《【WEB版】王都の外れの錬金師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】》14.初めての魔法の練習
私の日課に、朝夕の畑の水やりと、魔法の訓練が加わった。
今畑に植わっているのは、癒し草、魔力草、萬年草、薬草、魔導師のハーブの五つだ。
植え替えてから一週間、これらの葉はよく茂り、葉を摘んで使いつつ、種を取り、品質を上げていく予定だ。
栄養いっぱいに育った草→良い種が取れる→良い種を植える→栄養いっぱいに育てる→もっと品質の良い草→以下繰り返し
ってならないかなと思っているんだけど、どうかしら?
◆
朝の水やりをやって、朝ごはんをみんなで食べたら、午前中に魔法の訓練の時間だ。うちの庭には、子供が魔法を練習するための、魔法を當てる的を置いた練習場があるので、そこで魔法の練習をする。
先生は魔導師のユリア先生だ。ユリア先生は、結婚で引退した元宮廷魔導師で、子供の手も離れた頃に、元同僚だったうちのお父様から家庭教師の依頼をけたんだとか。
「デイジーです。今日から、よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げて挨拶をする。
「初めまして、ユリアと申します。今日から一緒に頑張っていきましょうね」
そう言って私の頭をでた。淡い水の髪と瞳が優しげな先生だ。
「レームスとダリアは、今日は昨日の復習をしていてね」
そう言って、的に向かって立っている兄様と姉様に聲をかけた。
「「はーい!」」
兄と姉が的に向けて魔法を撃ち始めた。
そして再び先生は私の方に向き直る。
「デイジーは、の中に魔力をじたことがあるかしら?」
この辺りね、と言って、私のオヘソの下の辺りにれる。
そこは、錬金で魔力を込めてかき混ぜたりする時に、暖かくじる場所だった。
なので、その通り先生に答える。
「あら、五歳でもう錬金をやっているの?」
驚いたように先生が目を見張る。
「だって、私は洗禮の時に『錬金師』って言われたの。職業が『魔導師』だったからと、早くから魔法の練習をしている兄様姉様と変わらないわ」
先生はにっこり笑って、うんうん、とうなずいてくれる。
「ヘンリー様は本當にお子様の教育に熱心なのね。魔法の練習をすることは、貴にとっては魔法が使えるということ以上に、あなたのためになると思うわ。魔力を上手にコントロールするをにつければ、錬金にもきっと役に立つはずだから」
私はその言葉にとっても嬉しくなった!
「はい!頑張ります!」
そうして、その日は魔法を撃つのではなくて、基本だという魔力作というものを練習することになった。
人間のの中に心臓と管があるように、魔力も、オヘソの下に心臓に當たる部分があって、中に巡るように魔力を流すための管があるのだという。ただし、普通魔力はと違って勝手に流れたりはしない。意識してかすことによって、魔力はの中を巡るのだそうだ。
「じゃあ、オヘソの下をスタートに、ぐるっと暖かいじを回してみましょう」
うーん、これがなかなかかない。
「先生、きません」
首を傾げて私は先生に告げる。
「じゃあ、錬金で魔力を込めた時とか、この間ウインドカッターを使った時のじを思い出してみて?」
先生が、またオヘソの下に手をれる。
「ここから手に向かって、暖かいものが流れなかったかしら?よーく思い出して」
そう言われて私は目を閉じて、その時のことを思い出してみたり、再現するようなイメージを浮かべたりした。すると、すうっと私の利き手の方に暖かいものが流れる覚がした。
私は先生にそのことを告げた。
「そう!それが魔力作よ!」
よく出來ました、と言って私の頭をでてくれる。嬉しくなって私はくしゃりと笑った。
私は一生懸命ぐるりとの中をどこに通せるのか探りながら、魔力を回してみた。ちなみに、魔力作をするだけでも魔力は使うようで、私の中の魔力はだんだん減ってくる。
鑑定で見た時の、『魔力』という項目だ。
【デイジー・フォン・プレスラリア】
子爵家次
力:20/20
魔力:160/180
職業:錬金師
スキル:錬金(3/10)、鑑定(4/10)、風魔法(1/10)
賞罰:なし
今見たら、もう既に魔力作を始めていたので、160まで減ってきていた。そしてそのうち段々減って、0に近づいてきて……。
私は、そこでぱったりと気を失った。
◆
私はお晝すぎに目が覚めた。
「あら、目が覚めた?魔力を使い切ってしまったから、気を失っていたのよ」
お母様が、私の髪を梳きながら、見守っていてくれたようだ。
あれ……?
魔力を使いきって気を失った時は、魔力が180だったのに、目が覚めたら183に増えていた。
驚いて、そのことをお母様に告げた。すると、
「まあ、それが本當だったら凄いことだわ。お父様が帰ってきたら報告しましょう!」
お母様がとても興していた。
夕方に帰ってきたお父様は、「それが本當なら大発見だ!」とその報告にとても興していた。
「レームスとダリアとデイジーも、今夜寢る前に魔力を使い切って寢ること、いいね!」
その晩、私たち兄妹は魔力作をやりきって眠りについた。
次の日の翌朝【鑑定】で見てみると、兄は3、姉は2、私は2、魔力総量が上がっていた。
父は大喜びだ。
「今からこれを取りれていけば、子供たちの將來に期待ができるぞ!」
そして、私達子供は、毎日寢る前に魔力を使い切って寢ることを命じられることになった。
下記をどうかお願い致します(。ᵕᴗᵕ。)
駆け出し作家のではありますが、すこしでも
・面白かった
・続きが気になる
と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。
評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。
想もいただけたら、とっても喜びます"(ノ*>∀
たとえ夜を明かすのに幾億の剣戟が必要だとしても【Web版】(書籍版タイトル:幾億もの剣戟が黎明を告げる)
【書籍版①発売中&②は6/25発売予定】【第8回オーバーラップ文庫大賞『銀賞』受賞】 夜で固定された世界。 陽光で魔力を生み出す人類は、宵闇で魔力を生み出す魔族との戦爭に敗北。 人類の生き殘りは城塞都市を建造し、そこに逃げ込んだ。 それからどれだけの時が流れたろう。 人工太陽によって魔力を生み出すことも出來ない人間は、壁の外に追放される時代。 ヤクモは五歳の時に放り出された。本來であれば、魔物に食われて終わり。 だが、ヤクモはそれから十年間も生き延びた。 自分を兄と慕う少女と共に戦い続けたヤクモに、ある日チャンスが降ってくる。 都市內で年に一度行われる大會に參加しないかという誘い。 優勝すれば、都市內で暮らせる。 兄妹は迷わず參加を決めた。自らの力で、幸福を摑もうと。 ※最高順位【アクション】日間1位、週間2位、月間3位※ ※カクヨムにも掲載※
8 193學園一のお嬢様が風呂無しボロアパートに引越してきたんだが
俺、狹山涼平は苦學生だ。高校二年生にして仕送り無しの一人暮らしをこなす日々。そんなある時、涼平の隣の部屋にある人物が引っ越してきたのだが……。 「さ、狹山くんが何故ここにいますの?」 「それはこっちのセリフだ!」 なんと隣人はクラスメイトの超セレブなお嬢様だったのだ。訳ありで貧乏生活を迫られているらしく、頼れるのは秘密を知った俺だけ。一人で生きるのも精一杯なのに金持ちの美少女も養えとか無茶振りだっつーのっ!
8 157デスゲーム
普通に學校生活を送り、同じ日々を繰り返していた桐宮裕介。 いつもの日常が始まると思っていた。実際、學校に來るまではいつもの日常だった。急に飛ばされた空間で行われるゲームは、いつも死と隣り合わせのゲームばかり。 他の學校からも集められた120人と共に生き殘ることはできるのか!?
8 182ただの世界最強の村人と雙子の弟子
とある村にある森に、世界最強の大英雄が村人として生活していた。 そこにある雙子の姉妹がやってきて弟子入りを志願する! 主人公は姉妹、大英雄です。 學生なので投稿ペースは一応20時を目安に毎日投稿する予定ですが確実ではありません。 本編は完結しました。 次回作は公開しているので、そちらも是非 誤字・誤用等があったらお知らせ下さい。 初心者なので訂正することが多くなります。 気軽に感想・アドバイスを頂けると有難いです。 Twitterもありますので、そちらでも感想等を受け付けてます @hi_rosyumi
8 189悪役令嬢がでれでれに溺愛されるまでの話
悪役令嬢に転生して、その世界でフラグを折っていたら ヒロインよりも世界に愛されてしまった感じの話。 アルファポリスで最新話更新中
8 97無能な俺がこんな主人公みたいなことあるわけがない。
無能の匠 そんなあだ名を現実世界でつけられていた夢も希望もないダメ主人公{多能 巧}による突然の異世界への転移。 ある日変な生き物に異世界に飛ばされた巧。 その異世界では精霊術、紋章術、降魔術といった様々な魔法の力があふれていた。 その世界でどうやらスゴイ魔法の力とやらを授かったようだった。 現実世界ではなんの取柄もない無能な大人が異世界で凄い異能の力を身につけたら・・・
8 190