《【書籍化&コミカライズ】偽聖げられた公爵令嬢は二度目の人生は復讐に生きる【本編完結】》50話 100倍

「リシェル!遊びにきたぞ!!」

あれから2ヶ月後。ロゼルトがリシェルがエルフの里であてがわれた家に遊びにきた。

リシェルはエルフ達に聖として迎えれられ、日々聖の歴史と、魔法の使い方を習っている。

自由な時間ができれば、エルフの蔵図書館で魔族について調べ、それなりに充実した日々をおくっていた。

「ロゼルト!!!」

窓の外でぶロゼルトの姿をみつけ、リシェルは窓からをのりだした。

そのまま二階の窓から飛び降りる。

「ちょ!?おまっ!!!」

ロゼルトがけ止めようと慌てるが、リシェルは風の魔法を纏い、ひょいっとその場に飛び降りる。

「……なんか凄いな」

その様子を唖然とロゼルトが見つめれば

「凄いのは私ではありません。

エルフの古代呪文はとても高度な事ができます!!

やはりエルフは凄いですね!!

人間の間で流行している詠唱魔法より古代魔法の方がより高度な事ができるのです!」

今にも古代魔法の偉大さを語りだしそうなリシェルに

「てか古代魔法とかあまりにも使うのが難しすぎて人間は扱わなくなったわけだろ。

それを扱えるお前が凄いだろ」

と、素直な想を言えばリシェルは途端に顔を赤くする。

「……ロゼルトのような事を何というかエルフの古代文獻で學びました!」

「うん。何だ?」

「太鼓持ちというそうです!!」

「たいこもち?どういう意味だ?」

「褒めるのが上手い人をいうそうですよ!」

と、嬉しそうに報告する。

「いや俺は本當に思ったから口にしてるだけなんだけどな。

にしても羨ましいな。

俺も仕事がなければエルフの文獻読みあさりたかったのに」

ロゼルトがため息まじりに言えば、リシェルは嬉しそうにロゼルトに本を差し出した。

「……これは?」

「ロゼルトの興味のありそうな本の寫本をエルフの方にお借りしました。

次ロゼルトが來るまでに返せば大丈夫だそうです」

「え、わざわざ選んでくれたのか?」

「はい。人ですからそれくらい當然です!!」

言ってからリシェルはしまったという顔をした。

「婚約したのですから人……ですよね?」

し自信がなさげに上目使いでリシェルが言えばロゼルトが一瞬顔を赤くしたあと、無言でリシェルを抱きしめる。

「ロ、ロゼルト!?」

急に抱きしめられ慌てるリシェルと無言で抱きしめるロゼルトの様子を遠くから見つめ、

「まー、なんていうかまるで絵に描いたような青春だな」

「そうですね」

と、二階からジャミルがぽりぽり菓子を食べながら言えばシークも頷くのだった。

■□■

「君が聖様の婚約者か」

リシェルが魔法の授業をすぐに終わらせてくるから待っててと、ロゼルトをリシェルの部屋に一人待たせ出ていったあと。

れ替わりにってきたのはエルフの年だった。

エルフの顔は皆顔が端麗すぎて見分けがつかないが、高価な服を著ている事からそれなりに分の高い者だろう。

ロゼルトの護衛はエルフの里の外で待機してまっているため、今は完全に一人である。

「ああ、そうだけど。それが何か?」

明らかに敵意剝き出しの相手に敬意を示す必要もないだろうとロゼルトは答えた。

見るからにロゼルトに喧嘩を売りにきたという態度なのだ。

「人間如きに聖様のお相手は務まらない。

今のうちにを引いてもらいたい」

言う年に、ロゼルトは苦笑いを浮かべた。

「俺がを引いて、あんたがリシェルの相手になると?」

ロゼルトが言えばエルフの年は顔を赤くする。

「ち、違う!!そのような事ではなくて!!」

どうやら図星だったらしい。

なんつーか、エルフでもガキはガキなんだな。

と、ロゼルトは腕を組む。

「俺がを引いたって意味ないぞ。

リシェルは俺の事好きだし」

言うロゼルトの言葉にエルフの年は顔を赤くして

「聖様がお前の事を好きだと!なんだその上から目線は!!」

「だって、本當の事だ。

リシェルの中の俺は実際の俺よりも100倍凄いやつだからな」

どーんっとロゼルトが宣言すれば、エルフの年は首をかしげた。

「……は?」

「過大評価されて実より100倍凄い人になっているんだよ」

ロゼルトがぽりぽり頭をかいて言う。

そう。リシェルの中のロゼルトはリシェルの中で勝手に深読みされて凄い人像が出來上がっている。

ただサラダを食べようとしただけで糖値の急激な上昇を抑えるためですね!と意味不明な深読みをされ、凄い凄い言われるのは普通の男にはプレッシャーになりすぎて耐えられないだろう。

ロゼルトも逆行前の同年代の時付き合っていたら、プレッシャーに耐えられた自信はない。

様々な苦難を乗り越え28歳になってから逆行したからこそ、リシェルの思い込みを「可いな」とけ流せるようになったのだと思う。

だからこそ今他の男に渡す気などさらさらない。

男の方がプレッシャーに耐えられなくなってリシェルを捨てるのは目に見えている。

そして悲しむリシェルを見たくない。

もうしあの深読みする癖をなんとかしてやらないと他の男とは付き合えないよな。

と、ロゼルトは思う。

恐らく悪意ある王宮で青春期を送ったため深読みしていかなければ自らを守れなかったからこその、あの格なのだろう。

信じていたはずのメイドのリンゼさえも実際は敵でその思い込みを増長させていくように仕向けていた。

リシェルがグエンを異常なまでに恐れていたのもリンゼがそう仕向けていたフシがある。

逆行前の歪んだ環境のせいでリシェルはあの狀態なのだ。

自分が死ぬ前に。せめてあの思い込みの強さだけはなんとかしてあげたいと切に思う。

などと二人でやり取りしていれば

「ただいま戻りました!

……シャルナ様?」

息を切らせて部屋に戻ってきたリシェルが、ロゼルトの他にエルフの年の姿があったことに不思議そうに名を呼んだ。

「せ、聖様」

「何故シャルナ様がここに?」

リシェルが不思議そうに尋ねれば

「あー、うん。暇だったから話相手をしてくれてたんだ」

と、ロゼルトが答える。

その言葉にリシェルは嬉しそうな表になり

「ありがとうございます!シャルナ様」

言って微笑んだ。

その姿を見てシャルナと呼ばれた青年はバツが悪そうな顔をしリシェルに挨拶をした後部屋から去っていく。

「ここはいい所でよかったな」

ロゼルトが言えば、リシェルはちょこんとロゼルトの橫に座り。

「はいっ!とても楽しいです」

と、微笑むのだった。

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