《斷罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪を目指す(第三章完結)【書籍化、コミカライズ決定】》11.王太子殿下は悪役令嬢に興味を持つ
最近、頓に聞く名前がある。
クラウディア・リンジー公爵令嬢。
母親の死をきっかけに、いが改心したという。
「あのわがままなご令嬢が改心したなんて、僕には信じられませんけど」
トリスタンの言葉に、シルヴェスターも園遊會で見かけたクラウディアの姿を思い浮かべる。
最低限の禮儀だけを修めた、我の強いご令嬢。
それが、うそ偽りないクラウディアの印象だった。トリスタンと差異はない。
「どうせリンジー公爵が、シルの婚約者という立場を狙って噂を広めてるんじゃないですか?」
「公爵は、野心がある人じゃないけどな」
野心があるなら、わざわざ庶民の人を作ったりしない。
未亡人の後見人になるならまだしも、利用価値のない相手なら尚更だ。
そんな人だから議會では中立に位置し、貴族派とも上手くやれている。
シルヴェスターがリンジー公爵と話しただと、ご令嬢とは真逆の穏やかな人だった。
彼が義父なら、議會運営はやりやすいように思う。
「けど人に耽って、家をないがしろにしている人でしょう?」
「政略結婚ではままある話じゃないか」
トリスタンの言いたいこともわかる。
人はこの際いいとして、実子までないがしろにしていると聞けば、良くは思えない。嫡男のヴァージルとはクラウディア以上に流があるから、なおさらだ。
案外、クラウディア嬢の気もそのせいではないのか、というのはシルヴェスターの所だ。
だから母親の死をきっかけに悪化することはあっても、好転することはないだろうと思っている。
依然としてリンジー公爵が、人宅に帰っているのは聞いていた。
トリスタンは眉を下げる。
「クラウディア嬢に良い印象はないけど、流石に可哀想ですよ」
兄のヴァージルは今年社界デビューし、學園にも學した。
外で気晴らしができる兄とは違い、屋敷から出る機會のないクラウディアの心はいかなるものか。
他人事ながら気の毒ではある。
そんなときだった。
クラウディアとのお茶會が決まったのは。
「何も一対一じゃなくても……」
「噂を確かめるには良い機會だ。なんだったらトリスタンも參加するか?」
「いいんですか!?」
「護衛騎士として私の後ろに控えるなら、問題ないだろう」
思いの外、トリスタンも噂が気になっていたのか、お茶會には彼も連れて行くことになった。
◆◆◆◆◆◆
「本日は流の場を設けていただき、ありがとうございます」
菫のドレスで現れたクラウディアは、それだけで噂を信じさせるだけの魅力があった。
ドレスは同年代のご令嬢が著るものに比べると簡素な作りだが、デザインや生地を見れば、手が抜かれているのではなく洗練されているのがわかる。
立ち姿はしく、カーテシー後は、自然と緩やかに広がる黒髪に目を奪われた。
気の強そうな目元は、雰囲気が違うからか、記憶にあるものより優しい。
背後でトリスタンが見惚れている気配を察し、自分は相手に流されないようにと気を引き締める。
(まるで別人のようだ)
會話し、クラウディアの反応を観察すればするほど、幻を見ているような気になってくる。
頬染めて恥じらう姿は可憐で、口を開けば話題が盡きない。
のほうが男より神のが早いと聞くが、それまでシルヴェスターの目には、どのご令嬢も稚に映っていた。
けれどクラウディアは違う。
作為めいたものをじるときはあるけれど、びを売るわけでもない。
あくまでこちらを楽しませようとしてくれているようで、探るような視線も不快にはじなかった。
(面白い)
どうすればクラウディアの隠された本音に近付けるのか。
彼が本心をわにしていないことは察している。
シルヴェスターに好意があるように見せながらも、不用意に距離をめようとはしてこないからだ。
王家として、リンジー公爵家との婚姻は悪い話じゃない。
それは彼もわかっているはずなのに、そのアドバンテージを活用しようとしない姿勢には疑問が殘る。
クラウディアの聡明さは、會話の中で十分窺えた。
(何を考えながら、私との會話に臨んでいるのか)
もっと彼を知りたい。
しかしスケジュールを詰めて設けた時間はあっという間に過ぎ――。
「本日はありがとうございました」
シルヴェスターへの未練など一切じさせず、クラウディアはあっさり帰っていった。
その潔さに眉が寄る。
「クラウディア嬢は噂以上でしたね! あれ? どうしたんです、楽しくなかったんですか? あれだけ盛り上がってたのに?」
「いや、楽しかったよ」
トリスタンの反応に、顔が険しくなっているのに気付いて慌てて笑みを浮かべる。
クラウディアとのお茶會は楽しかった。
だからこそ。
(私だけが焦がれているようで、気にらない)
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