《【書籍二巻6月10日発売‼】お前のような初心者がいるか! 不遇職『召喚師』なのにラスボスと言われているそうです【Web版】》第39話 ギルド結

クリスタルレオを無事撃破し、第三層へとやってきたヨハン。

「ゼッカちゃん達はまだのようね……そうだ! ちょっと驚かせてみようかしら」

ヨハンは先ほど手にれたクリスタルレオの召喚石を取り出すと、それを起する。

「召喚獣召喚――クリスタルレオ!!」

幾何學的な魔法陣から、白い氷の獅子が姿を現す。そのサイズは先ほど闘っていたものと同等だ。

「ただ待っていても暇だから、この子のスキルを確認しておこうかしら」

ヨハンはメニューを作し、クリスタルレオのスキルを確認する。

【絶対零度】吹雪を発生させ、相手に【氷結】の狀態異常を與える。

【ダイヤモンドダストバースト】氷屬の超強力な攻撃。

【氷分】自と同じステータスを持つ【アイストークン】を三生み出す。作はAIが行う。スキルの使用は不可。

そのスキル群は、階層ボス単獨撃破の報酬だけあって非常に強力だった。

「ふうん、絶対零度と氷分は便利そうね。今度試してみようかしら」

などとやっているに、ゲートが開く。そして、クリスタルレオを倒したゼッカ、レンマ、コン、ドナルドの4人が現れる。

「ようやく第三層ですね……ってうわー!?」

「……敵!?」

「いや、これ召喚獣や」

「ちょっとちょっとちょっと~階層ボスを召喚獣に出來るってホントだったの~☆」

驚くのも無理は無い。強敵をようやく倒し、新しいステージへとやってきた筈なのに、出迎えるのはさっきまで闘っていたボスモンスターなのだから。

「うふふ。ゴメンなさい。し驚かせたくて」

「ビックリしたわよ~。壽命がまったわ☆」

「そういえばドナルドはんって、いくつなん?」

「ピチピチの28よ☆」

「あら、同い年ね」

「意外に年上やね……まぁうちも25やから、そこまで離れてる訳やないけど」

「ワタシ、もしかしてヨハンちゃんと同い年!? 嬉しいわ! ほらこのゲーム、若い子ばかりじゃない?」

「そうね。それで元気を貰える事もあるけど。10代の子達と話をしていると、どうしても自分の年齢をじてしまって……」

「わかりみ~! でも私たちだってまだ若いわ! だって28って、犬の年齢でいうとまだ3歳だもの☆」

「なんで犬の年齢に変換したん?」

アダルト組が盛り上がっていると、召喚獣と化したクリスタルレオと戯れていたゼッカ、レンマが戻ってきた。どうやらクリスタルレオはMPが切れて、消滅したらしい。ヨハンが早く召喚し過ぎたようだ。

「はぁはぁ、やっぱりあの子可いですね。時々呼び出して、遊ばせてくれると嬉しいです」

「いいけどゼッカちゃん、HPが半分くらい減ってるわよ?」

「滅茶苦茶攻撃されました」

「大丈夫!? 遊びで済んでるの!?」

「幸せなのでOKです!」

クリスタルレオの消滅をきっかけに、5人は第三層で拠點となる街を目指すことにした。

第三層は、草原のエリアだ。どことなく、第一層に雰囲気が似ている。ゼッカは「コピペでは?」と疑っていた。そんな草原の道を進みながら、ふとコンが口を開いた。

「そういえば知ってはる? 來週の土曜夜にギルドホームが解されるいう話や」

「アタシも聞いたわ。ヨハンちゃんはギルドホームの優先チケット持ってるから、忘れず金曜に換するのよ?」

海賊王レイドにてヨハンが手した【ギルドホーム引換券】。どれか好きなギルドホームをタダで手出來るお得なアイテムだ。このアイテムを使えば、全プレイヤーにギルドホーム購権が與えられる來週土曜の前日に、好きなギルドホームを貰うことが出來る。

「でも、ギルドを作ってないのよね」

「ええ!? そりゃ勿ないわよ。ささっと作っちゃいなさい☆」

「ああっ! うち気づいてもうたんやけど、ここに丁度、5人おるやん!」

ギルドを作るには、最低5人のメンバーが必要となる。そして、無所屬のプレイヤーがここには丁度5人。それをわざとらしく伝えるコン。

「あらあら~☆」

そして、そんなコンの様子を見ただけで、彼の本心を見抜くドナルド。

「ワタシも賛。今までソロでやってきたけど……アンタ達となら、ギルドを組むのも悪くないわ~☆」

そして乗っかってくれるドナルド。

「そう? 二人がいいと言ってくれるなら、この5人でギルドを組みましょうか」

最初はギルドに乗り気ではなかったヨハンだが、コンとドナルドという頼れるプレイヤー達が居てくれれば安心かもしれないと、表が緩む。

「そうですね。この5人なら、今まで出來なかった事ができるかもしれない……賛です」

「……ボクも賛。このメンバーなら、楽しくやれそうだよ」

二人の返事を聞いて、ヨハンは微笑む。

「あ、そうだ。條件って程じゃないんですけど……」

ゼッカがおずおずと手を挙げた。

「なんやゼッカちゃん? もしかして、ギルマスやりたいんか?」

「違います。えっと、これだけのメンバーが揃ったギルドです。今後、ずっとこの5人だけって訳にはいかないと思うんです。この先、メンバーを追加する事があるはずです」

「まぁ、當然ね☆」

「その時は、この最初の5人で相談するってルールにしませんか?」

「まぁ確かに。好き勝手に追加するんも、良くないかもしれへんね」

「私はいいわよ☆」

「ゼッカちゃんがそうしたいって言うなら、それでいいわ」

「……ボクも」

「ありがとうございます。私のわがままを聞いて貰って……」

「いいのよ別に。こういうのはみんなが納得出來る形で決めないといけないから」

無事ギルドの設立が決まったところで、ヨハン達は第三層の拠點都市【アスカシティ】に到著する。

「アララ……」

「……これは酷い」

「グラの使い回しですか?」

「アカン」

「どうしたのみんな? 何を呆れているの?」

ヨハン以外の4人が、どこかがっかりしたような、失したような表をしている。

「よく見てヨハンちゃん。これ、第一層のはじまりの街と全く同じ姿形なのよ……☆」

「せっかく新しい街や思うて來たんにがっかりやろ」

「え? いいじゃない覚えやすくて」

「流石ヨハンさん! ゲーム初心者ならではの合理的思想」

「……バチモン以外に興味が薄いだけでは?」

5人は中まではじまりの街そっくりのアスカシティの中央へと向かう。そこにはサービスセンターが存在しており、クエストの注やギルド登録を行う事が出來た。

NPCの付の言う通りに手続きを済ませていく。そこで、ギルドマスターを尋ねられた。満場一致でギルドマスターはヨハンに決まったのだが。

「私でいいのかしら……やっぱりベテランのドナルドさんの方が……」

「ポッと出のワタシがギルマスなんて無理よ☆」

「そうそう。ヨハンさんがギルマスで決まりです!」

「おもろくなりそうや」

「それじゃあ、ギルドマスターは私……っと」

続けて、ギルド名を力しなくてはならない。ヨハンはヒナドラの召喚石を取り出す。実はギルド名は、かに考えてあったのだ。

「【竜の雛】。ギルド名は【竜の雛】で行きたいと思うんだけど……」

不安そうに後ろを向くヨハン。

「ええんやない?」

「いいですね! 賛です」

「ギルマスは雛なんてもんじゃない化けだけどね☆」

「……お姉ちゃんが決めた名前なら」

「ありがとうみんな」

そう。この出會いは全て、ヒナドラから始まった。

だから、もしギルドを作るのなら、この名前にしようと、考えていたのだ。

ヨハンは【竜の雛】と力。

「それじゃあこれで……ギルド結!」

そして勢いよく、決定ボタンを押した。

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