《【書籍化】落ちこぼれだった兄が実は最強〜史上最強の勇者は転生し、學園で無自覚に無雙する〜》111.勇者、皇帝に気にられる
9月最終週。
俺たちは対校戦に參加するべく、【マデューカス帝國】を訪れていた。
帝都にある城の口にて。
俺は城にろうとすると、門番に止められた。
「なにものだ!?」
「え、【ヘンリエッタ】に呼ばれてきたんだけど?」
「皇殿下が貴様のような王國民に用事などない! とっとと立ち去れ!」
門番に槍を向けられる。
もちろん対処可能だけど、騒ぎを起こしてチームに迷を掛けたくない。
そのときだった。
「貴様ら、何をしている?」
「「ヘンリエッタ皇!」」
長い髪をたなびかせながら、姫騎士ヘンリエッタ(29)が現れた。
「彼は客人だ。武を下ろせ」
「「も、申し訳ありません!」」
門番たちが槍を下げて、頭を下げる。
俺たちは彼らの元を離れて、帝城へと向かう。
王都の城に負けず劣らずの大きい城だ。
廊下を渡り、誰もいないの確認してから……。
「ダーリン! ひさしぶりねー! んも~~~ちょー會いたかったよぅ!」
凜々しかった表を一転させ、だらけ切った笑顔を浮かべて抱き著く。
「父親に挨拶は済ませたのか?」
「うん! まあ、いちおうね」
俺たちは部屋に向かいながら話す。
「対校戦の舞臺って帝國なんだな。毎年ここって聞いたが本當か?」
「そうよ。けど正確には、優勝した學園のある場所。ただ毎年帝國學園が優勝してるから、対校戦っていうと帝國の行事みたいな認識がみんなあるけどね」
城を歩いていると、使用人たちがヘンリエッタに頭を下げる。
そして俺を見て、骨にいやそうな顔をしている。
「俺なんかしたっけ?」
「ダーリンが、というか王國民がだね。昔から仲が悪いんだ、帝國と王國って」
「てことは、対校戦は完全にアウェーでの試合になるってことか」
帝國が舞臺であるなら、観客だって帝都民が多いだろうしな。
「不安?」
「まさか。この程度俺たちにとっては、ハンデにならないよ」
「か、かっこいぃ~。さすがダーリン!」
べたべたとひっついてくるヘンリエッタだが、人の気配をじると、パッと離れて騎士の顔になる。
「で、なんで俺は呼ばれてるわけ?」
「そんなの……ねぇ。うへへっ、わかるでしょう?」
とろけた表で、ヘンリエッタが言う。
「ほらぁ、もうすぐ私たち付き合って3ヶ月くらいでしょぉ? つまり、ねえ……そろそろ、ねぇ……?」
うーむ、さっぱりわからん。
「わたしハネムーンは海がいいなぁ。夕日を眺めながらロマンチックに……きゃっ、なんつってなんつって!」
よくわからんうちに、俺は部屋に通される。
応接間のようだ。
「じゃパパ呼んでくるね! 城のなか見て回ってもいいけど、迷子になっちゃうからジッとしててね」
ぶんぶん! と手を振ってヘンリエッタが部屋から出て行く。
し待っていたのだが、暇になったので、部屋を出た。
「聖杯でも拝みに行くかな」
今回の大會の優勝カップ、聖杯。
莫大な魔力がめられたのことだ。
俺は聖杯の魔力を探知し、そこへ向かう。
やたらと狹い通路やら、床下への階段をおりながら、聖杯の置いてある部屋へとやってきた。
「おじゃましまーす」
「なっ!? なんだ貴様ぁ!」
こじんまりとした部屋だった。
奧に祭壇のようなものがあって、そこに聖杯が鎮座している。
部屋の手前には、2人の男がいた。
「あやしいもんじゃない。ただの見學人だ」
「ふ、ふざけるな! この部屋までのルートには、幾重にも帝國最強の隠蔽式をほどこされている! 一般人が発見できるわけがない!」
「え、あれで隠してるつもりだったの? がばがばすぎない?」
びきっ! と髭の男が青筋を立てる。
「貴様! この私を愚弄するつもりか! 萬死に」
「よさぬか」
もうひとりは、靜かそうな初老の男だ。
「君はユリウスだな。王立學園の代表選手の」
「おう。おっさんは誰?」
「き、貴様ぁ! このお方の顔をよもやしらぬと言わせないぞ!」
「え、知らんけど」
俺はこの四月に転生したばかりだ。
2000年後の世界の事には疎い。
「よい、ヴェクタ。し彼と話がしたい。席を外すが良い」
「し、しかし!」
「二度は言わんぞ」
うぐ、とヴェクタと呼ばれた髭男が、言葉を詰まらせる。
「このお方に何かしたら貴様を殺すからなぁ!」
「しないよ、そんなこと」
ヴェクタが部屋から出て行き、俺とおっさんの二人きりになる。
「ユリウス。ここへは何をしに來た? 答えよ」
「だから聖杯の見學だってば」
じっ……とおっさんが俺の眼を見やる。
「なるほど、良い目をしている」
ふふっ、と笑うと、俺に言う。
「聖杯を近くで見せてやりたいのは山々だが、それは不可能だ」
「え、なんで?」
すっ、とおっさんが祭壇の手前を指さす。
「絶対不可侵の防結界がられている。わが帝國宮廷魔導士たちが長い時間、長い労力をかけて張った結界だ。悪いが一般人は絶対に立ちれぬのだよ」
「え、噓だろ? こんなのが?」
ほぅ、とおっさんが言う。
「君はまるで、この程度の結界、破れるとでも?」
「おう。かなりだらけだぜ?」
そのときだった。
「あ、ほら。來たぞ敵が」
キキン! と何か鋭利な刃で切られたような音がする。
結界の部に、魔神が出現した。
『うひゅー! 報通りだぜぇ!』
「そ、そんな馬鹿なぁあああ!」
ヴェクタがってきて、結界の魔神を見て驚く。
「あ、ああありえぬ! このヴェクタが開発した絶対不可侵結界を破るものなど! いていいはずがないのだぁ!」
『こんながばがば結界でなーにが絶対不可侵だぁ! 聞いてあきれるぜぇ!』
「ほんとほんと」
『よく聞け! おれさまは次元怪盜ルパ……えぇええええ!? お、おまえ!? どうやって抜けてきた?』
魔神の隣に、俺がいる。
「え、普通にまっすぐ歩いてきたけど?」
『ばかな! おれさまだって結界の張られていない地面からの侵をしたのに!』
ヴェクタも魔神も驚いている。
「この程度の強度じゃ俺は止められないな」
『くっ! このぉ! くらえわが刀! 次元の』
「ていや」
ぺちん、と俺は魔神をはたく。
それだけで、ボシュッ! と存在が消滅した。
「そ、そんな!? 學生風が、魔神を一撃で!? い、いったいどんな大魔を使ったんだぁああああ!?」
「え、叩いただけだけど?」
愕然とした表を、ヴェクタがむける。
「それより、おっさん。結界しいじっていいか? このままじゃまた來るぞ」
「ほぅ、ではお願いしよう」
「お、王よ! こんな得のしれない年に、國力のかなめである聖杯の防を任せるというのですか!?」
王?
「しかり。この年の力は見たであろう?」
「しかし!」
「くどい。控えよヴェクタ。ユリウスよ、頼む」
「ああ」
俺はサクッと結界式を新しくする。
「できたぞ」
「適當なことを!」
ヴェクタは聖杯に近づこうとする。
その瞬間、彼が消えた。
「どうなったのだ?」
「結界部の一部分を異界化させた。ろうとすると異界に飛ばされるぞ」
俺はすぐに転移魔法を使って、ヴェクタを回収してくる。
彼は正気を失っていたので、気絶させ、治癒魔法を施した。
「その他にも侵できないように9999くらいトラップや防を施しておいた」
「ほぅ、見事だな。しかしわれらが近づけぬではないか」
「鍵を作った。これを持っていれば問題ない」
作した鍵を、おっさんに渡す。
「見事な腕であった。さすがだな」
「どうも。じゃ、俺はこれで。そろそろ戻らないとヘンリエッタが心配しそうだし」
俺は軽く挨拶をして、おっさんと別れる。
「すさまじいまでの力。これがユリウス=フォン=カーライル。予言の子の実力……ますますわが國にしい人材だな」
おっさんは小さく、何事かをつぶやいていたのだった。
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