《魔力ゼロの最強魔師〜やはりお前らの魔理論は間違っているんだが?〜【書籍化決定】》―32― チーム
「アベルくん、おはようございます!」
翌日、教室にるとミレイアが手を振って出迎えてくれた。
「ああ、おはよう」
ホント元気な子だよな、とか思いながら挨拶を返す。
「そういえばチームの件、アベルくんにお知らせしないと、と思っていまして」
「ああ、そういえばそんな話あったな」
チームを作って的になにをするのか、までは知らないが昨日そんな話があったことを思い出す。
「私とアベルくんは同じチームになりました」
「ああ、そうか」
魔力量が低い俺とミレイアが同じチームになる可能が高いと思っていただけに、特に驚きはない。
「他の二人も紹介しますね」
そんなわけでミレイアに連れて行かれた。
「えっと、まずはビクトル・フォルネーゼくんです」
男にしては隨分と髪の長いやつだった。あと目がつり上がっているせいだろうか、なんか怖いな。
そいつは俺の方をチラリと見ると、
「チッ」
と、軽く舌打ちをした。
どうやら歓迎されていないようだった。
「隨分と想が悪いな」
「あはは……あとで作戦會議開きたいと思いますので、そのときはよろしくお願いしますね」
と、ミレイアがそう言うも男は頷くこともなかった。
大丈夫なんだろうか? と先行きが心配になる。
「もう一人はシエナ・エレシナちゃんです」
もう一人の生徒は同學年とは思えないほど背の小さい子生徒だった。
薄いベージュの髪を無造作に垂れ流し、教室の椅子に座っては焦點の合っていない目でぼーっと前を見ている。
「シエナちゃん、こちらが同じチームのアベルくんです」
「よろしく」
と、俺が言うと彼はこっちを見、
「ん」
と、頷くと用は終わったとばかりに前を向いた。
「シエナちゃんも後で作戦會議を開きたいと思いますので、そのときは來てくださいね」
と、ミレイアが言うと、シエナは「ん」と頷く。
一応、こっちの會話は聞こえているらしい。
「なんというか、余りが集まったってじのチームだな」
他の二人には聞こえないであろう位置まで移した俺は、思ったことを口にした。
「そ、そうかもしれませんね……」
ミレイアは苦笑いをする。
「それでチームを作ってなにをするんだっけ?」
先生の話を聞いていなかった俺はミレイアにそう訪ねた。
「えっと、チームごとに分かれて魔戦をするんですよ。まずはDクラスの中で戦って優秀なチームが他のクラスと戦うんです」
魔戦ね。
あまりやる気がでないな。
「勝つとなんかいいことでもあるのか?」
「えっと、勝てば上のクラスにれる可能があります」
上のクラスか。
あまり興味がない報酬だ。
「アベルさん一緒にがんばりましょうね」
といって、ミレイアは両手で拳を作る。
やる気があるミレイアを見て、俺は思ったことを口にした。
「ミレイアは上のクラスにりたいのか?」
「あ、いえ、そんな野はありませんけど、負けると退學になる可能があるので」
「……は?」
今、退學って言わなかったか?
「えっと、負けると退學なの?」
「はい、そうですよ。上のクラスだと降格で済みますが、私たちDクラスは下がないので退學になるんです」
「え、マジで……?」
「あ、一敗ぐらいなら大丈夫ですよ。三回ぐらい連続で負け続けるとヤバいって昨日、先生が説明していたと思いますけど……」
「マジか……」
退學は困る。
せっかく引きこもりをして學院に學したのに。
退學したら引きこもりに逆戻りじゃん。
退學のこと知っていれば、昨日の決闘ももうし頑張ったんだけどな。
A組になれば安泰だったのか。
「ミレイア、がんばろうな」
「はい、がんばりましょうね」
どうやら俺は頑張らなくてはいけない理由をみつけてしまったようだ。
◆
午前中は魔に関する講義だった。
まだ初回の授業ってことで基礎的な話が続いたが、それでも大変興味深い容だった。
授業で習う魔は魔力ゼロの俺には使えないものだが、それでも聞いているだけで話に引き込まれる。
やはり魔は楽しい。
小さい頃、純粋に魔導書を読んでいたことを思い出しそうだ。
晝休みになると、ミレイアが俺の元にやってきて、
「お晝食べながら作戦會議を開きましょ」
と、提案してきた。
そうだな、と思い俺は立ち上がる。
他のメンバーにも聲をかける。
まずはビクトルをう。
「必要ない。お前らと協力しても意味がないからな」
と、斷られた。
仕方ないので、次はシエナをう。
彼は、
「スースー」
と機に枕を乗せては寢ていた。
一応揺さぶってみては起こそうとしてみたが、全く起きる気配がなかった。
仕方ないので二人だけで作戦會議をすることに。
「それで、アベルくんはどんな魔が得意なんですか?」
食堂でお晝を食べながらミレイアがそう尋ねてくる。
得意な魔か。
自分がなにを得意なのか、あまり把握できてないんだよな。
「氷系統だな」
と、バブロと決闘したときのことを思い出しながらそう答える。
「ミレイアはなにが得意なんだ?」
「わたしは悪魔ですね」
「へー」
悪魔か。
大変興味深いな。
「どんな悪魔を使役するんだ?」
「んー、口で言っても伝わりにくいしですし、放課後わたしの部屋に來ませんか? 悪魔を見せたいと思います」
「ああ、ぜひとも悪魔を見せてくれ」
悪魔を見れるなんて機會中々ないからな。
放課後が楽しみだ。
「ちなみに魔戦はいつ行われるんだ?」
「最初の試合は一週間後ですね。それまでに二人が協力的になってくれたらいいんですが」
「確かにそうだな」
なにかよい方法でもあればいいが、特に思いつかない。
「話変わりますけど、昨日生徒會長がアベルくんを探してたじゃないですか? なんのようだったんですか?」
「ああ、ただの人違いだよ。A組に同じ名字の生徒がいて、ホントはそっちに用があったみたいだ」
説明するとややこやしいことになりそうなので、噓をつく。
「ああ、そうだったんですね」
と、納得はしてもらえたようだ。
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