《【書籍化】盡くしたがりなうちの嫁についてデレてもいいか?》人宣言!

噂を放置すれば、今回の新聞部のように変に勘ぐったり、探りをれてくる輩も現れるだろう。

冗談ではなく、りこはそのぐらい注目を集めている存在なのだ。

でもそんなことになったら、一緒に住んでいる事実が暴かれかねない。

そう考えて俺たちは、教室に戻るなりあえて際宣言をしたのだった。

一応、りことの間で打ち合わせはサッとしてあって、ボロが出ないようにできるだけ真実に基づいた噓をつこうということになっている。

口下手な俺が主導権を握るとすぐやらかしそうなので、説明役はりこが引きけてくれた。

「りこ、この校新聞どういうこと!? 二人って本當に付き合ってたの!? ……って、その手!! うえええっっ!? マジで!?」

俺たちがいない間に登校してきたらしい麻倉が、喚きながら駆け寄ってくる。

返事を聞こうと、クラスメイトたちもわっと集まってきて、俺とりこはあっという間に取り囲まれてしまった。

教室の口で俺が戻ってくるのを待っていたらしい澤もそれに便乗してきた。

「おいおい! どういうことだよ!? 馴染ってだけじゃなかったのか!?」

「えへへ、実はお付き合いしてました。ね? 湊人くん」

首を傾げてニコッと笑うりこが可すぎる。

ーーまずい、見惚れてる場合じゃなかった。

とりあえず俺は慌てて頭を縦に振って、りこの問いかけに答えた。

クラスメイトたちは信じられないというように俺とりこを互に眺めている。

「付き合ってたって……」

「信じられない……」

「花江さん、新山に何か弱み握られたの……?」

「いや、でも、新山にそんなことできそうにないか……。となるとますます謎なんだけど」

だいたい俺の予想したとおりの反応が方々から返ってくる。

まあ、そうだよな。

俺だって、こんなのが學園一のの彼氏なんて言われても信じられない。

ところがりこはムッとした顔になって、右手を繋いだままの狀態で左手を俺の腕に絡めてきた。

まるで腕をりこに抱き締められているかのような錯覚を覚えて、んな意味でやばい。

「みんななんで私が弱みを握られているなんて言うの?」

「それはだって……りこと新山くんが付き合うなんてありえなさすぎるから! だいたい、今までどんなイケメンの告白もまったく相手にしなかったのにどうなってんの……!? もしかしてりこって、イケメン嫌いだったりする!?」

麻倉が興しながら詰め寄っても、りこはいつもどおりおっとりとしている。

そしてそのまま、場を凍りつかせるようなことを言ってのけた。

「え? どうして? 湊人くんすごくかっこいいよね?」

その瞬間、教室がしーんと靜まり返った。

悲しいくらいの沈黙が、りこの発言を全否定している。

ううっ……。

自分がイケメンじゃないことなんて百も承知だけど、哀れみをこめた眼差しを一斉に向けられるのはキツいものがある。

りこが俺の外見のことを庇ってくれたのは優しさだろうけれど、そこはスルーして良かったのに……!

「ま、まあ、は盲目って言うしそれはいいとして……。本當の本當に付き合ってるの?」

「うん!」

「なんか全然信じられないなぁ……」

澤が細めた目でじろりと俺を見てくる。

その聲にうんうんと首を振るクラスメイトたち。

おい、澤。

おまえは友人なんだから、一人ぐらい味方してくれてもいいだろう……!

と、心の中で思った直後、ハッとした。

しまった。

そういえば澤にはこないだりことのことを聞かれて、苦し紛れに「他に好きな人がいる!」なんて言ってしまったんだった。

となると今、澤は俺のことを「別に好きな子がいるのに、りこと付き合ったろくでなし」と思っているのだろう。

よく見れば、他の生徒たちに比べて澤の投げかけてくる視線だけやけに険しい。

これはあとでちゃんと弁解しておかないとまずいな……。

「信じられないなんて言われると悲しいな……」

りこが悲しげに呟くと、クラスメイトたちは申し訳なさそうにを小さくさせた。

みんなりこをいじめてるような気持ちになったのだろう。

「ご、ごめんね、りこ。私たち驚いちゃっただけで、本気で疑ってるとかじゃないよ?」

「ほんとに?」

「うんうん。ねえ、みんな!」

麻倉の聲にクラスメイトたちが慌てて頷く。

この流れなら、丸く収められるかも。

そう期待した直後ーー。

「良かったあ。ずっと好きだった湊人くんとやっとお付き合いできるようになったから、レイちゃんにも応援してもらいたいって思ってたの」

「えっ!? りっ、りこが好きになったってこと!?」

麻倉が目を見開く。

「うん。私が湊人くんを大好きで、告白したの。だからね、私、今すっごく幸せなんだぁ」

あんぐりと口を開けた皆さんが、また一斉に俺を見てきた。

それなのに、俺は顔がどんどん赤くなっていくのを隠し切ることができなかった。

だって、噓でもりこから「大好き」なんて言ってもらえるなんて……。

ああ、やばい。

心臓がバクバクしてきた。

「新山おまえ……前世で一どんな徳を積んだんだよ……」

澤が絞り出したような聲でそう呟いた。

だな……。

俺はたしかにの丈に合わない幸せをりこから貰いまくってるし、もしかしたら前世は人柱にでもなったのかもしれない。

「ええっ。それも私の方だよー! きっと私、湊人くんと出會うために、前世でめちゃくちゃ頑張ったと思う! ふふっ!」

ま、待って、りこ!

さをもうちょっと手加減してくれ……!

みんなに信じさせようと頑張ってくれてるのはわかるけど、俺の心臓が持たない……!

本気でそう思い始めた時、ようやく本鈴が鳴ってくれた。

りこと一瞬目を合わせて、微かに頷き合ってから自分の席に向かう。

なぜかりこがすごく嬉しそうな顔をしていて、理由はわからないけれど、その可い表は俺の心に殘像のように殘った。

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