《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》108.勇者、友達と泊まり込み合宿する

神聖皇國に偵察をした、數日後。

同好會(サークル)メンバーは、俺の家(カーライル家)に來ていた。

「「おじゃましまーす♡」」

「おー! えりちゃんとさくちゃん來たです! あがるといいです!」

私服姿のふたりが、屋敷のり口にやってくる。

俺と弟、義弟は、彼たちを出迎える。

エリーゼ達はトランクを持っていた。

「えりちゃんトランプしよートランプー」

ぐいぐい、とミカエルがエリーゼのトランクを引っ張って言う。

「ミカよ。ふたりは遊びに來たわけじゃないぞ」

「はえ? そーです? じゃあなにしにきたですか」

「泊まり込みで合宿に來たんやで」

「おー! 合宿ー! ぱーと2です!」

ばっさばっさ、とミカエルが興して、翼を広げる。

「荷持つぞ」

「へーきや。ユリウスはんに作って貰ったこの鞄、めっちゃものるのに、めちゃくちゃ軽いしなぁ」

魔法道(マジックアイテム)の一種だ。

中に【無限収納(アイテムボックス)】と【重量無視】の魔法を付與してある。

「こんなすごい鞄……ほんとうにもらってよかったの、ユリウス君」

「もちろん。子は荷が多くなるからな。使ってくれ」

「これ國寶級のマジックアイテムやで。それをぽんって作ってみせるなんて、ほんまユリウスはんはさっすがやわぁ♡」

俺たちは2階へとあがる。

屋敷は無駄に広いので、空いている部屋を適當に使って貰うことにした。

エリーゼ達の使う部屋へ行き、みんなで掃除をする。

「みんなで合宿! わーいたのしー!」

ばうんばうん、とミカエルがベッドではねながら言う。

「こらミカ! ホコリ立つだろ!」

「がいあすは口うるさいです。こじゅーとです?」

「ミカはん、それゆーなら嫁やろ。ユリウスはんの」

「「「あー……」」」

「なに納得してるんだよ、ばかっ!」

ひとしきり掃除が終わり、俺たちは休憩を取ることにした。

「なんやこの、冷たくて味しい飲み……?」

「すごいシュワシュワしてて味しい!」

俺が出した飲みを、エリーゼ達が飲んでいる。

「え、ただのコーラだけど?」

「コーラ! すっごい味しい! 何杯でも飲めちゃうよぅ!」

エリーゼが味しそうにコーラを飲む。

「たまに思うんやけど、ユリウスはんってこの世に存在しないようなもん、どっから知識仕れてくるん?」

「それは2000ね……」「兄さん」

ガイアスが、真剣な表で俺を見てきた。

『自分が勇者神だって、正を明かすの?』

念話(テレパシー)を弟が送ってくる。

『ああ。別に隠すことじゃないだろ』

『……ボクは、反対だよ。仲間に隠し事はよくないとは思うけど、余計なリスクを背負うハメになる』

弟が言っているのは、つまり、勇者神を狙って悪いヤツらが、エリーゼ達を襲うようになるのではないか。

そういう事態を危懼しているみたいだ。

『最近はなくなったけど、前は勇者神を仲間に引き込むために、弟のボクを人質に取ることなんてしょっちゅうだったろ?』

『まぁなぁ……。けど……ううーん……』

すると、ぐいー、っとミカエルが俺の頬を引っ張ってきた。

「どうした?」

「んもー! ずるい! あにうえとがいあす、見つめ合ってる! ずーるーいー!」

念話はミカエル達に、聞かれてはいない。

けれど外部から見れば、俺たちが無言で見つめ合っているように見えたのだろう。

「完全に人同士やん。がちのがちやん」

「わ、わたし……応援するよ! ど、同も、近親相も、うん! 許容範囲だから!」

「なっ!? バカなこと言うなよ! もうっ! もうっ!」

ユージーンであることを明かすかどうかは、保留ということになった。

その後、俺たちは夕飯を食べた。

ロクデモナイ親父達と、友達が顔を合わせる事態にはしたくなかった。

そこで食堂で俺が料理を作り、エリーゼ達の部屋に運んで、そこでみんなで食べた。

「ほんま、ユリウスはんの料理は最高やわぁ~♡」

「うん! 本當にすごいよねユリウス君! お料理までプロなんだもん!」

ミカエルがジッ……とガイアスを見やる。

「なんだよ、ミカ?」

「だいじょうぶです、がいあす。最近はお嫁さんが料理を作れなくても……痛(いふぁ)い痛(いふぁ)い」

むぎゅーっと、弟がミカエルの頬を引っ張っていた。

ややあって。

エリーゼ達の部屋にて。

「さて、じゃあ會議を始めようか」

ホワイトボードを創生し、俺は言う。

「はいはい! あにうえ、そもそもなんで合宿するです?」

「全員のレベルアップのためだ」

「レベル上げ? なんでです?」

「対校戦に勝つためだ。現狀じゃ、俺たち王立學園は負けてしまう」

俺はホワイトボードに、簡単な図を書く。

「まずは、現狀、強さのレベルがどうなっているのかから説明するな」

========

①俺

②神・魔王

③大天使・大霊・悪魔

④天使・

⑤魔族

⑥S級モンスター

========

「種別で見たときの、ざっくりとした強さの序列を書くとこんなじだ。上に行くほど強くなる」

「いや……種別でってカテゴリーのはずなのに、兄さんのカテゴリーがあるのなんなの……?」

「仕方あらへんわ。別格やからな」

さきほどの序列に、新しい報を書きれる。

「次に、俺たちの強さのレベルを書き加えると、こんなじだ」

========

①俺 【ユリウス】

②神・魔王 【ガイアス(霊裝狀態)】

③大天使・大霊・悪魔 【ガイアス(通常)】【ミカエル】

④天使・

⑤魔族 【エリーゼ】【サクラ】

⑥S級モンスター

========

「最後に、學園の強さを書くと……最終的な力関係は、こうなる」

========

①俺 【ユリウス】

②神・魔王 【ガイアス(霊裝狀態)】《神聖皇國》

③大天使・大霊・悪魔 【ガイアス(通常)】【ミカエル】《東部連邦》

④天使・

⑤魔族 【エリーゼ】【サクラ】

⑥Sモンスター

〜省略〜

《帝國學園》

========

「そんな……こんなに……レベル高いなんて……」

エリーゼが愕然とつぶやく。

「カズマもカテゴリー②なの?」

「現狀はな。あくまで前回の偵察で見た限りの話になってくる。俺の見立てでは、あいつの強さは、あんなもんじゃないと思ってる」

サクラは自分たちの立ち位置を見て、ぎり……っと歯がみする。

「うちら……完全にお荷やな」

「そんなことない!」

ガイアスが立ち上がって、きっぱり言う。

「確かに個の力では、サクラたちは劣るかも知れない。けど今回はチーム戦だ。みんなで力を合わせる大會に、個の序列なんて関係ないよ! まだやってもないのに荷なんて言うな、ばかっ」

きょとん、とサクラが目を丸くする。

だが……ふっ、と淡く微笑んだ。

「せやな。あんたの言う通りや。ありがとうな」

「べ、別に……おまえのためじゃない。チームのためだ。お前に抜けられたらみんなが困るからだっ」

ふんっ、とガイアスがそっぽを向く。

「ツンデレ復活です?」

「うるさいよ、ミカ!」

ややあって。

「俺たちが対抗戦で勝つために必要なことは2つ。1つめ、チームでの練習。2つめ、個々人の力の底上げ」

「確かに……チーム戦っていっても、1対1の場面は出てくるよね。でも兄さん、底上げってどうするの?」

「せやな。対校戦は10月スタート。あと1ヶ月しかあらへんで? そない1ヶ月で悪魔やら神やらに並べるとは思えへんのやけど」

不安げなみんなの表を見渡し、俺は言う。

「だから俺たちは、【霊郷(せいれいきょう)】にいく」

「せーれーきょー?」

はて、と首をかしげる。

「あにうえ、せーれーきょーってどこです?」

「地上にある、霊達の住まう場所だ。そこでは外界と時空間が完全に分斷されている」

「あ、あにうえー……共通語でおkです?」

ガイアスは神妙な顔つきでうなずく。

「つまり、ボクらの住む世界から、時間が切り離されてる場所ってこと?」

「そういうことだ。霊郷で長い時間を過ごしても、こっちでそんなに時間が経ってない」

「そないすごい場所知っとるなんて! さすがユリウスはんやで!」

おおー、と心する。

「強化合宿の容としては、まず霊郷で個人練習。その後帰ってきて、こっちの屋敷でチーム練習を行う」

「ずっと霊郷にいないのは、どーしてです?」

「あそこは……長く居たら駄目な場所だからな。帰って來れなくなる」

ごくり、と全員が息をのむ。

「結構、やばいとこなんやな?」

「ああ。死にはしない。死にはな」

子チームがうつむく。

「もちろん強要はしない。行くかどうかの判斷は任せる」

サクラは俺たちを見て、こくりとうなずく。

「うちは、行くわ。チームの足を引っ張りたない」

「わたしも、強くなりたい。みんなのために……!」

子チームは立ち上がって、覚悟の決まった顔をする。

「ぼくもいくー! もっと強くなって、チームのみんなを守るです! あ、ついでにがいあすもです」

「ついでってなんだよ、もう……」

弟たちも立ち上がって、うなずく。

「おまえも來るか、ガイアス」

「當たり前だろ。ボクたちはチームだよ。兄さんだけが、みんなを守るなんておかしいさ」

ガイアスがみんなを見回す。

「優勝カップは、みんなの手で摑もう!」

「「「「おー!」」」」

こうして、俺たちはさらなる強化のため、【霊郷】に合宿へ出発するのだった。

【※お知らせ】

新連載、始めました!

「え、テイマーは使えないってパーティから追放したよね?~実は世界唯一の【霊使い】だと判明した途端に手のひらを返されても遅い。霊の王様にめちゃくちゃ溺されながら、僕はマイペースに最強を目指すので」

【作品URL】

https://ncode.syosetu.com/n2047gk/

頑張って書いたので、よろしければぜひご覧ください!

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