《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》強敵(?)との闘い
もう5話目。今のところとても楽しく書けています。
とある作品が好きすぎるせいか、主人公ちゃんが予定より脳筋よりに…………!!
初めての戦闘を終えて、改めて周囲を見渡してみる。
門を出た先に広がる、見渡す限りの大平原。一面の草原では、あちらこちらで兎と人がりれていた。
そこかしこに見けられる初心者裝備のプレイヤーたちと、それと相対するホーンラビット。プレイヤー側が二人、三人となることもあれば、兎が三匹で一人を取り囲んでいるところもある。
狀況は様々ではあるものの、総じて。
「……人が多い」
『初日やからな。しゃーない』
『初心者むけの場所はどうしても混むよね』
『これでも取り合いとかにはなってないだけましってもんよ』
「むーん……奧行っちゃうかぁ」
人で溢れているここよりは、もう幾らか奧に行ってみようかと思う。たしか、この北も當分はひたすらに草原だったか。
『お』
『行っちゃう?行っちゃう??』
『敵の強さ的には大丈夫なん?』
「へーきへーき。そもそも私よりHPが低いやつには理論上負けないんだから」
『もはや例のスキル大前提』
『ライフでけるというよりもはやライフで毆ってて草』
『知らなかったのか?ライフは毆るもの』
『剣や盾は飾りです』
「えらい人にはそれが分からんのですよ~~……あ、そうだ。さっき々インフォあったよね。確認しとかないと」
初勝利の余韻ですっかり流してしまうところだったが、いくつかインフォが鳴っていた。北へ北へと歩きながら、ざっと確認してみることにする。
◆◆◆◆◆◆◆◆
技能:致命の一撃
効果:相手の急所を突いたとき、與ダメージが更に10%上昇する。
條件:自分と同等以上の相手に対し、急所をついた一撃のみで撃破する。
◆◆◆◆◆◆◆◆
◆◆◆◆◆◆◆◆
技能:ジャストカウンター
効果:カウンター時のダメージを5%上昇させる。
條件:システムアシストを抜きに、完璧なカウンターを功させる
◆◆◆◆◆◆◆◆
◆◆◆◆◆◆◆◆
技能:聖屬の心得
効果:聖屬攻撃の威力を1%上昇させる
條件:聖屬の攻撃で敵を一以上撃破する
◆◆◆◆◆◆◆◆
なるほどなるほど。このじを見るに、技能ってのは割とぽんぽん生えてくるって認識で良さそう。
どれもあれだね。ぱっしぶスキルってやつだ。持ってるだけで強くなれるじの。
カウンターやら急所やらに心當たりはないけども、多分最後の攻撃がそういう判定になったんだろう。
今のが、手にった技能。最後の一つは、しが違った。
◆◆◆◆◆◆◆◆
稱號:創造神の興味
効果:他のプレイヤーに比べて、やや重點的にモニタリングされるようになる。NPCとのやり取りに微上方修正。
説明:創造神に興味を持たれたものを指す。神は下界に粋の良い人間を求めている。『運営はユニークなプレイヤーを歓迎します』
◆◆◆◆◆◆◆◆
「稱號……?え、なんか運営から今後ほかより監視しますって宣言食らったんだけど」
『わろた』
『運営見る目あるわ』
『どうみても要注意ユーザー』
『イエローカードかな?』
『「創造神のなんとか」ならβの頃からあったやつ』
「誰があと1枚で退場だ!! …………へえ、そうなんだ」
コメントの解説いわく。βの頃から、面白いプレイをする人にはどんどんそういう類の稱號が付與されていったらしい。公式プロモーションビデオを作製するネタにしやすいからだとか。
まぁ確かに、ごまんといるプレイヤーの中からネタを探すなら、目立つきをする人をマーキングしておきたい気持ちはわからないでもない。
結局のところ監視強化であることには変わりないけど!!
そんなこんなで門から離れ、どんどん北の方へと進んでいく。
こちらはところどころに小高い丘などはあるものの、基本的にはずっっと草原。
道中何度か兎が襲いかかってきた。3回ほどけた上で反撃すればあっさり勝利を収めることが出來たので、特に問題にはならなかったけども。
「隨分と街から離れてきたねぇ」
『せやね』
『この先もずっと草原なんかな?』
「どうだろー。街とかあったら面白いよねー……お?」
まだ遠目だが、何やら見慣れないものが前方に見えた。
これまでの兎と比べると、この距離からでも段違いに大きいのがわかる。あれは……豬?
向こうもこちらに気付いたらしい。ゆっくりと、歩いてくる。
◆◆◆◆◆◆◆◆
名前;ワイルドボア
Lv;10
狀態;平常
◆◆◆◆◆◆◆◆
「レベル10!!高くない!?」
『笑った』
『これは……別エリアってやつですかね??』
『お前は進みすぎた』
『初日からデスペナかぁ』
「いや待って待ってまだ諦めるのは早いから!」
慌てて剣と盾を構える。正面からの突進に備えて、大盾で前方を防いだ。
瞬間、強烈な衝撃がを襲う。HPバーは8パーセントほど削られていた。
「ぐっ……重い。けど、これならまだまだ余裕!」
『おー……?』
『いや、盾でけてたら意味無いでしょ』
『まだまだ余裕(キリッ』
「あーー!そうじゃん!!普通にけても何も意味無いんだ!」
どうやらよほどテンパっていたらしい。コメントに指摘されて、慌ててGAMANを発させる。
効果中はあらゆる行が止されるため、盾で守ろうとすることも出來ない。
強烈な突進をでける。最初とは比べにならないほどの衝撃が、中を駆け巡った。
ぐっ、結構重いっ……!
HPバーは、併せて三割弱減っていた。當然と言うべきか、け方次第でダメージも変わるということなんだろう。
しかし、それはすなわち、その分GAMANも貯まるということ。
「よーし。もう一発こーーーぐえっ」
元に猛烈な一撃。殘りのHPは一気に半分強に。
でも、問題ない。
「やったなぁ……? こっちの、番だぁーーッ!!」
『解放(リリース)』
言葉を紡ぐと同時に、確かな、力強いものが全を駆け巡る。
そしてそれはまもなく、一筋の線となって解き放たれた。
今日一番に鮮烈なの奔流が真っ直ぐに突き進み、突進を終えたばかりの豬を呑み込んでいって。
線の去った跡には、ワイルドボアの姿はなかった。
『只今の戦闘経験により、レベルが5に上がりました』
「やっっったーーーー!!!勝った!!!!」
思わず裝備を投げ出し、両手を突き上げて喜びを表現する。
いやーよかった。ちょっと怖かったけど、案外やれるもんだ。
『8888』
『ナイスぅ!』
『まるでボスでも倒したかのような喜びようである』
『長く、苦しい戦いだった……』
「今のはボスだから!レベル9つも上だったし、アツかったし。私がボスと言ったらボスなの!」
『せやな』
『うんうんボスだった』
『戦闘時間1分あるかないかだけどね』
『そんなことより裝備ひろったげて????』
「あ」
すっかり忘れるところだった。
慌てて地面に落としてしまった剣と盾を拾い、インベントリにしまう。
『いや草』
『ナチュラルに解雇される裝備品』
「いや……まぁ要らないかなって…………」
剣は振っても當たる気がしないし、盾も結局のところ使わない。
もう服さえあれば良いかなって思っちゃうのは間違ってないはず。
「そうだ、ステータス……振らないといけないんだっけ」
ちょいちょいと作して、ステータスウィンドウを開く。
開こうという意思を持って指を振ればウィンドウが出てくる仕様なんだけども、つくづくこれって凄いなって思うよ。
ポイントを20貰えていたので、全てVITに振っておく。更新されたステータスが、こんなじ。
◆◆◆◆◆◆◆◆
名前:ユキ
職業:重戦士
レベル:5
HP:868/1980
MP:0
右手 なし
左手 なし
頭 バンダナ
革のよろい
腳 布のズボン
靴 革のくつ
理攻撃:0
理防:8
魔法攻撃:3
魔法防:3
VIT:120(+20)
STR:0
DEF:0
INT:0
DEX:0
AGI:0
MIN:0
所持技能:最大HP上昇 自HP回復 GAMAN ジャストカウンター 聖屬の心得 致命の一撃
稱號:創造神の興味
◆◆◆◆◆◆◆◆
「あーー惜しい!!もうちょっとで二千だったのに」
『次元が違う』
『ワイの十倍あるんやが』
『力半分ないタンクは失格ですか……?』
『安心しろ正常だ』
「あはは、まぁこれが異質だってことは流石にわかるよ。突き詰めたら何処まで盛れるか楽しみだねぇ」
『まだまだこれからだもんなぁ』
『ズバリ目標は』
「そりゃー夢はでっかく5桁でしょう!」
『かんばれ』
『1ヶ月もしないうちにあっさり超えたりして』
「どうだろ!これから見守ってくれると嬉しいなぁ? なんて」
『おけ』
『任された』
『登録しといた』
「ありがとー。皆優しいなぁ」
まさかゲームが、配信をすることが、ここまで楽しいなんて思いもしなかった。
時計を見る。もうちょっと時間あるかな。
「さて、じゃあもーちょっとばかり。気合れてイノシシ狩りと勤しみますかぁ!」
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