《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》103.海外留學組、勇者パーティの力を侮り敗北
転生勇者ユリウスひきいる、勇者パーティが力測定で度肝を抜いた、1週間後。
理事長室にて。
「理事長、失禮するぜぇ」
金髪でとげとげ頭をした男子生徒が、部屋にドカドカとってきた。
「おー! 誰かと思えば海外留學組の諸君ではないか!」
とげとげ頭の男子生徒の後ろには、一癖も二癖もありそうな風貌の生徒が合計で5人。
「確かキミは【エラモンド】くん……だったかね? 5年生の」
金髪とげとげ頭こと、エラモンドが、理事長のルシフェルもとへやってくる。
バンッ! とエラモンドが機に手をつく。
「おんやぁ? どうしたのかね、そんな怒って?」
「聞いたぜぇ? 今年の【対校戦】の出場メンバー、全員1年生なんだってなぁ?」
留學組全員が、額に青筋を浮かべていた。
「とりあえず落ち著きたまえ。お茶をれよう。長い留學で疲れているだろう?」
ややあって。
ソファセットには、エラモンドをはじめとして、留學組が座っている。
「まずは海外留學お疲れ様ぁ。1學期から今日まで長い間海外生活疲れたでしょう?」
「ハッ……! ぜんぜんだぜ。おれら留學組をなめんじゃねえ!」
そうだそうだ、と全員がうなずく。
「績上位數名にのみ與えられる、海外留學権。それを勝ち取った君らを、まさか舐めているわけがないでしょう?」
「なら! どうしてアタシたちが対校戦にでれないのよ!」
留學組の紅一點、【チャンシズカ】が金切り聲を上げる。
「全國の學園が一堂に會し、トップを決める試合。それが対校戦……當然、ボクらエリートである海外留學組が選ばれるべきですよ」
眼鏡をかけたインテリ系【ネスオ】が、苛立ちげに言う。
「つーかよぉ! いつもなら対校戦選抜試合やるじゃねえかぁ! なーんでおれさまたちがいねえ間に選抜が終わってるんだよ! 納得がいかねえよくそがぁ!」
一番ガタイの言い男子生徒【ジャイアン】が、ダンッ! と機を毆って破壊する。
目の前で機が々になったというのに、ルシフェルは微笑をたたえたまま言う。
「申し訳ございませぇん……ただ、今年の1年生は、【々】常軌を逸した強さを持つ生徒がいましてねぇ」
ニヤニヤと笑いながらルシフェルが言う。
「ほぅ……それは暗に、拙者たちより、その一年坊主たちのほうが強い……といいたいのかね? 面白くない冗談だ。やれやれ」
腕に包帯を巻いた年、【ビター】が、役者のように大仰なポーズを取って言う。
「殘念ながら冗談ではなく、事実なんですよぉこれが」
「なんだとぉ! てめ理事長調子乗ってんじゃあねえぞ!」
「ジャイアン、落ち著きやがれ」
「けどエラモンドぉ! ありえねえよ! おれさまたちより強い1年坊主なんているわけねーんだ!」
「いいから、座れ」
エラモンドが、くいっ、と人差し指を曲げる。
すると、ジャイアンの巨が、ずんっ! とその場に沈む。
「理事長。おれぁ納得できねえ。學園の代表として海外に留學していた、おれたち最強のメンバーをさしおいて、1年生に対校戦を出すのはやっぱりおかしいと思う」
「ほぅ……ならばエラモンドくんは、なにをご所なのかな?」
「當然、対校戦の代表とかいう、1年坊主たちとの試合だよ」
理事長は、にやぁ……と悪魔のような笑みを浮かべる。
「やめといた方が賢明ですよぉ。きみたちと彼ら……ユリウス君とその仲間達ではレベルが違いすぎます」
「おれたちを舐めるのもいい加減にしろよ理事長さんよぉ?」
「とんでもない! ワタシはただ事実を述べているだけです。才能ある若者たちが、ユリウス君という希代の天才の実力を知って、自信をポッキリ折られないか心配で……」
全員がザッ……! と立ち上がる。
「上等だ。會わせて貰おうか、そのユリウスとやらによぉ!」
かくして、海外留學組5人が、対校戦の代表メンバーの座を奪うため、ユリウス達サークルメンバーに戦爭を仕掛けにいくことになった。
ザッ、ザッ、ザッ……! とエラモンドたちが、廊下を橫一列になって歩く。
生徒達は彼らを見やると、脇に避ける。
「み、見ろよ! 海外留學組が通るぞ!」
「撃の名手【ビター】! 大財閥の息子【ネスオ】! その剛力は巖をも砕く【ジャイアン】! 世にも珍しい音魔法の使い手【チャンシズカ】!」
「そして彼らのリーダー【エラモンド】は、四次元殺法っていうすげえ武を使う!」
「おいおい學園の元トップ5が、いったいどこへ! 何をしにいくって言うんだ!」
學生達の注目など、そよ風のようにけ流し、海外留學組が歩く。
「チッ……! ムカつくぜぇ! なーにが元トップ5だ! 全員ぶちのめしてやろうかぁ!? あぁ!?」
「やめておきなよジャイアン。時間の無駄さ。すぐにボクらが強いということを、衆愚たちは思い出すだろうからね」
海外留學組は、ユリウス達サークルメンバーが集まる部屋へと向かう。
「エラモンドよぉ! いいんだよなぁ本気出しても?」
「もちろんだ、ジャイアン。自分たちが一番強いと思い込んでいる愚かな若者達に、圧倒的な力の差を見せつけてやるんだ」
にやり、と海外留學組が笑う。
たどり著いたのは、特待生に與えられる部屋の1つだ。
「じゃあ行こうぜぇ。戦爭の……始まりだ!」
ドガァアアアアアアアアアアン!
部屋のドアが、発とともに吹っ飛んだのだ。
「おいおいエラモンドぉ、気が早くねえかぁ?」
「い、いや……おれじゃあねえ。扉が勝手に発したんだよ……」
「なにを言ってるのだね? 學園の建は元魔王城。材質は最高の度オリハルコンでできている。壊れるわけがない」
ネスオの解説に、エラモンドが戸った表になる。
「なにびびってんだよぉ! おらぁ! カチコミじゃてめえらぁ! 調子乗るんじゃねえぞ1年坊主ぅ!」
ジャイアンが勢いよく部屋の中にる。
「うぎゃぁあああああああ!」
「どうしたジャイアン!? なっ!? なんだこの化けはぁ!」
そこにいたのは、巨大なモンスターだ。
翼の生えた虎のような風貌である。
「そ、そんな!? あ、あれは2000年前に存在した伝説の魔獣【鵺(ぬえ)】!? 」
「鵺だとぉ!? そんなばかな! どうしてそんな強力なモンスターがここに!?」
鵺はジャイアンの首っこを口で摑んで持ち上げている。
「うぇえええええん! たぁすけて! お母ちゃーーーーーーーーーん!」
「ジャイアン! くそっ! 今拙者が助けるぞ!」
ビターは魔法拳銃を取り出す。
1秒間に10発の、クイックショット。
2丁の拳銃から繰り出される、最強最速の銃撃。
ビタッ……!
「なっ!? じゅ、銃弾が……空中で止まっただと!?」
「結界よ! 結界が部屋のり口に張ってあるわ!」
人間は通れて、銃弾だけが結界に阻まれている。
「脅威度の高い攻撃だけを選択して防ぐ防結界……こんな高度な結界、見たことがないわ!」
チャンシズカが愕然とした表でぶ。
「え、エラモンド……やばいんじゃないか? 撤退した方が……」
「うるさぁい! この腰抜けども! こんなのでびびってるんじゃねえ! おれはいくぞ!」
怯える仲間達をよそに、エラモンドだけが、部屋の奧へと進む。
そこには……
「あはは! あにうえくらえ! どーん!」
6枚の翼を広げた天使が、その手に巨大な【砲(キャノン)】を持っている。
砲から放たれるのは、無限にも等しいレーザーの束だ。
そのレーザーを、中央に立つ黒髪の年が、片手で弾く。
パリィイイイイイイイイイイイン!
弾かれたレーザーは雨あられのように、そこらいったいに降り注ぐ。
「うぎぃいいいいいいい!」
エラモンドは恐怖のあまりその場にうずくまり、頭をおさえる。
「いくよセイバー!」『意に、我が主』
雙剣を構えた金髪の年が、躍り出る。
彼が赤い剣を振るうと炎が、青い剣を振るうと吹雪が、舞い上がる。
だが黒髪の年はかず、ぺいっ、と手で払うだけで、炎も氷も消し飛んだ。
「うぎゃああああ! じ、地獄だぁあああああああああ!」
恐怖のあまりパニックを起こすエラモンドをよそに、破壊の宴は続く。
ズドドドッ!
ガギガキガガキキンッ!
ちゅどーん! ちゅどーん!
ずどばごぉおおおおおおおおおん!
やがて、狂騒は収まる。
海外留學組5人は、その場で腰を抜かし、けないでいた。
「いやぁ、あにうえ強いです! ぼくら全員で挑んでもかなわないですー!」
年が、【あにうえ】と呼ばれた黒髪の年に集まる。
「いやお疲れさん。みんな長できていたぞ。ちゃんと自主トレ続けてるみたいだな。偉い偉い」
えへへ、と年達が笑う。
「ところで……兄さん。あの人達だれ?」
いっせいに、彼らの視線が、エラモンドたちに集まる。
「兄さんが呼んだの? ボクらの練習相手とか?」
「え、知らないぞ。誰だおまえら?」
黒髪の年が、こちらに一歩踏み出す。
彼のから発する、圧倒的な強者のオーラを前にして……。
「「「「…………」」」」
「おーい。あれ? 気失ってら」
海外留學組は、完全にノックアウトしていた。
「もうっ、兄さんってばまたやらかして!」
「え、俺また何かやっちゃった?」
黒髪年は、気付けに闘気(オーラ)を、エラモンドたちに流し込む。
「ハァッ! はぁ……はぁ……お、おれたちは……いったい?」
「よっ。起きたか。すまんなびっくりさせて。で、何か用事?」
エラモンド達は、顔を見合わせる。
そして……。
「「「「調子に乗って、すみまっせんでしたぁ!」」」」
5人全員、その場で土下座したのだった。
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