《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》42.勇者、弟に無自覚スパルタ修行をつける
弟を狙った魔族を退けた、翌朝。
カーライル公爵の邸宅。
その庭にて。
「おっす、ガイアス。ちゃんと時間通り來たな、偉いぞ」
金髪の年、ガイアス。
俺の弟が、きやすい服裝でやってきたのだ。
弟の頭をでようとすると、その手を払われる。
「勘違いするな。ボクは別にあんたとなれ合いに來たつもりは頭無い」
実に嫌そうな顔で、吐き捨てるように弟が言う。
「ボクは自分のためにここへやってきた。兄さんを利用し、強くなるためにね」
「わかってるって。そんじゃ、さっそく練習するか」
俺は創生魔法を使い、【人間の倍】程度の巖を作る。
ずずぅーん……。
「よし、斬れ」
「ちょっと待ってよッ!」
ガイアスが聲を荒らげながら詰め寄る。
「え、どうした?」
「斬れって、こんな巖斬れるわけないだろ!?」
俺は練習用の模造剣を持ち上げて、軽く振る。
ズバンッ……!
「ほ、本當に真っ二つにしちゃった……刃のない、模造剣で」
「な、簡単だろ?」
「兄さんは自分が規格外の化けだってことそろそろ自覚しろよ!」
はぁ……とガイアスが大きくため息をつく。
「ちゃんとやり方教えてよ。普通の人間は、巖を片手間に斬れないよ」
「そうだな。じゃあとりあえず【闘気(オーラ)】を使えるようになろう」
大気に満ちる自然のエネルギーを、に取り込むことで作られる、発的な運エネルギーのことだ。
弟に軽く概要を説明。
そして目の前で、実際に闘気を練り上げてみせる。
コォオオオオオオオオオ!
「兄さんのから、黃金の輝き。すごい、これが闘気(オーラ)……」
じっくりと、ガイアスは俺のから流れる闘気を見やる。
やがて、目を閉じて、すぅー……っと呼吸をする。
コォオオオオオオオオオ!
「……なんだこれ。全に力が沸いてくる。これなら!」
ガイアスは模造剣を手に、半分になった巨巖の前に立つ。
「いける! 今なら絶対斬れる! せやぁ!」
かつーん……!
弟の剣は巨巖に弾かれて、くるくると宙を舞って落ちた。
「ただ闘気で能力を強化しただけじゃ、巖は斬れないな」
「それを早く言ええええええ!」
怒ったガイアスが、俺に向かって毆りかかってくる。
「なっ!? か、が軽い! 羽のようだ!」
力の制ができず、ガイアスは俺の橫を凄まじい早さで走って行く。
ドゴォオオオオオオオオオン!
弟は屋敷の壁に、真っ正面からぶつかった。
「闘気は練り上げた量が増えればその分、制が難しくなる。まずは制できる量を見極めるところからな」
「はやく……いえよ……」
しばらくの後。
「…………」
ガイアスのは黃金に輝いている。
ただし、先ほどより勢いは幾分抑え気味だ。
「よし、いいぞ。垂れ流すんじゃなくて、で循環させるじだ。そのまま剣に闘気を集めてみろ」
ガイアスは、を纏う闘気を、腕から手に、そして剣に流す。
「よし、もう一回振ってみろ」
ズバンッ……!
高速で振り下ろされた剣は、巨巖を両斷したのだ。
「は……ははっ! どうだ! 兄さん見たかい!」
「ああ、たいしたもんだ。闘気の習得と制を、まさか1日目でものにするとはな」
「これはもう天才だね! ところでぇ? 兄さんは闘気をいつマスターしたのかな?」
「え、剣を握った瞬間からだから、3歳の時かな」
「ボクよりすごいじゃないかよぉおお!」
ガイアスは地団駄を踏む。
「そんなことない、お前も十分すごい、才能あるよ」
「ボクより才能ある人間が言うなよ! 腹立つんだよ! チクショウ!」
「よし、この狀態で素振りするぞ。おまえフォームがめちゃくちゃだから、基礎からみっちり教えるからな」
「ちょっ!? 制で手一杯で、素振りなんて無理!」
「とりあえず1萬回な。俺に合わせて振るうんだぞ。そら、1234567891011」
「だから無理だって言ってるだろ馬鹿兄ぃいいい!」
【※読者の皆さまへ とても大切なお願い】
今回から第4章に突します!
楽しんでいただけるよう頑張ります!
「面白い!」
「続きが気になる!」
「4章もガイアスの長と見事な噛ませっぷりに期待!」
と思ったら、
下の【☆☆☆☆☆】から作品への応援おねがいいたします!
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