《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》33.勇者、弟の前で親から手のひらを返される
トカゲの魔神を討伐した、數時間後。
カーライル邸宅の、弟の部屋にて。
「るぞ」
ベッドでは、弟が橫たわっていた。
ぐったりとした表で、天井を見つめている。
「……なにしに、きたんだよ」
「おまえの様子を見に來たよ」
俺はガイアスのベッドに近づき、椅子を創生して、座る。
「……なにさらっと椅子を魔法で作ってるんだよ」
「え、それがなにか?」
「もういいよ……兄さん、あんた、力を隠してたんだね」
くしゃっ、とガイアスは顔をしかめる。
「……やっぱり【予言】は正しかった。兄さんのほうが【変革者】だったんだね」
「へんかくしゃ?」
と、そのときだ。
「ユリウスぅ! こぉんなところにいたのか!」
「親父、おふくろも」
ふたりは気の悪い笑顔を浮かべながら、俺に近づいてくる。
「いやぁ、見たぞ今日の試合! 実に素晴らしかった!」
「最高よ! さすが、わがカーライル一族の麒麟児!」
ぎりっ、とガイアスが歯噛みする。
両親は、気絶して運び込まれた弟に対しては、を案じる言葉を投げかけてこない。
「しかも魔神を討伐するとは! いやぁ、あの場にいた保護者達の驚いた顔といったら!」
「わたしたち、あなたを産んだ親として、鼻が高かったわ!」
気の悪い笑みを浮かべ、貓なで聲で両親が言う。
「魔神を討伐したことで、近々國王陛下から勲章を授かるらしいぞ! さすがはユリウス!」
「【3人】で王都へゆきましょう! 世に知らしめるのです、カーライル家の偉業を!」
「母さん、ぼ、ボクは……?」
ちらり、とおふくろが弟を見やる。
その目は冷え切っていた。
俺がこの世界に來たとき、ユリウスに向けていたものと同じだ。
「……あなたなんて、いらないわ。出來損ないに生きてる価値はありません」
「そうだ、我が家にはユリウスだけで十分だ。おまえは用済みだ。この家から出て行け」
「いや、出て行くのはあんたらだ」
俺は両親の背後に一瞬で回る。
ふたりの首っこを摑んで、転移魔法を発。
「「へ……?」」
俺は裏庭にある、噴水の上まで転移した。
重力魔法で宙に浮かびながら、大人ふたりを両手で持ち上げてる。
「ゆ、ユリウス……なにを?」
「ま、まさか落とさないわよね!」
ぱっ……。
ドボーン……!
両親は噴水に落下する。
そんなに高いところから落とさなかったので、へのダメージはないだろう。
「あんたら、ちょっと頭冷やせよ。さっきのは、自分の息子に言っていいセリフじゃなかったぞ」
ずぶ濡れになったふたりは、呆然と、俺を見上げる。
「ガイアスだって準優勝したんだぜ。十分誇らしいことだろ」
「ゆ、優勝し、魔神を退けたおまえと比べたら大したことないじゃないか!」
勇者と一般人を、同じ尺度で測るなんて愚かなことだ。
まあ、この人らにそんなこと、説明しても無駄だろうけれど。
「一応言っとくけど、勲章の授與には俺、いかないからな」
「「なんだって!?」」
両親が驚愕の表を浮かべる。
「魔神程度倒しただけで、いちいち勲章なんてもらえるかよ」
2000年前の世界には、魔神以外に強い存在がゴロゴロしていた。
彼らと比べたら魔神なんてミジンコみたいなもの。
それを倒して偉いと褒められても、何の慨も浮かばない。
「どうしてそんなもったいないことをするのかしら!?」
「そうだ! これは名譽なことなんだぞ!」
「知らん。興味ない。そんなにしきゃ自分たちだけでいけよ。じゃあな」
「ま、待ってくれ! 自慢の息子よ! 考え直してくれぇ!」
俺は転移して、弟の部屋に戻る。
ガイアスはベッドの上で三角座りし、青い顔をしていた。
「さっきの、気にすんなって」
「うるさい! くそっ! 出て行けよ!」
弟は立ち上がり、俺の背中を押す。
部屋の外へと追い出された。
『なんなんだよ! みんなして手のひら返して兄さん兄さんって! ボクのほうがすごいんだぞ! くそ! チクショウ! ちくしょおおおお!』
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