《【書籍化・コミカライズ】無自覚な天才は気付かない~あらゆる分野で努力しても家族が全く褒めてくれないので、家出して冒険者になりました~》予測は予測

おかげさまで6/1に「無自覚な天才は気付かない」第二巻が発売になります!!

書き下ろしもたっぷり1萬5千文字がんばりました!リアナちゃんが琥珀に語って聞かせた語が

本になってベストセラーになってしまい、小説家の兄の元にまでリリアーヌと知らないままその評判が屆いて……

という話になります

二巻からアーススターノベル新創刊となる「アーススター・ルナ」からの発売になります

特典などは一覧でお知らせするので々お待ちを〜

そして5/30の午後から6/5までに池袋駅、丸ノ線改札口から乙ロード方面に向かう駅構の道のりで、創刊ラインナップの広告が掲示予定なのでお近くにお住まいの方、池袋駅に寄ることがあればぜひ見に行ってみてください!

あのまま家にいたら私はニナに嫉妬しながら、絶対に與えられる事のない家族からの賞賛を求め続けていただろうな。他人事のようにそんな事を予想できるようになった自分に気付いてし驚いていた。

ああ、私家を出てきた事、全然後悔してないんだ。最初の頃はとんでもない事をと気に病んでばかりいたけど、今は逃げて良かったって心の底から思える。

ニナに対しての怒りはもちろんあったけど、「何故私を陥れるような真似を」と苦しくて熱を帯びたはいつしか私の中から消えていた。先ほど殿下にお伝えした言葉全てが私の本音だ。あの子の噓でこれ以上被害者が出ませんようにと思うけど、できたらもう関わりたくない、それだけ。

噓をついたあの子もアマド教諭も相応しい償いはするべきだけど、分別のつく大人である教諭はともかく、ニナはあまり重い罪にならないといいのだけど。あの子がした事と言ったら、魔法使いとして養子になったので活躍しようと気が焦って、注意を聞かずに危険な事をして怪我人を出してしまった事と、怒られたくなかったのかそれを隠して噓をついただけだもの。悪い事だけど、きちんと反省して更生してくれたらそれでいい。

家族が「褒めると増長するから」という理由で私を認めていたのに一度も褒めなかったのだと、通信魔導機越しにそう聞いた時はただ悲しくて、虛しくて、びたいくらいの気持ちだった。あんなに家族から認めてもらいたいと夜を泣いて過ごしていた私はなんてバカだったんだろうって。何をしてもどうせ褒めるつもりも無かったなら、頑張らなければ良かった。

狩猟會の怪我から目覚めたあの日も、私の言葉は信じてもらえず怒りと強い失意に支配されていた。今もはっきりとその時のは覚えてはいるけど、リアナとして過ごすうちに、いつの間にか薄れていたけれど。

今日殿下から聞いた限りでは、アジェット家は失蹤した私の捜索にかなりの手間をかけているらしい。指示されていている方達がたくさんいるみたいで、ご迷をおかけしてしまってとても申し訳ないと思う。今の私が「探さないで」と手紙など、辿られる可能のある方法で連絡を取るわけにはいかないが、自分が深く考えずに起こした行のせいで無関係の方達にこれ以上手間をかけるのは忍びない。殿下にも外國までご足労かけてしまった。

でもい頃から見知っていると言うだけの私を心配してくださるなんて、とてもに厚い方なんだな。

……やはり魔石事業で、ベタメタール侯爵家に守ってもらえる程の大功を収めてから、アジェット家に正面切って別離を言い渡すしかなさそうだ。

でも本音を言うなら、アジェット家が私の家出にここまで反応するなんて思ってなかったので々戸っている。一度でも褒めたら増長すると思っていた娘でも、やはり公爵家としては探さないわけにはいかないのだろう。私の予想はかなり楽観的だった。

殿下が不意にこぼされた「外堀を埋める」という言葉から推測して、私は一つ仮説を立てていた。

恐らくアジェット家は私をライノルド殿下に嫁がせたかったのだ。だから、王子妃に相応しい令嬢にするために通常よりも厳しい教育を課して、厳しく評価していたのではないだろうか。他に納得のいく合理的な説明がつけられないので、そうとしか考えられない。

政略的には同格の家は多い。ならば私が王子妃に選ばれるような付加価値をつけようと考えて、あそこまで厳しい教育をされたのだと思う。時間をかけて育てた駒が突然逃げてしまったと考えると、こうして慌てて捜すのも納得できる気がする。

しかし、アンジェリカお姉様が王太子殿下に嫁いでいて、ジェルマンお兄様も王太子殿下の側近として重用されているのに。ライノルド殿下は學園卒業後新しく公爵家を作ると話が出ているらしいが、それでも將來の王弟だ。私まで王家と縁付かせるメリットがよくわからないが……きっと私が想像もできないような事が何かあるのだろうな。政治家としてジェルマンお兄様が何か考えてらっしゃるのだろうか。いや私が今考えても仕方のない話だ。無責任に全てを放り出して逃げた私など、流石に候補からも外れているだろう。

殿下はニュアル國の一の姫と結ばれる事をんでいるらしいのに、勝手に外堀を埋めた気になっているアジェット家は稽だなと思ってしまう。あちらのお名前を出せない殿下の事に付けって、私をねじ込みたかった事があったのかな。

「リアナ、どうした? やはりさっきの男に何ぞ嫌な事を言われたのか?」

「う、ううん……違うよ。あの方が私を捜しに來るなんて思ってなかったから、びっくりしちゃっただけ」

そう、見つかるなら家族にだと思っていた。極力自分の足跡をごまかそうとはしたけど、私の技なんてあの人達には遠く及ばない。すぐ看破されて、たどられて、あっという間に見つかってしまうと思っていたのに。

全然見つかりそうな気配もないし、もしかしたら本気で捜そうって気がないのかもなんて思っていたけど、それは都合良く考えすぎていたみたい。

理由はともかく向こうが捜しているなら、私はを隠すだけだ。幸い私の事を知っている人は魔石事業を立ち上げた「錬金師リオ」が「冒険者リアナ」だと言いふらしたりせずにいてくれるし、知らない人は名前から思いこんで「錬金師リオ」が男だと思っている。

このまま平穏無事に過ごせたらいいのだが、冒険者ギルドや錬金師ギルドにまで記者が出りするようになってしまったし、バレるのは時間の問題だろう。それまでに、クロンヘイム王國の公爵家から私の引き渡しを求められても、守ってもらえるくらいの地位を築かなければ。

私は人しているし、私自が公に拒絶していれば向こうも強引な事はできないはず。殿下と話をした後ぼんやりしたままだった私は、心配したのか様子を見に來たらしい琥珀に濁すような言葉を返した。

ミエルさんが呼んでいると言伝をもらってやっと立ち上がる。

「……何かありました?」

「ああ、いいえ。心配しないで、良いニュースだから」

確かに表は明るいが、わざわざ私を院長室に呼んで話をするような出來事があったようだ。私は琥珀を子供達の方へ送り出してから、部屋の中にる。何があったのかと々首を傾げながら、ローテーブルを挾んでミエルさんと向かい合って座った。

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