《【書籍化】隻眼・隻腕・隻腳の魔師~森の小屋に籠っていたら早2000年。気づけば魔神と呼ばれていた。僕はただ魔の探求をしたいだけなのに~》09
「……ほう。魔師ね。それは、自らそう語ってるの?」
「そうよ。私も魔法の勉強中だから、ある程度魔法には理解があるんだけど、それでも見たことのない魔法で。対処の仕様がないまま味方もやられちゃってて」
魔の探求に行き詰まり始めた旅だ。旅先で自分とは別の魔師に會い、その魔にれれば何かしら進展が見つかるかもしれない。
(それに自分以外の魔師に會うなんて滅多にないことだし)
「……それで、どうかしら。アーマーベアを倒す力量と、アイテムボックスを噓か本當か分からないけど作する魔法の腕前。どうか、助けてもらえないかしら?」
が赤い髪を前に垂らしながら頭を下げる。
「そうだね。別に助ける義理もなにもないけど、目的と行先が合致するし、今回は特別に手を貸してあげてもいいよ。ソフィアも、ちょっと戦闘の中にっていくことになって申し訳ないけどいいかな?」
「私は別に構いません。すでにこの剣はエインズ様に捧げたです。相手が魔師だろうと、エインズ様をお守りすることに変わりはありません」
ソフィアはに手をやり、忠誠を誓う。
「それじゃあ!!」
「うん。早速向かおうか。その魔師がどんな魔を目に見せてくれるのか楽しみだなぁ」
○
赤髪のに先導してもらい、その後ろをエインズとソフィアが歩く。
「まだ自己紹介がまだだったわね。私はライカ=ブランディ。ブランディ侯爵家の人間よ。力を貸してくれて本當にありがとう!」
「ブランディ侯爵? 貴族様か。どおりで、淑たる気品がじられる。おまけに人ときた。僕みたいな田舎者とは天と地の差だね」
「しゅ、淑に、それに人だなんて。怪しいくせに、お世辭は上手なのね」
「の褒め方には厳しくて、鉄拳制裁をけるような環境で育ってきたもので……。僕はエインズ。魔師をやってるよ」
エインズは遠くを見るような目で語る。シリカによく、「弟は姉を褒める義務があるのよ。魔法なんかより、の褒め方を勉強しなさい!」とげんこつを喰らっていたのを思い出していた。
「私はソフィアと言います。『銀雪騎士団』の騎士をやっています」
「ぎ、銀雪騎士団!? どうりで、普通の人とは違うと思った」
「有名なの?」
「有名も有名よ! 偉大なる魔師アインズの育った地の騎士よ? 魔法を志す者なら人生に一度は聖痕の前で祈りを捧げなければならないと教えられているもの。そこを守護する騎士はとても素晴らしい人格者と聞くわ!」
「へぇ、人格者、ねえ」
「な、なんですか、エインズ様」
「人格者はいきなり抜剣して切りかかろうとしてくるのかなー、と思って」
ソフィアはエインズの言葉が心外だと言わんばかりに反論する。
「え、エインズ様がいけないのです。怪しさ満載で現れるから」
ソフィアのその言葉はぐさっとエインズの心に刺さった。。
「そ、そんなにこの見た目は怪しいかな……?」
「君は魔師なのに、この様子だと銀雪騎士団も知らなかったんでしょう? そりゃ見た目も相まって不審者よ」
「ライカさんも言うねぇ……」
「ライカでいいわよ?」
「でも、侯爵様のお嬢様なんでしょ? 貴族社會には疎いけど、無禮を働いたら斬首されるんでしょ?」
「偏見がひどいわね……。そんなすぐに首なんか斬らないわよ。なくともお父様は。それに助けてもらうんだから。私の方が君に禮節を重んじるべきだわ」
「いや、いいよ。普通にエインズと呼び捨てで。ソフィアは勝手に僕のことを『様』をつけて呼ぶけどさ。気にしないで」
「でも、銀雪騎士団の騎士が敬稱をつけて呼ぶんだから……」
ライカは納得いってないような反応をした。
そこをエインズはなだめる。そうしてなんとか互いに「エインズ」「ライカ」と呼び捨てで呼び合うことで解決した。
茂みを歩いていると、アーマーベアと戦っていた時には聞こえなかった喧騒が徐々に聞こえてくるようになってきた。
戦場まで近づいてきていると実する。
「それにしても、その魔師の『魔』はどんな効果を発生させるの?」
歩きながらライカに確認する。
魔師と相対するのだ。魔法士程度ではないため、あらかじめ報をれておいたほうが良いと考え、エインズは話しかける。
「……『魔』? えっと、火球や水球、ライトニングとか、一般的な攻撃魔法はもちろん一通り使ってくるわ」
その程度は常識である。
エインズの隣に歩くソフィアも、その報にはまったくの危機をじていない。
「他には? その見たこともない魔法というのは?」
エインズは推測する。ライカが見たこともない魔法と言っていたものが、その魔師の所以となる魔なのだろう。
そしてある程度魔法に関して知識を持っているというライカは、『魔法』と『魔』の違いを認識していない。なんなら様々な『魔法』を魔法士以上に數多く使いこなす者を魔師と呼んでいるのではないだろうか、とエインズは推測した。
「何かしら詠唱しているのは分かるんだけど、言葉まではうまく聞き取れなくて。詠唱をしたら、私たちのきが制限されるの」
「……きを制限?」
「走れなくなったり、魔法を打てなくなったり、剣を振れなくなったり、あんなの滅茶苦茶よ!」
剣を振れなくなる、と言ったあたりでソフィアの雰囲気がピリッと変わる。
ソフィアは騎士である。剣が振れなくなってしまうと、攻撃も防すらできなくなってしまうのだ。それは脅威に他ならない。
「……なるほどね」
「攻撃も防もできない、それにくこともできないとなったら、相手が盜賊程度だったのにかなりの被害になってしまったわ」
エインズもそのような魔法や魔を知らなかった。きを制限するといった方向で魔を考えてこなかったため、そこには至らなかったのだ。
「エインズは治癒魔法ももちろん使えるわよね?」
「得意分野ではないけど、魔法士程度であれば容易に」
「それはよかった。そんな狀況だからポーションもあっという間に殘りが僅かになってしまって……」
そう話していた時だった。
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