《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》37.勇者、登校拒否の弟を連れ出す
武闘大會から、1週間が経過した。
ある日の朝。
俺はメイドのシャルロットに著替えさせて貰い、朝食を食べる。
「そういや、ガイアスの熱って下がったのか?」
「ええ。大會の翌日は高熱を出してましたが、その翌日には引きました」
「調は?」
「まだ萬全ではないのかと。お食事も召し上がらないようですし」
風邪が長引いてるのだろうか。
出て行ってくれ、と言われたから、數日は近づかないで様子を見ていた。
しかしさすがに、こうも長く引きこもられると、心配になるな。
「様子見に行くか。シャルロット、サンドイッチ作ってくれ」
メイドに朝食の弁當を作らせて、俺はそれを持って廊下を歩く。
弟の部屋を目指して歩いていると、正面から使用人たちが歩いてきた。
「「おはようございます、ユリウス様!」」
彼たちは俺に気づくと、ペコペコと頭を下げてきた。
前は無視された気がしたけど、最近はちゃんと挨拶を返してもらえる。
「おう」
俺は軽く挨拶をして、彼たちから離れる。
「……あーショック。兄の方が実は優秀だったんだよね」
「……びを売る相手間違っちゃった。失敗したなぁ。最初からあっちをよいしょしとけば良かった」
「……ユリウス様専屬のシャルロットが羨ましいわ。悔しい!」
ややあって。
俺は弟の部屋の前までやってきた。
コンコン。
「おーい、ガイアス、起きてるかー?」
しーん……。
「ガイアス、おーい。るぞー」
ドアノブに手をかける。
ガチッっ……!
バキィッ……!
俺はドアを開けて、中にる。
ベッドがこんもりしていた。
俺は弟のそばまで行く。
「よっ」
「……鍵掛かってたんだけど」
「え、普通に開いたぞ?」
「……平然と素手で部屋の鍵を壊すとか、どんだけ怪力なんだよ」
俺は弟の隣に椅子を創生し、座る。
「大丈夫か、學園を何日も休んで」
「…………」
「風邪が長引くようなら醫者呼ぶぞ?」
「……だれの、せいだと思ってんだよおぉ!」
ガイアスは布団をはねのけ、俺に枕をぶつけようとする。
パァンッ……!
「なっ!? 枕が破裂した!?」
「俺のは常時魔力の鎧で包まれてるからな。ぶつかるとこうなる」
「24時間魔力を放出し続けて無事とか、魔力量どうなってるんだよ……」
ガイアスが弱々しくつぶやく。
艶やかな金髪は、心なしかがくすんでいるように見える。
「どうした? いつもの元気がないじゃないか」
「……うるさい。兄さんは黙っててよ」
弟は布団をかぶって、丸くなる。
俺は聖から習った【狀態確認】魔法を使う。
回復の応用で、相手の調を調べる魔法だ。
「なんだ、すっかり風邪治ってるじゃないか。どうして學園行かないんだよ」
「いけるわけないだろッ! 行ったら學園中の笑いものになるからだよ!」
「笑いもの? どうして」
「散々見下していた相手に負けたんだよ!? 馬鹿にされるに決まってるだろ!」
「そんなことないと思うけどな」
「うるさい黙れ! もうボクのことはほっといてよ!」
弟はかたくなに、ベッドから出ようとしない。
「ほっとかねえよ。俺はおまえの兄貴なんだ。落ち込んでいたら悩みを聞くさ」
「そうやってボクを馬鹿にしてるだろ!?」
「いや、全くそんな気ないけど?」
くそっ! とガイアスが悪態をつく。
「何に悩んでるんだ?」
「あんたにボロ負けしたのが悔しかったんだよ! 高熱出して寢込む程にね!」
「なんだ、じゃあ明日から俺と、一緒に練習するか?」
「は……?」
ガイアスが布団から顔を出し、ぽかんとした表で俺を見やる。
「負けて悔しいって思うのは、勝つことを諦めてないからだろ? つまり勝ちたいって気持ちがあるんだよ、おまえには。なら、俺はお前の手伝いするぜ」
呆然とする弟に、俺は手を差しべる。
「…………」
ガイアスは俺に向かって手をばす。
パシッ……!
俺の手を払い、睨んで言う。
「誰が兄さんの手を借りるもんか!」
弟は布団から飛び出ると、パジャマを暴にぎ出す。
「くそっ! チクショウ! 馬鹿にしやがって! 馬鹿にしやがって!」
制服に著替えると、鞄を持って部屋を出る。
俺はその後ろをついてく。
「ついてくんな!」
「まずは【全集中】ができるようになろう。常に正しい呼吸を心がけるんだ。こうやってな」
「教えなくて結構だよ! あんたに教えられると吐き気がしてハラワタが煮え繰り返るんだよ!」
「橫隔のきを意識して」
「うるさい黙れクソ兄貴ぃ!」
そんなふうに、俺たちは學園へと向かうのだった。
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