《【書籍化】外れスキル『目覚まし』、実は封印解除の能力でした。落ちこぼれの年は、眠りからさめた神達と優しい最強を目指す。【コミカライズ企畫進行中】》1-17:続・東ダンジョン
潛って、売る。
潛って、売る。
潛って、潛って、売りまくる。
「ちゃりん、ちゃりん♪ コインの音がするね」
ミアさんは口元をにまにまさせながら、僕の探索に付き合ってくれる。
2人でダンジョンに潛るのは、もう5日目になっていた。その間、ギデオンの妨害には警戒したけれど、まだ何もない。
ミアさんには『目覚まし』のことはまだ伝えずに、『魔法関連のスキル』とぼんやり伝えてある。スキルをにする人も多い。ミアさんも今のところはそれ以上を聞いてこなかった。
ただ、なくとも戦闘面ではミアさんも張り合いがあるだろう。
『リオン』
ソラーナの聲が頭に響く。僕は連戦の汗をぬぐった。
『魔の気配だ』
「うん、わかった」
だって、東ダンジョンの魔が、ぐんと強くなったのだから!
初心者用のダンジョンは、今や腕利きもってくるようになった。
以前から思っていた『東ダンジョンの難易度が上がっている』という覚が、現実になっている。
スケルトン、ワーグ、さらには巨蟲。矢継ぎ早の目撃例。
ミアさんも張り合いが出ているだろう。ギルドやギデオンも僕に構っていられなくなったのかもしれない。
短剣を抜いて、構える。
東ダンジョンの第4層。空気がひりつく。ボス階層のすぐ上には、言いしれない張が満ちていた。
ミアさんが言う。
「リオン、また団さんだよ」
現れたのは群れだった。
スケルトン3、ゴブリン3、そしてワーグという狼型の魔が2。
「は! それらしく隊列組んでるじゃん!」
先行するワーグがとびかかってくる。ミアさんは片手斧で一匹を打ちのめし、もう一匹を僕に任せる。
短剣を中段に構えて、すれ違いざまにを切りつけた。
――――
リオン 14歳 男
レベル8
スキル <目覚まし>
『起床』 ……眠っている人をすっきりと目覚めさせる。
『封印解除』……いかなる眠りも解除する。
スキル <太の加護>
『白い炎』 ……回復。太の加護は呪いも祓う。
『黃金の炎』……能力の向上。時間限定で、さらなる効果。
――――
今の僕は、レベル8。積極的に魔と戦うようになったから、みるみるレベルがあがっていく。初心者出といわれるのは、レベル10からだった。
スケルトンの群れといった強力な魔を倒していることも大きい。本來ならば、東ダンジョンをクリアできる人たちが相手にする魔なんだから。
戦えているのは<太の加護>による能力向上、そしてこの人のおかげだろう。
「ミアさん!」
「ああ、下がってな」
ミアさんが鎖斧を振るい、スケルトンの盾をまとめて吹き飛ばす。鎖付きのリーチを活かした、投擲と薙ぎ払い。
僕はゴブリン狙いだ。短剣を繰り出して、小鬼たちを無力化していく。
ミアさんと背中に合わせになった。
「リオン、スケルトンが最後の1だ。やってみるかい?」
「はい……!」
素早くをれ替える。
ゴブリンはミアさんに任せ、一だけ殘ったスケルトンを狙う。スケルトンは相手が変わったことに驚く――なんてこともなく、剣技を繰り出してくる。
ミアさんが弱らせておいたこともあって、きも緩い。
切り札『黃金の炎』を節約しても、勝てるようにならないと。
「目覚まし!」
僕は短剣に向かって『封印解除』した。するとクリスタルから緑のが飛び出し、突風をスケルトンにぶつける。
構えが、れた。
生まれた隙は防に空いたのようなもの。
たたらを踏む相手に飛び込み、僕は骨へ短剣を突きこんだ。部分を破壊され、スケルトンが灰になる。魔石が散らばった。
「わん!」
最初に霊石から<目覚まし>をした霊は、青水晶の短剣に住んで、力を貸してくれる。スキルで起こすと、風の魔法を使ってくれるんだ。
封印解除のお禮みたい。
ソラーナの加護と、ミアさんの援護、そして、この子も加えないといけないね。
「君のおかげだよ」
霊は犬みたいに回って、短剣の水晶に戻った。
――――
レベルが9になりました。
――――
神様の聲に、が熱くなる。ぐっと握った拳をあげた。
「勝ったあ!」
「ああ、やったね。スケルトンの群れはレベル15相當だが、その分、レベルアップになるだろう」
僕らの稼ぎはさらに早くなった。
をいえばスキル<目覚まし>か、<太の加護>も能力が長したらよかったんだけど、こちらは変化がない。
ミアさんが教えてくれた。
「スキルの長は、いろいろ種類があるからね」
地面に落ちている石ころを、拾えるだけ拾う。
このうちいくつかは『封印解除』で輝くクリスタル、霊石になる。
僕の手にが生まれ、石が緑のクリスタルになるのを、ミアさんが不思議そうに見ていた。
「あ、あ~、ごほん。あたしの<斧士>はレベルアップで技が増えるタイプだが、使用回數で長したり、パターンはいろいろだ。気長に見極めるんだね」
「そうですね……」
僕の場合は、スキルが2つ。
<目覚まし>の方は、今まで聞こえていた『使用回數』のメッセージが最近なくなっていた。次の長への條件は、使用回數じゃなくなったってこと? それか長が止まったんだろうか?
「うーん……」
悩んでしまう。
<太の加護>はソラーナに聞いてみたい気もするけど、こちらもこちらで悩んでいた。
『封印か……なにか、思い出しそうなんだが』
「うーん……」
『うーん……』
悩んでいても、果は確実に出ていた。レベルはあがり、借金を返すための貯金も確実に積みあがっていく。
魔石の報酬は2人で山分けだけど、倒せる量が倍以上だから気にならない。霊石についても、ミアさんは借金という事を汲んでくれて、僕の取り分をかなり多くしてくれた。
申し訳ないけど、この辺りも助かります。
地上に戻ろうと思ったところで、ダンジョンにび聲が響き渡った。
男の聲だったけれど、狀況からしてある人を思い出してしまう。
ぽつり、とミアさんが呟いた。
「……パリネの時みたいだな」
「まさか、ね」
僕とミアさんは顔を見合わせて、助けるために駆け出した。
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