《【書籍版8/2発売】S級學園の自稱「普通」、可すぎる彼たちにグイグイ來られてバレバレです。》11 まずは最初の、下克上
イベントは大功だった。
甘音ちゃんの「あまにゃんダンス」の評判はSNSで瞬く間に拡散された。「もうめっっっっっさ可い!!」「全人類が知るべき」「筆舌に盡くしがたい尊さ」「るあ姫、引き立て役w」などなど、絶賛コメントが怒濤の勢いでスマホを流れていく。こっそり撮影してたやつが畫をアップして、それを見たやつがまた魅了されて――という幸福なループ。トレンド8位に「あまにゃん」、5位に「皆瀬甘音」がる始末で、やれやれ、俺が想定していた以上のことを、未來の大聲優はやり遂げてしまった。
一方、メディアの反応は真逆だった。
大手ニュースサイトは「瑠亜姫、鮮烈CDデビュー!」「JKアイドル聲優の歌聲に観客酔いしれる」などなど、軒並みあのブタを持ち上げる記事をアップした。前もって事務所が回ししていたんだろう。甘音ちゃんのことなんかこれっぽっちも載ってない。ブタさんがステージでスッ転んだことも載ってない。なかったことにされてる。完璧な報作だった。
だけど、甘い。
このSNS全盛時代に、そんなもの通用すると思うか?
今回のイベントで一番輝いていたのは誰なのか、それは、見に來た客が全員知っている。今回は俺が拡散するまでもない。甘音ちゃんの輝きを見た人々が、勝手に伝え、広げてくれている。
大人が作り上げた、偽なんかじゃない。
「本」の輝きっていうのは、そういうものさ。
◆
明くる日、月曜日の朝。
いつもの時間に登校すると、昇降口のところに人だかりが出來ていた。
大勢の生徒に取り囲まれているのは、甘音ちゃんだった。
「イベントの畫、見たよ!」
「ネコミミ可かったー、驚いたよマジで」
「あの振り付け、自分で考えたの?」
「てか、聲優やってたんだね! 知らなかった!」
男子子問わず、口々に彼を褒めそやしている。
甘音ちゃんときたら、顔を真っ赤にして「あのっ、そのっ」しか言えなくて。
一夜にして大スターになったっていうのに、格まではなかなか変わらないか。前髪もびろーんと元に戻ってるし。
取り囲んでいるのは、もちろん「イケてる軍団」の皆さん。
あのブタの軍団とは、また別のグループである。
ちなみにブタ軍団はといえば、この騒ぎを遠くから見守っている。なかには、甘音ちゃんに聲をかけたそうにしている連中もいる。野球部の淺野もその一人だ。熱っぽいまなざしで、甘音ちゃんのことをじっと見つめている。……あれは、惚れたな。
そしてブタ本人、いや本豚はといえば。
ものすごい形相で、甘音ちゃんをにらみつけている。口元がワナワナ震えているのが俺の位置からでも見てとれる。あれは相當、アタマに來ている。だけど手出ししないのは、昨日の二の舞になると思ったからか。
いくら高屋敷家の令嬢でも、もうおいそれとは手を出せまい。
あれだけの醜態をさらして、SNSで拡散されたのだ。もし甘音ちゃんに手を出せば、自分が真っ先に疑われてしまう。これ以上の醜聞は、さすがの人気者も避けたいところだろう。
(良かったな。甘音ちゃん)
心の中で聲をかけて、俺はそっと場を離れた。
これで彼は「イケてる軍団」の仲間りだ。ブタの派閥にはれないだろうけれど、別の派閥が必ずってくる。あんな可い子、ほうっておくわけがない。遠からず彼氏もできるだろう。
そうなると、俺の存在は邪魔だ。
學園の支配者・高屋敷瑠亜と敵対する俺がいては、彼の妨げになってしまう。黙って消えるのが正解。あのブタと絶縁した時、もう覚悟は決めている。ひとりきりで高校生活を過ごす覚悟。
(アニメの出演決まったら、絶対見るからな)
もう一度心の中で聲をかけてから、履きに履き替えた。
教室へと行こうと歩き出した、その時――。
「和真くんっっ!!」
大きな聲で呼ばれた。
振り向くと、甘音ちゃんがものすごい勢いでこちらに駆けてくる。
「和真くん、おはようございます」
「……ああ。おはよう」
どう反応したものか迷った。
気づかないふりをしようかと思ったが、こんな大聲で呼ばれたら仕方ない。
置き去りにされたイケてる軍団が、ぽかんと俺を見つめている。「誰?」みたいな顔して突っ立っている。ブタ軍団も、ぽかん。頭(かしら)のブタさんは走った目を見開き、イチの子分・淺野はあんぐり大口を開けている。
「和真くん。今日の放課後も、練習付き合ってくださいね」
「えっ。もうイベントは終わり、ユニットは解散だろ?」
彼は首を振る。
「実は、今度、新作アニメのオーディションに呼ばれたんです。今の事務所とはまた別のところから、聲かけてもらって」
「……マジ?」
「事務所、移ることになりそうです」
その聲は弾んでいた。
前髪に隠れていて、表はよく見えないけれど、その口元には自信が浮かび上がってるように思う。
「だから、練習したいんです。……和真くんと、一緒に」
甘音ちゃんは、おもむろに前髪をかきあげた。
子貓みたいにつぶらで可い目が、せつなげに俺を見つめている。
後ろでぽかんとしてる連中には、もちろん見えない。
俺にだけ、見せてくれたのだ。
「いや、でもさ。甘音ちゃん」
「そんな呼び方、や、です」
ふるふる、首を振る。
「和真くんにだけは、『あまにゃん』って、呼んでほしいです……」
うわ。
反則だろ、これ。
「甘音ちゃんさ」
「あ、ま、にゃ、ん」
「……あまにゃんさ。前髪上げたら、格変わっちゃうんじゃない?」
「ふふ。そうかも」
彼は笑った。小悪魔の笑みだ。
「だとしたら……きっと、あなたのせいです。あなたが、前髪上げてくれたから」
「……」
「せきにんっ、とってください。ね?」
彼は俺の腕を取って、歩き出した。そうして著すると、かなのふくらみもじるし……何より、いい匂いがする。昨日まではこんな匂い、しなかったのに。香水? それともシャンプー変えたのかな。誰のために?
イケてる軍団の視線が、背中に突き刺さるのをじる。
ちらっと視線をやれば、淺野が地面に膝をついて両手で顔を覆っているのが見えた。雑魚だと認識していた俺に彼を取られたのが、そんなに悔しいのだろうか。
ちなみにその隣では、誰かさんが倒れていた。
周りの軍団が「大丈夫!?」「ほ、保健室行く!?」「泡ふいてる!」「どうしたの目ぇグルグルだよ!?」とか相変えて呼びかけている。えらい騒ぎだ。
誰か知らないけど、ご愁傷様。
「行こっ。和真くん」
「……ああ」
やれやれ。
どうもしばらく、俺の周りは靜かになりそうにもない。
◆
それから1週間後――。
全校集會にて、學園理事長からこんな宣言があった。
「特待生への自覚と、さらなる発を促すため『特待生バッチ』を配ることにする」
このバッチが、次なる騒の引き金となることを、俺はまだ知らない。
これからも読んでもらえたらうれしいです!
★5の応援、よろしくお願いします!
神様を拾った俺はイケメンになれるそうです
「あなたの特徴は何ですか?」 こう問われたことはないだろうか。 一般的には「背が高い」や「運動が好き」などと答えるのが妥當だろう だがそこには恥ずかし気もなくにこう答える奴がいた。 「イケメンです」 この話は、ひょんなことから神様を拾った主人公の工藤春樹がリアル顔面チートでのんびり?高校生活を送る物語です
8 1543人の勇者と俺の物語
ある世界で倒されかけた魔神、勇者の最後の一撃が次元を砕き別世界への扉を開いてしまう。 魔神が逃げ込んだ別世界へ勇者も追うが時空の狹間でピンチが訪れてしまう。 それを救うのが一ノ瀬(イチノセ) 渉(ワタル)、3人の少女と出會い、仲間を得て、 魔神を倒す旅へ出る。 2作目の投稿となります。よろしくお願いします!
8 71クラス転移~最強の勇者って言われたんだけどそんな事よりせっかくきたんだからこの世界を楽しもう!~
十六夜響は高2の中間テスト終わり帰りのホームルーム前だったその時急に光に包み込まれ目を開けると白い空間にいた そこで神様に気に入られ異世界に行っても最強だったので自重せずに仲間達と一緒に自由に異世界過ごします 主人公ご都合主義のハーレムものです 気に入ってくれたのなら嬉しいです
8 162剣聖と呼ばれた少年、願いを葉えるためにダンジョン攻略~最強がチートスキルで更に最強に~
柊司(ひいらぎ つかさ)は高校一年生にして剣道のインターハイで優勝できるほどの剣才をもつ天才で、世間からは敬意を持って剣聖と呼ばれていた。 そんな順風満帆な日々を送っていた司であったが、決勝の試合後に心臓発作で命を落としてしまう。 しかし捨てる神あれば拾う神あり、死んだ司の肉體を呼び戻し、條件付きではあるが異世界で生き返ることが出來た。その條件とは最初に攻略したものは願いを葉えることが出來ると云われている天の大樹というダンジョンの攻略。司は魔法の習得、剣術との融合、様々なことに取り組み天の大樹をどんどん攻略していく。果たして司は最後まで攻略できるのだろうか、また攻略したその先はどうなるのだろうか。
8 148デフォが棒読み・無表情の少年は何故旅に出るのか【凍結】
特に希望も絶望も失望もなく 夢も現実も気にすることなく 唯一望みと呼べるようなもの それは “ただただ平々凡々に平和に平穏にこの凡才を活かして生きていきたい” タイトルへの答え:特に理由無し 〜*〜*〜*〜*〜*〜 誤字脫字のご指摘、この文はこうしたらいいというご意見 お待ちしていますm(_ _)m Twitterで更新をお知らせしています よろしければこちらで確認してください @Beater20020914
8 60神様にツカれています。
おバカでお人よしの大學生、誠司がひょんなことからド底辺の神様に見込まれてしまって協力するハメに。 振り回されたり、警察沙汰になりそうになったりと大変な目に遭ってしまうというお話です。折り返し地點に來ました。 これからは怒濤の展開(のハズ)
8 122