《【書籍化】ファンタジー化した世界でテイマーやってます!〜貍が優秀です〜》番外編 お正月
お正月番外編にはし遅い…?
申し訳ないです(・・;)
本編に関係ないので流しちゃって問題ありません!
ただ季節の番外編を書いてみたかった…というだけなので(*´ー`*)
次回は本編となります!
「おはよう。それと明けましておめでとう」
「ああ。明けましておめでとう」
朝目を覚ましリビングに行くと親父とお袋が既に起きていた。
「おめでとう。マコト、ご飯の前クーちゃんとランちゃんにエサあげてもらえるかしら? 起きるの遅くなっちゃってまだあげてないのよ」
「ああ。わかった」
お袋そう言われ元空き部屋で今は拾ってきた子貍二匹を飼っている部屋へ向かう。
扉を開けると同時、足元に駆け寄ってくる二匹の子貍たちをでる。
「クー太、ラン。あけましておめでとう。ご飯な。今用意する」
部屋の隅に置いてあるドッグフードを明けお皿にれる。子犬向けのドッグフードだ。貍用の餌というがあるかは知らない。ただ々試した結果コレを気にったようなのであげているだけだ。
「ほら。それと後で散歩行こうな」
散歩と聞いて尾を振りつつキャンッと鳴く二匹。
その姿に違和を覚える。こいつらってドッグフード好きだったっけ? あれ? 菓子パンが好きだったような…いや、貍は菓子パンなんて食べないか。
フッと湧いた疑問は放り投げ、ドッグフードをカリカリと食べる音を背にリビングに戻ると朝食の準備が出來ていた。
「ねぇ、マコト。おせちとかお雑煮とか食べたかったかしら?」
「いや? あーでも餅は食べたいかも」
テーブルに並んでいたのは目玉焼きとウィンナー、白米。親父の席には白米の代わりにトーストだ。
いつもの朝食だ。
正月らしさは全くないが、特に気にはならない。おせちやお雑煮を作るのは大変…というより面倒だと思うしお袋が作る気ないなら別に構わない…というかどうでもいい。こっちの方が好きだし、俺が小さい時は作ってくれていたしな。
「お餅はあるからお晝にでも食べましょう。それよりこの人ったらおせちとお雑煮はないのかって…ココ何年も食卓に出てないのに何言っているのかしらね」
「だからこそたまにはと思って聞いただけだろう。作れなんて言ってない」
「言ってるのと同じよ〜? 俺不満。って顔に書いてあるし、私もマコトも別にお正月料理が好きなわけじゃないんだから。そんなに食べたいなら食べに行きましょう。外で食べた方が味しいわ」
「だが、正月は正月料理を食べるものだろう…」
「否定はしないけどわざわざ大晦日に下拵えしたり、買い行く私とマコトの事考えてほしいわ」
お袋と親父のこの言い合いは毎年のことなので右から左に流し朝食を食べ始める。というかお袋。買いも料理も俺が手伝う前提なのはやめてほしい。親父が食べたいって理由だけでそんな面倒なことしないぞ。
「そういえばマコト」
「ん?」
「初詣はどうする? 俺とルリは行くが…」
「いや、俺はいい」
「まあ子供じゃないし、わざわざ親に付き合うこともないが、お前はずっとそうだな」
「気が向いたら一人で行くよ。でも混んでる時に行くのは勘弁」
「まあいつもそうだしね。マコトは好きにすればいいわ」
その後初詣に行く両親を見送り、クー太とランの食べ終わったお皿を片付ける。
朝食の洗いをし、クー太達と部屋の中でボールを投げたりぬいぐるみを投げて取って來させて遊んでいると呼び鈴が鳴った。
「はいはいっと…正月早々誰だよ」
備え付けのモニターを見るとメイとミミがいたので、寒いなあ。と思いつつ上著を著て出る。
「「明けましておめでとうございます!」」
「…おめでとう。正月の朝からどうした?」
「お詣り一緒に行きましょうって約束したじゃないですか!」
「…したっけ?」
「し、しました…よ」
したか…? この俺がそんな面倒なこと了承するか?
「お、お付き合いし始めたんだし、初めてのお正月はい、一緒に過ごそうって約束しました! ね! ミミちゃん!」
「う、うん。ちゃんと記録殘って…ます」
ふむん?
今何て?
お付き合い?
誰と誰が?
俺とメイ?
俺とミミ?
もしかしてメイとミミ?
いつもと違ってしモジモジして照れてるメイは可いな。というかミミってこんなにしっかり會話できたっけ? もっとボソボソ喋っていた気がするんだが…。
心に覚えがない上に理解できないことを言われたので、返事が遅れてしまう。
「ど、どうしました? 本當に忘れていたとか…?」
「ほ、本當に…ですか?」
そんな悲しそうな顔されると…。
「いや。ただこんな早くから行くって話だったか?」
とりあえず適當に話を合わせてみる。
「あ…。午前中に家に行くとしか…いってなかったかも…です」
メイもミミもそういえば…といったじで、しゅんとする。
「じゃあ支度するから上がってくれ」
「あ、はい! ありがとうございます! お邪魔します!」
「お邪魔します…」
ポットからお湯を出しお茶を出してやり、待つように言って部屋に戻る。
「さてと…うむ。全然記憶ないんだが…俺酔って告白したか…?」
そう思いメイとミミのSNSを遡る。
そこにはメイとミミから、告白のメッセージが。そして俺は保留の返答。
その後も見ていくと、どうやら俺はそれなりの好意は持っているが同時に告白されたことと、メイとミミの関係が俺のせいで壊れるのが嫌だから付き合うのは無理と返答。だが、二人はお互いが俺のこと好きなのも知っているし、俺が二人にそれなりの好意があるなら二人同時でも良いから付き合ってほしいことがあった。
やり取りや言葉は違うが纏めると二人ともそんな容だった。
…さて、ここで問題だ。數日…どころが半月ほどのやり取りを一切覚えていない。そんなことあり得るだろうか?
というか二人同時とかそんな面倒…んんっ。
不誠実なことを俺がするか…?
「よし。無かったことにしよう」
攜帯を閉じ、とりあえず著替えるが…無かったことになんて出來ないよなぁ。と思う。嫌いじゃないし、どちらかと言われれば好いてはいるが…そんな面倒なことするほど好きって気持ちはないんだが…。
どうしようかと考えながらクー太とランの下へ。
「これからメイたちと出掛けるがお前達も來るか?」
「ぎゃぅ!」
「きゃん!」
「じゃあ行くぞ………ああ。首とリードが必要か。肩に乗せられないのは面倒だな」
一瞬、リード? そんなもの必要だったか? と思ったがちゃんと二匹用のリードがあるのだから必要だろう。と深く考えない。
「えっ…」
「二匹も連れて…行くんですか…?」
メイとミミに、本気で? といった訝しげな表をされた。
「ダメなのか?」
「あっ。いえ、大丈夫です! ただ目立ちますよ…?」
「目立つの嫌い…じゃなかったです…?」
「嫌いだが…お前達も留守番は寂しいだろう?」
「「きゃぅ」」
「ほら。こいつらもそう言っているし行くぞ」
「「あ、はい」」
その後はメイたちの言う通り凄く目立った。目立つのが嫌だったのか一歩…いや二、三歩離れて歩くメイとミミ。解せぬ。
周りからの視線が痛かったし、居心地は最悪だったが、誰かに止められることも突っ掛かれるともなくお詣りを終えた。
指を刺されることとクー太とランに突っ込んでこようとする子供をご家族が抑える。といった場面は何度もあったがな。
それになんの銅像かは知らんが、あれかなかったな。ゴーレムだったらテイムしたいな。なんて思ったが…。
…うん? なんでそんなわけわからんこと考えてたんだっけ?
「そういえば…お正月休みが終わったら帰っちゃうんですよね?」
帰り道、メイとミミの會話にらず、クー太とランがちょこちょこと歩く姿を見ながら、取り留めのないことばかり考えていたら、メイに話を振られた。
「そりゃあ仕事があるから帰るぞ?」
「それで…あの、…件なんですが、し遠くなるけど二人でお世話になりたいな…って。あっ! でも毎日じゃなくて、朝早い時は自分の家から行くので!」
…あの件? 毎日じゃない? 自分んちから?
「なんのことだ?」
「え!?」
「…マコトさんの家に…半同棲って、話…です」
半…どうせい?
は? なにこいつら。うちに住むの? 三人で暮らすスペースなんてないぞ。というかなんで三人で…ってああ。付き合ったのか。
…いやいや。それでも意味わからん。二人と付き合った上で付き合ってすぐ同棲?
ん…? あれ? 既に同じ城に住んでたよな?
なんか思考が纏まらない…夢じゃないのかこれ?
そう思い頬をつねってみると…おう…痛くないんだが。
「突然頬をつねったりしてどうしたんですか?」
そうか。夢か。ああ…そう…だよな。
クー太とランにリードを付けるとか、會話出來ないとかありえないだろう。ハクにクレナイ、アキ、フェリ、グレイ、ラック…アメリや風月もいない。
「夢だわな。こんな居心地の悪い視線に曬されて、クー太とランにリードなんて拘束するような著けてる時點で夢だろうに」
そう口にした瞬間、目の前がボヤけ、滲み…青い…作りの空が見えた。
「寢てたか。というかやっぱり夢だな」
正月の夢だったが、今何月だろうか?
日數は數えてないが確かにそろそろ年明けかもな。
にしても…求不満か?
メイとミミの二人と付き合って同棲とか…二かぁ…気を使いそうだし面倒だよな…。
「ご主人さまー?」
ぼーっとしているとクー太の顔が目の前に。
「どうした?」
「おはよー」
「ああ。おはよう。今日のご飯は菓子パンにするか」
「やったー!」
夢ではただのペットだったが、會話出來ないとか悪夢だよな。今日は皆に菓子パンだ。とは言っても俺は菓子パンが好きってわけじゃないから魔石で充分だが。
さて…親父とお袋、メイとミミには夢に出てきた日常を取り戻してやりたいし、魔族との戦いもあるからレベル上げ、頑張るとしますか。
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