《魔力ゼロの最強魔師〜やはりお前らの魔理論は間違っているんだが?〜【書籍化決定】》―10― 再び、妹のところに
「それで就職先は決まったの?」
前回同様、俺は家の前に見張りして妹が出りするところを捕まえたわけだが。
妹は俺を見つけると開口一番にそう口にした。
「就職先……?」
そういえば、そんな話あったな。
「お兄ちゃん、本當に就職するつもりあるわけ……」
妹が呆れ顔をする。
「そんなことより、今日はお前にプレゼントを持ってきた」
「ブレゼント?」
「この前、高等部の験が近いと言っていただろ。その助けになればいいと思ってな」
そう言って、紙に描かれていた魔法陣を見せる。
「えっと、お兄ちゃんが作ったの?」
「あぁ、そうだよ」
「……私、この前約束したよね。魔の研究はやめろって」
「言われた覚えはあるが、約束はした覚えはないな」
うん、一言も了承したとは言っていないからな。
「はぁぁぁぁあ」
突然、妹が滅茶苦茶長い溜息をついた。
「とりあえず、私の部屋に來て。それから話をしましょう」
これは妹が俺の持ってきた魔法陣に興味がある、という解釈でいいのだろうか。
「それでお兄ちゃん、まず言いたいんだけど、他人に魔法陣を構築してもらうって滅茶苦茶意味がないことだって知っているよね」
「もちろん知っている」
俺は魔を知しているからな。
知らないわけがない。
結果が同じ魔でも魔師ごとに魔法陣の構築は大きく異る。それは魔力の源である魂の構造が人それぞれ大きく異るからだ。
だから、魔師は自分専用の魔法陣を構築する必要がある。
「だが、それは複雑な魔に限った話だろ」
そう魔師ごとに魔法陣を構築する必要がでてくるのは、複雑な魔を扱う場合だ。
単純な魔であれば、同じ魔法陣でも問題ない。
「つまり、お兄ちゃんは単純な魔法陣をプレゼントに持ってきてわけ?」
「そういうことになるな」
「あのさ、お兄ちゃん。単純な魔法陣なら、その辺の魔導書に書いてあるんだけど」
「そう言わずに、とりあえず見てくれ」
と、妹に複數の魔法陣を見せる。
「なにこれ?」
見た瞬間、妹は眉をしかめた。
既存の魔法陣とは全く異なる魔法陣を見たのだ。眉をしかめるのは當然だろう。
「どれも発火を起こす魔だ。見て分かる通り、今までと全く異なる構築を元に作ってみた。ただ、魔力のない俺では実踐できないからな。本當にその構築で正しいのか代わりに試してほしいんだよ。俺の見立てではどれか1つは功すると思うんだが」
そう説明すると、妹はまじまじと魔法陣を見っていた。妹なりに、魔法陣を理解しようとしているのだろう。
「この魔方陣、暗號化ってされているの?」
「いや、全くしていないけど」
暗號化というのは魔法陣を他人にコピーされるのを防ぐための手段のようなものだ。
「そう」
と、妹は短く返事をすると再び魔法陣に目を移す。
そして數分経った頃合い、妹は顔をあげるとこう口にした。
「お兄ちゃんこれ本気なのよね」
「もちろん本気だが……」
変なことを聞くな、とか思いつつ俺は質問に答える。
「なら、はっきり聞くけど、お兄ちゃん異端者になったわけじゃないよね?」
「は?」
異端者ってなにを言ってんだ、こいつ。
「この魔方陣のほとんどを私は理解できない。けど、明らかに既存の魔法陣の理《ことわり》から外れている気がするんだけど」
そう説明されてやっとのこと気がつく。
確かに、俺の作った魔法陣は原初シリーズを真っ向から否定している。それは、異端者と呼ばれる存在と同質だ。
その証拠に、既存の魔法陣なら必ずっているような神に関する文言が抜けている。
そうか、この魔法陣を見せれば俺自が異端者だと思われるのか。
魔が功するかどうかに気をとられ、そういった視點が完全に抜け落ちていた。
「これは仮定の話として捉えてほしいんだが……」
そう念を押してから、俺は言葉を続けた。
「原初シリーズに矛盾を発見したと俺が言ったらどう思う?」
「ふざけるのも大概にしたら。原初シリーズは完璧な理論よ。それともお兄ちゃんは異端者だと思われたいわけ?」
まぁ、これが當然の反応だよな。
「俺が異端者なわけがないだろ。俺が原初シリーズを含めた魔導書をどれだけ好きか、お前が一番わかっていると思うが」
ひとまず異端者であることを否定する。
すると、妹は納得したかのように、
「……そうだったわね」
と、頷く。
「お兄ちゃんがとうとう道を踏み外したんじゃないかと心配したわ。それで、この魔法陣がどういう理論なのか教えて。例え、この魔法陣が完璧でも私が理解できてなきゃ魔として発できないわよ」
「いや、やっぱり必要ない」
そう言って、俺は妹から魔法陣を取り上げる。
魔法陣を理解してもらおうとしたら、原初シリーズが矛盾していることも伝えなくてはいけなくなる。
偽神に短命の呪いをかけられた妹に、異端の勧をするような真似ができるはずがなかった。
「重大な欠陥に気がついた。この話はなかったことにしてくれ」
そう言葉を殘して、俺は妹の部屋から退散することにした。
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