《シャングリラ・フロンティア〜クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす〜》即決即斷、プレイはグダる
「火力が足りない。」
六度目のリスポーン、ご丁寧に闘技場の控え室でリスポンした俺はそうエムルに告げた。
まさかの初手數とレベルの暴力が叩きつけられるとは思わなかった。何度か挑戦し、そのパターンを見極めたが攻略自は容易いことがわかった……のだが、ある意味當たり前の問題としてステータスが足りないと言う問題にぶち當たった。
とにもかくにもDPSが足りない、ワンコ共……マジョリティハウンドは恐らく「一つのモンスター」として発生する「別個のHPバーを持つ」モンスターだ。言うなれば部位ごとにHPバーを持つボスキャラみたいなものか。
「攻略手順は大把握したけど一頭にかかる時間を短くしないと食いつかれる」
逆に言えばその點さえ解決できれば楽に倒せるという意味である。
クリティカルで押し切ろうにも他のハウンドに襲われるのが厄介なところだ。ただ、黒い並みの犬という點で過剰な警戒をしていたせいか、蓋を開ければ數と連攜が厄介なだけの雑魚モンスターでしかなかったのは拍子抜けだ。
「そうなんですわ?」
「とりあえずあとしでレベルアップするからちょっと経験値稼いでくる」
「へ?」
ほうらワンコ共ご飯の時間だぞう、メニューは俺、だがこの中で一匹だけぶち殺します、そうお前だ殘念だったな、うわ妖怪一足りないだ、ああすまんもう一匹倒さないといけないみたいだ、よしお前にしよう、あっ待ってせめてこいつ倒してから……うぼぁ。
「はいレベルアップ」
「流れるように死んでましたわ!?」
五分ほどして、レベリングと行確認と軽く憂さ晴らしを終わらせた俺は唖然としているエムルに挨拶しつつ闘技場の控え室から出る。このシナリオ中、さらに言えばこの闘技場での実戦訓練(・・・・)はデスペナルティが付かないのが最高だ、何度でも特攻できる。
その分経験値がアクセサリの効果も合わさって雀の涙だったのには困った、泥掘りで得た経験値(恐らくエムルと折半したとは言え)がなければあと數十匹はマジョリティハウンドを倒さなければならなかっただろう。というか骨に獲得経験値低いな、イベントエネミーだから骨に経験値下がってる? おのれ。
ステータスウィンドウを開き、泥掘り(マッドディグ)とマジョリティハウンド數分の経験値で得たステータスポイントを割り振る。STR……ではなく、STMとDEXに5ポイントずつ。
「2ポイントはいざという時の保険として……まぁこんなもんか」
足りないのは火力ではあるが今更火力を上げたところで焼け石に水、ならば別の方向からDPSを上げる。
「……っよし! 見てろよエムル、今からあのワンコロ共を倒してくる」
「ほわぁ、頑張ってですわ!」
こういう時、カッコつけでも目標を他人に言うと気が引き締まる。俺はエムルに勝利予告をして闘技場へと足を踏みれた。
「ネタは割れてんだよワンコ共、烏合の衆にしてやるよ……犬だけどな!」
特に言葉に意味はなく、そもそも通じているとも思えないが挑発の意思は通じたようで、咆哮と共に突っ込んでくるマジョリティハウンド共…………る程、司令塔はお前か。
「ツラ覚えたぞオラァ!」
何度か挑戦した結果、分かったことがある。
このモンスターは単ならそこまで厄介な能ではなく、集団での戦闘にこそ厄介さは集約されている……だが、それにしたって連攜が上手すぎる。AIが優秀だから、で片付けてしまえばそれまでだが観察を続けて見つけたのだ。
「後ろで踏ん反り返るんじゃなくて部下の中に紛れる辺り中々イイ格してるよ全く」
吠えるだけで明らかに攻撃をしない個、攻撃手(アタッカー)の中に紛れつつも安全圏から指示を飛ばし続ける司令塔(コマンダー)。こいつこそがマジョリティハウンドというモンスターの要と見た。
どうやら俺の予想は的中していたようで、俺が司令塔個のみを狙っていることに気づいた他のマジョリティハウンドが俺に食らいつこうと飛びかかるが、そのきは明らかに彩を欠いている。
マジョリティハウンド同士が飛びかかった空中で激突している様など、先程まで俺を四方から囲んで四肢に食らいついて確実に仕留めていたモンスター共とは思えない。
レベルの差による時間効率は如何ともしがたいものの、アイスピックでも叩きつけるようにガツガツと致命の包丁で攻撃とクリティカルの回數を重ねていけばいつかは限界を迎える。
「多數派(マジョリティ)を纏める奴がいなくなったから個々の數派(マイノリティ)の集まりになった、ってか?」
中々皮が効いてて面白い。ついには仲間割れを起こして喧嘩し始めたマジョリティハウンドを各個撃破することは、なくとも高レベルプレイヤーの攻撃を避けるよりは容易いことだ。
「よっしゃオラァ!」
最後の一匹がポリゴンとなって散し、俺は達に歓聲を上げる。
力が比較的ないタイプの敵Mobだったとはいえ、40近いレベルの開きがあれば一倒すにしても時間がかかる。仲間割れをしていたとはいえ、死ぬまで大人しく毆られている程アホなAIでもないマジョリティハウンド達を各個撃破していくのはそれなりに疲れた。
こういう時、頭悪いくらいSTRに極振りした脳筋戦士とかがしだけ羨ましくじる。
「お疲れ様ですわサンラクサン!」
「あー、うん、できれば次は単のモンスターで頼む……」
一目(十數)は正直こう、テンションが下がる。
「お次はちゃんと一ですわ!」
「へぇ、一どんな……」
二目、背中から蛇の頭のようにも見える口がついた手を生やした熊……パラサイトテンタクル。
「複數じゃねーか!」
畜生、どっちが本かは知らねーがぶちのめしてやる!!!
Q.推奨レベル85なのになんか溫くない?
A.推奨レベルは別にステータスだけではなく裝備の強さも加味されています。
「大レベル85で得られるステと武があれば快適にシナリオ進められるよ」という意味であってそれ以下ではクリア不可能というわけではないです。クリアまでの道のりが苦行になるだけです。
さらに言えば「兎の國からの招待」は発生の條件がクソ厳しいだけで容は結構簡単な部類です。
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