《【書籍化・コミカライズ】三食晝寢付き生活を約束してください、公爵様》8.お友達は好戦派

「あの、ミシェル嬢? なんだか伺っていた話と違う気が――」

「あら、なんの事でしょう?」

殿下から目の敵にされて困っているって話でしたよね?

果たして困っているとは?

おかしいなぁ……。

困っているって定義難しいねぇ……。

「リーシャ様、飲みでもどうぞ。それにこちらのケーキはどれもおいしいんですよ」

にこにことうのは一番若いアマンダ嬢。

「安心してお食べ下さい。さすがに毒などは混しておりませんわ」

ぎょっとしてわたしが見上げるはリース嬢。

実は彼の中では背が高い方のわたしよりもさらに高い。

というか、待って!

とか日常會話みたいにさらりと口にしちゃうの!?

こ、こわー……。

「それにゆっくり召し上がっても大丈夫ですわ。もし皇殿下がいらしたらわたくしたちが撃退――いえお相手いたしますので」

いやだ! なんて頼もしいのマチルダ嬢! 旦那様よりよっぽど頼りに――っておかしくない?

困ってるんじゃないの?

っていうか、そうなってくれたら退屈なお茶會が楽しくなるのにって気配がしてますけど!?

一番穏健派っぽいマチルダ嬢が一番武闘派っぽいんですけど?

えっ、どういう事ってミシェル嬢をみれば、ふふふっと微笑んで、仲良くなれそうで良かった良かったって顔してる。

「リーシャ様、今度ぜひお茶會に來てください! いつも仲の良いこのメンバーで楽しい時間を過ごしているんですよ」

目を輝かせるアマンダ嬢に、わたしはなんだか濃いメンバーにほっこりする。

うんうん、かわいいねぇ。

お姉様が困ったことあったら助けてあげるからね?

「そのお茶會の主なお話は、皇殿下の派閥をどうやり込めたかって話なんですけど、みなさんのお話はとても參考になります! わたくしもがんばらなければと思ってしまうんです」

ふんっと鼻息荒くぐっと拳を握る姿は可らしいのに、口にしてる事が全然可くないんですよ、アマンダ嬢……。

「ぜひ、リーシャ様のお話も伺いたいです! 先ほども恰好良かったです! 微笑みながらも相手を威嚇してる姿とか、惚れ惚れしました! 皇殿下のあの悔しそうなお顔でパン何個も食べられますわ!」

うんうん、誤解だから!

面倒だからとりあえず無難に笑っていただけだから。

やり込めていたのは旦那様だから! 誤解しないで! わたしに変な期待を背負わさないで!

「そうそう、思いあがった彼しは落ち著いてくれるといいのですけど」

「あら、落ち著いてしまったら楽しくないわ?」

マチルダ嬢……。あなたは一どこを目指しているのでしょうか……。

ぽかーんですよ。

「あらあらみなさん、リーシャ様がお困りですよ。もうし、落ち著いて下さい」

「申し訳ありません、し興しているみたいです! だってこんなにお綺麗な方がリンドベルド公爵様の結婚相手なら皇殿下も心、怒りで腸煮えくり返ってますよ! みんな言ってます。神みたいだって」

それは褒めすぎ。

褒められていやではないけど、口を開けば殘念と旦那様には思われている模様のわたしは、つまり見た目は認められているらしい。

「でも、本當にお綺麗です……その、結婚前はあまり良い評判はお聞きしなかったので」

リース嬢が恐る恐ると言ったじで言った。

それは自分にも原因があったから、別に怒りはしない。実際、噂を鵜呑みにしていなさそうだし。

今こうして聲をかけてくれているだけでうれしいです!

癖が強そうな人たちだけど、なんだか気が合いそうだ。

わたしもどちらかと言うと癖がある格だと思ってますので、類友なのかも。

えっ? 自覚あったんだって? 流石に多は自覚ありますよ。さすがにミシェル嬢のお友達ほどではないけどね。

「これからも仲良くしてください、できればお友達になってくれるとうれしいです。リーシャ様……それともし図々しいでしょうか?」

「まあ、そんなことないですよ」

ちょっとうれしい。

友達ない――っていうかほぼゼロだからね!

に関しては疎いんで、ぜひ々教えて下さいねって言うと任せて下さい! と力強く言われて仲間にれてくれた。

いやー、お友達ができました。

これから、し社が楽しくなりそうです!

一番楽しみが見いだせなかったけど、彼たちといれば楽しくすごせそうだ。

そんなこんなで、換という名のおしゃべりをしていると、旦那様が言っていた鐘がなった。

「あら、もうこんな時間。すみません、し失禮して夫の元に行ってきますね」

旦那様からこの時間に訪ねてこいって言われているしね。

それにし疲れてきたから休みたい。

「ではわたくしが案いたしますわ。皇宮には父の仕事場がありますので、良く出りしているので詳しいんです」

そうなのか。

確かアンドレット侯爵は外務省の長だったかな。

その関係でミシェル嬢も皇宮には何度も來ているらしい。

皇宮には不慣れなわたしは有難くミシェル嬢にお願いする。

旦那様からもミシェル嬢に案してもらえって言われたし。見ず知らずの人間に頼むよりは安心する。

なにせここは敵の本拠地。

まさか、あれだけ旦那様に釘をさされて今日中に何かしてくることはないと思うけど、用心するに越したことはない。

「では行きましょう。公爵様の執務室は、皇室の方々の近くにあるんですよ。わたくしもそこに行くのは初めてですけど、場所は分かりますので安心してください」

信用してますよ、ミシェル嬢。

しかし、わたしは自分の考えが非常に甘かったというのをこの後実することになった。

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