《【書籍二巻6月10日発売‼】お前のような初心者がいるか! 不遇職『召喚師』なのにラスボスと言われているそうです【Web版】》第53話 もう これで 終わってもいい

イベント最終日の午前11時。竜の雛がホームとする暗黒の城でも、定期襲撃が行われていた。

庭の防衛を擔當していたゼッカは、敵味方併せて2000以上が犇めく庭の中で戦っていた。もう一人、煙條Pも居たのだが、早々に敵の集中攻撃に遭い落ちてしまった。これで今回の防衛には參加できない。

一人殘されたゼッカは黙々と剣を振った。もはや目に映るモンスターが敵か味方なのかもわからない。既にベリアルカーサンは城の中へと侵攻している。ゼッカに出來るのは、後を仲間に任せて、しでも多くの敵を倒し、モンスターが中へとなだれ込むのを防ぐことだ。

「ん……そろそろ、限界……」

健闘したが、流石に敵の數が多すぎた。ポーションで回復する時間もない。ゼッカのHPが盡きようとした、その時だった。

「何!?」

突如空が輝く。天空に巨大な門が現れ、ゆっくりと開く。そして、地上の敵を吸い込んでいく。

「あれは……天使?」

その門を開いたと思われるプレイヤーは、ゆっくりと後けながら舞い降りてくる。それはここには本來居ないはずの……。

「悪魔……じゃなかったヨハンさん!?」

最終日夜から參加予定だったヨハンが降臨……もとい、ログインした。

***

***

***

前日金曜日。軽く殘業を終わらせた哀川圭は自宅に帰ったものの、一週間の疲れが溜まっていたせいかそのまま寢てしまい、次の日も寢坊した。

そしてヨハンとしてログインし、急いでギルドホームに來て見れば、ゼッカが孤軍闘しているではないか。乗っていたメテオバードから飛び降り、敵に【ゲート・オブ・ヘブンズ】を発したのだ。

「ヨハンさん。今日は夜からの筈じゃ」

「予定が変わってね。今日は一日中遊べるのよ」

「本當ですか!? やった!」

「で、私は何をすればいいのかしら?」

「とりあえず、ここの敵を全滅させます」

「なるほど、簡単ね」

今のゲート・オブ・ヘブンズで敵の數は150程減って、味方の召喚獣達を除けば、敵のおおよその數は1500と言ったところか。

「行けますか?」

ポーションを使いながら、ゼッカが訪ねる。

「そうねぇ。まずは……【パワーエール】!」

ヨハンは中級召喚獣バックアップチアのスキル【パワーエール】を十回ゼッカに使用する。

これによりゼッカの筋力値に1000+される。

「ありがとうございます! これなら敵が豆腐みたいに切れますよ!」

「良かったわ。それじゃあ、私はちょっと準備があるから、それまで敵をこっちに近づけさせないようにしてもらってもいい?」

「任せてください! うぉおおおお」

やる気全開のゼッカが敵陣に駆けだしていく。それを見送りつつ、ヨハンはメテオバードの召喚を解除し、新たにプレレフアを召喚する。そしてプレレフアに【フラワー・オブ・ライフ】を使って貰い、自分でも【フラワー・オブ・ライフ】を使用。さらに【増】を使用し、二の分を生み出した。

「これだけじゃ、いつもと同じ……それじゃあこの敵を一度に倒すのは不可能だわ」

別に一度に倒す必要はない。

「けれど増した私は、私が作できる。私の使えるスキルも全て使える。ということは……増

ヨハンは増した自分に、さらに増を使えと命じる。すると、増したヨハンからそれぞれ新しく二のヨハンが誕生する。さらに増。続けて増

「うっ……なんか頭痛が……これが限界みたいね」

に増を重ね、30のヨハンを生み出したところで、本のヨハンは軽い頭痛に襲われた。同時作の限界が訪れたようだった。

「本當は48揃えたかったけど、無理ぽいわね。殘念。それじゃ、みんなで一斉に! 【フラワー・オブ・ライフ】」

「「「「フラワーオブライフ」」」」

「続けて【闘魂・極】」

「「「「闘魂・極」」」

30の分ともなると、流石に個別に作するのは不可能に近い。なのでヨハンは30の分を、城を背に一列に並べると、それぞれに強化スキルを使用させた。

「それじゃあ一斉に行くわよ……」

そして、本と30の分達は、全員が同じポーズを取る。

「ヘラクレスオオカブトの構え・波!!」

計31人のヨハンから、バスタービートルのスキル【テラーズブラスター】が一斉に放たれる。敵は攻撃に気づくが、避けられない。どこに避けようと、逃げ場など無いのだから。

「え……大勢のヨハンさんが変なポーズを……ぐぇ!?」

前線で戦っていたゼッカもまた、ダメージこそ無いが、そのに飲まれる。そして、庭に居た全ての敵を殲滅することに功した。

「ふふふ。なんとかなったわね」

ハイタッチしながら消えていく分達を見送りながら、ヨハンは倒れたゼッカの方へと歩いて行く。

「ごめんなさいねゼッカちゃん。巻き添えにしてしまって」

「それはいいですが……あの、さっきのポーズは一?」

「ああ、アレはヘラクレスオオカブトの構えといってね……」

「へぇ、なんか変なポーズですね!」

「凄く格好良い……え、変? 変なの?」

「はい。でも、ヨハンさんがやっているからには、何か凄いがあるんですよね? 古武ですか? それとも……あれ、ヨハンさん? どこへ!?」

「ぐすっ……なんでもないわ」

ヨハンはもうあんなポーズしない! と誓いながら、城の中へと向かっていった。

流石にこのネタ使い過ぎたんで最後にします。

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