《【書籍化】キャだった俺の青春リベンジ 天使すぎるあの娘と歩むReライフ》51.運音癡の闘(前編)
「うーん……惜しい……すっごく惜しいのに……」
「改善はされたんだけどなあ……」
俺と筆橋は公園の草むらに座りこみ、休憩をとっていた。
筆橋のアドバイスを取りれて、意気も新たにキャッチの練習を再開したところ、その効果は確かにあった。
飛んでくるボールに対してスタートが早くなったし、グローブを出すタイミングも適切になり、ボールの軌道を見極めることにも慣れてきた。
だがグローブに當たりはしてもそのまま弾いてしまったり、キャッチしたと思ってもこぼしてしまうことが多発したのだ。
「くそぉ……そうそう上手くはいかないか。みんながわけもなく出來てることが出來ないのが悲しい……」
みんなが出來ることだから、それを失敗した時は『どうしてあんなの落とすの?』と周囲は不思議がる。場合によっては『お前、真面目にやってないだろ!』と言い出す奴が出てくるのが辛い。
「まあまあ、私としてはし安心したよ? 文化祭で活躍したり期末テストで最高點だった新浜君でも苦手なことがあるんだって」
「俺なんて苦手なことだらけだよ。褒めてくれるのは嬉しいけど……その二つはただ頑張らないといけない理由があっただけなんだ」
そもそも文化祭にしても期末テストにしても、上手くいったのは人生二周目という恩恵に依るところが大きく、決して俺という人間が凄いわけではない。
「正直、筆橋さんみたいに運が出來る人は羨ましいよ。俺が運神経抜群だったら人生違っただろうなって思うし」
晴れ渡った青空を見上げて、ついそんな愚癡を言ってしまう。
そう、今世ではともかく……前世の俺は運ができさえすればと強く思っていた。
「ええー? 私は運できるより頭がいいほうが斷然羨ましいけど……それに運ができるかどうかくらいで人生が違うっていうのは大げさじゃない?」
「いや……それが男子にとっては大げさでもないことなんだ。何せ、それで一生の格が決まってしまいかねないんだから」
「へ? せ、格? たかが運で?」
子の筆橋に確かにピンとこない話だろう。
でも俺は、運能力は人生に多大な影響を及ぼすと思っている。
「ああ、これはあくまで俺の偏見に満ちた意見だけど……小學校に學した時に運ができるかどうか。それが男子にとって凄く重要なことなんだ」
ある意味、人生で一番運能力が重要視される時代がそこだ。
最初のスクールカーストがその時點で決まる。
「小學生の男子たちは、とにかく運能力でクラスの偉さを決めるんだよ。かけっこが速かったり、ドッジボールが強かったりしたら周囲から『すげー!』『かっけー!』って褒められまくってクラスでの地位が高くなるし、本人も自信がついてどんどん明るい格になっていく」
しかもこの流れは中學にも高校にも引き継がれる。
だから運能力が高い奴は在學中、最初から最後までキャなのだ。
「ええ……!? で、でも、そういえば……小學生の時も中學生の時も、明るくて活発な男子は確かにみんな運が出來る人ばっかりだったような……」
「だろ? それで運ができない男子は周囲から『弱っちい奴』って位置付けにされるんだ。馬鹿にされたり軽んじられたりしてクラスでの地位は下になって、どんどん自分に自信がなくなっていく。俺も今はちょっとマシになったけど、ちょっと前までは口數がなくて暗かったろ?」
「ふぇぇ……男子ってそういうふうなんだ……あれ? でも逆に言うと新浜君は一何があってそんなに明るくなったの……? 今じゃ暗いどころか、クラスのほとんどの人が認めるやり過ぎなくらいのエネルギッシュ男子だし……」
「そ、それはその……ちょっと一念発起してイメチェンしたんだよ……」
まさか運音癡でキャだった青春をやり直し中の未來人ですとは言えず、俺は苦しい言葉で誤魔化す。
「ともかく、さっき格や人生が決まるって言ったのはそういうことだよ。もちろん例外はいくらでもあるし、俺が勝手にそう思っているだけだけど……なくとも俺はそういう験をしてるから運に良いイメージがないし、運出來る奴は羨ましいんだ」
運に関しては本當に忌まわしい記憶しかない。
かけっこで転んだり、ドッジボールを顔面にぶつけられたり、サッカーで蹴った足が空振りして倒れたり。
そのたびに周囲に馬鹿にされたり笑われたりした。
そして俺は次第に自信を失って、快活さが失われていった。
(あー……そっか……話していて気付いた……)
俺が暗くて弱々しいキャになってしまった要因は――他ならぬ運能力の欠如から始まっている。
つまり俺は今、ある意味キャの元兇とも言うべきものに挑んでいるのだ。
「それだあああああああああ!」
「え!? な、なんだ!?」
いきなりこちらを指さしながらぶ筆橋に、俺は目を白黒させた。
「それだよ! さっきからボールを捕る時、タイミングは合ってるのにどこか腰が引けてたの! ボールから目は離していないのに、なんか怖いものを見るみたいに完全に直視できてない! 私の気のせいかと思ったけど……新浜君のそういうスポーツに対する苦手意識がプレイに出ちゃってるんだよ!」
「それは……」
言われてみれば、否定できない。
球技大會の記憶だけでなく、基本的にボールというのは集団球技の失敗ばかりを思い出させる。
そうした潛在意識が球技において最も大切なボールの直視を妨げているのなら、確かにかなり致命的だ。
「そうかもしれない……でもだとしても、それをどうやって克服すれば……?」
自覚さえすればあとは気合いの問題か?
いや、さすがにそれだけじゃ……。
「うーん……上手くいくかわからないけど、思いつくことはあるよ」
「えっ、マジか!? さすがコーチ!」
「あー……うん、それで、ちょっと恥ずかしいけどそのために聞きたいことがあるんだけど……」
そこで筆橋は何故か頬を紅させ、言葉を濁す。
何だ? なんでここで赤くなる?
「その、新浜君って紫條院さんのこと……好きなんだよね?」
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