《【書籍化&コミカライズ】偽聖げられた公爵令嬢は二度目の人生は復讐に生きる【本編完結】》52話 聖の継承

「リシェルおめでとう!」

の儀式を終え、エルフの神殿からでると笑顔でロゼルトが出迎えてくれた。

年だったロゼルトも14歳となり、いまではすっかり青年へと長していた。

「ありがとうございます!」

言って待っていたロゼルトに抱きつく。

外で待っていたシークもジャミルも口々におめでとうの言葉をかけてくれる。

「よくやったな。リシェル」

ロゼルトに抱きついたリシェルにグエンも微笑んだ。

「……はい。ありがとうございます」

の力がしいなどと思った事は今まではなかった。

けれど今は違う。

ロゼルトを救うためには、聖の力という未知の力に頼るしかない。

になれれば神書が読める。

そうエルフの古文書には書いてあった。

になれば初代聖が殘した神書を読むことができると。

言われた通りリシェルの手の中には神書がある。

ロゼルトを救う手段を見つけると意気込んでからもう4年が経過してしまった。

毎日毎日寢る間もおしみ、エルフや神達にも手伝ってもらって調べてはいるが、いまだ手掛かりすら見つけられないでいる。

だから――この神書にかけるしかない。

大事そうに神書を抱きしめたリシェルを見てロゼルトはし寂しげに微笑んだ。

「ロゼルト?」

「あ、いや。

このためにリシェルはいろいろ苦労したんだなと思うとな」

言ってロゼルトがリシェルの頭をでる。

「……ありがとう。ロゼルト」

言ってリシェルは微笑んだ。

そのに一抹の不安をかかえながら。

■□■

「エクシス様。

もう時間がないのでしょうか?」

ロゼルトやグエンを見送り、まだエルフの里に殘ったエクシスにリシェルは尋ねた。

あれからロゼルトやグエンは何日か滯在したあと、仕事があると戻っていったのだ。

ジャミルとシークには食事に行ってもらっている。

二人とも何かを察したようだが何も聞かずそのままエルフたちのところへと行ってくれた。

「……。

申し訳ありません。

當初の予定では人まで待つ予定でしたが……。

ロゼルト様は自分が主導権を握っているよりグエン様に権力を移行して早めに第二王子にその地位を明け渡す計畫をたてているようです」

と、エクシス。

確かに。

王家の筋のロゼルトが主導権を握っていれば、第二王子への権力を移行するときにロゼルトの方がいいとむ者も出てきてしまうだろう。

グエンがいるのなら……グエンに主導権を明け渡し、はやめに第二王子を神輿にかつぎあげた方がいい。

神輿は二つもいらないのだ。

それでも。

「エクシス様。

「神の使徒」に絶対にロゼルトを業火の炎に行かせないように見張らせてください。

私はこの神書に何か手掛かりがないか調べます。

他の神達には引き続きエルフの古書で魔族の契約について調べさせてください」

「はい。かしこまりました」

エクシスに頷くとリシェルもまた神書を開く。

最近になってランディリウム王國にはマリアが現れ王子と婚約している。

本來の歴史ではマリアが歴史の表舞臺にでてきたのはリシェルが16歳の時だった。

それよりもずっとはやい。

もしかしたら――マリアも逆行前の記憶を所持しているかもしれない。

いま、エクシスの手の者がそれとなく探っている。そのうち結果が出るだろう。

もし記憶を所持しているなら、リシェルを無理矢理王子の婚約者にして城に召し抱えようとする可能もある。

マリアはリシェルの聖の力がから手が出るほどほしいはずだ。

もう時間がない。

リシェルが無理矢理召し抱えられそうになれば、ロゼルトは人を待たず計畫を実行するかもしれない。

すでに第二王子も17歳だ。

無理をすれば神を継げる年齢なのだ。

はやく……はやく魔族に対抗する手段を見つけないと。

リシェルは神書を読み始めるのだった。

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