻めは免れた。なんかその場に集まってる人達で報の検証會が始まったけど。
あ、草花のプレイヤーが土魔法で土臺を作って、土の作で浮かんでる。ふむふむ、土の作でも似たような事が可能みたいだな。ふーむ、なら昨日のトランポリンの真似事を応用すればあるいは……?
「ケイさん、もうちょっと周りに気を付けようぜ?」
「……そうだな。ちょっと迂闊だった」
「ま、なんか々と報検証が始まったみたいだし、俺も參加してこようっと。ケイさんも參加していくか?」
「いや、これからPTと合流予定。これでPTメンバーを驚かそうかと思ってたんだよ」
「……それで無差別にんなプレイヤー驚かしてどうするよ……」
「はい、反省しております」
「っていう割にスキルの解除はしないのな?」
「練度稼ぎも兼ねてるからな」
「あーなるほど。確かに源としてはもっと明るさはしいとこだよな」
「そういう事。それじゃそろそろ行くよ」
「おう、またな!」
急遽始まったスキル検証會を後にし、いつもの崖へと進んでいく。うん、この移方法は攻撃手段以外には特に問題もないな。アルがいる時にはハーレさんの巣に常備しているコケ付きの石を使えばいいし、コケのない地域での移方法の確立は一応功と思っていいだろう。
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