《斷罪された悪役令嬢は、逆行して完璧な悪を目指す(第三章完結)【書籍化、コミカライズ決定】》36.悪役令嬢ともう一人の婚約者候補
「どうして生徒會室で一緒に聲を上げてくれなかったの? 遠慮させてしまったのかしら……」
ダメな姉ね、と手を握りながら肩を落とす。
「ごめんなさい……わたくし、気付かないところであなたに辛い思いをさせていたのね……」
聲を震わせて謝罪を口にすれば、すぐに教室の空気は同的になった。
クラウディアが聡明なことは周知の事実だ。何せ新生代表である。
それに領地送りとなっていたフェルミナと違い、デビュタント前からクラウディアは他のご令嬢と流していた。
人の機微に聡いクラウディアの人當たりの良さも知れ渡っている。
賢い彼が、わざわざ妹の案を盜むだろうか? と、周囲で疑問が浮かぶのは自然のり行きだった。
「いえ、あたし……」
俯くフェルミナは、そこで口を閉ざす。
忙しなくく茶い瞳は、必死に考えを巡らせていることを語っていた。
遂にポロポロと涙をこぼし、泣き崩れる。
「あたし、あたし、悲しくて……!」
「いいの、わたくしこそごめんなさい。配慮が足らなかったわ」
肩を抱いて、フェルミナをめるのはクラウディアだ。
こうして姉妹の仲違いは、無事解決した――かのように見えた。
「クラウディア様、まだ話は終わっていませんわ!」
途中から無視される形になったルイーゼが、これだけは言わないと! と引かなかった。
「帰りは、殿下に送ってもらったそうね? ただでさえ生徒會でもご一緒なのに、婚約者候補として公平さに欠けるのではなくて!?」
あぁ、それも聞いたのね、とハンカチでフェルミナの涙を拭ってあげながら思う。
ちなみに普段はルイーゼも、シルヴェスターに侍っていた。
生徒會のことを言うなら、同學年、同じクラスである時點で、ルイーゼも他の候補者に比べて過ごす時間は長い。
婚約者候補の公平といっても、その程度のものだ。
ただ一対一での流となると話は変わった。
「図々しいにも程があるのではなくて? 恥を知りなさい!」
ビッと折りたたんだ扇でクラウディアを指し、ルイーゼの追求が綺麗に決まる。
泣き止んだフェルミナからを離したクラウディアは、悩ましげに頬へ手をあてながら問いかけた。
「ではルイーゼ様は、今後公平を期すために、殿下がおいになられてもお斷りされるの? 図々しくて、恥ですものね……?」
「それとこれとは……」
「どうして違うと思われるのかしら? 最初から候補者全員を、それぞれおいになるつもりだったとは考えられませんの?」
シルヴェスターがそう考えていたとは、クラウディアも思わない。
けれど婚約者候補としての意地があるなら、誰かに先を越されたら、次は自分だと主張したほうが上だ。
公平を訴えるなら、シルヴェスターに訴えたほうが機會も摑めるだろう。
(きっとルイーゼ様は素直な方なのね)
こうして面と向かって、文句を言ってることからもわかる。
すぐ誰かに言いつけるどこぞの誰かさんとは大違いだ。
クラウディアのほうが爵位が上なのにもかかわらず、直接本人に苦言を呈するのは、貴族のご令嬢として芯が通っていた。
だからこの辺で落とし所を探ろうと考える。
だというのに。
「お姉様、ルイーゼ様は悪くありませんっ」
隣から橫やりがり、思わず睨みそうになった。
助け船を出したつもりだろうか? しかし今は、婚約者候補同士で対決しているのである。
候補でないフェルミナはお呼びではなく、庇われたほうのルイーゼも眉を寄せる。
「フェルミナさん、ごめんなさい。わたくしはルイーゼ様とお話ししているところなの」
「でもお姉様はルイーゼ様をお責めになっていたじゃありませんかっ」
この子は、扇でクラウディアを指す、ルイーゼの綺麗な姿を見ていないんだろうか。
どちらが責められていたのかは明白だ。
それもフェルミナが提供した報が元だというのに。
そして話の流れを理解できない人は、このクラスにはいない。
シルヴェスターと同じクラスになるため好績を取ったご令嬢、ご令息たちである。
貴族のマナーも、パワーバランスも家から徹底的に教え込まれていた。
結果として、彼らからも訝しげにフェルミナは見られることになる。
(わたくし、こんな子に陥れられたの……?)
信じたくない思いでいっぱいだ。
こめかみを押さえたくなったところで、視界に銀髪が映る。
クラウディア、ルイーゼ、フェルミナを結ぶ三角形を見たシルヴェスターの表は穏やかだ。
しかし、黃金の瞳が煌めくのを、クラウディアは見逃さなかった。
(せいぜい楽しんでくださいな)
以前、同士の戦いを見せると言ったのは自分だ。
フェルミナが領地送りになったため、しばらく棚上げになっていたけれど。
シルヴェスターが登場したことで、クラスの面々が一斉に挨拶する。
おかげで教室に漂っていた微妙な空気が一掃されたものの、フェルミナが介したせいでクラウディアとルイーゼの話は終わらなかった。
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