「お嬢様は稀代の詐欺師だよな」

聖めぇぇぇおぼえぇぇぇてろぉぉぉぉぉとけない悲鳴をあげて再び神に吸い込まれていく魔族を見つめ……ジャミルがぼやいた。

自分もリシェルに騙されたとして、なんとなく魔族側の気持ちもわからなくない。

「ええ、まさか……、魂をれ替えて、ガルシャ王子の方の魂を捧げるとは」

そう。契約書に書かれていたのはで契約したその『に宿る魂』だった。

それを利用したのだ。

ガルシゃ王子とロゼルトの魂を契約立前にれ替えたのである。

で契約したロゼルトのにはガルシャ王子の魂がっていたのだ。

何故。それが可能だったか。

それこそが初代聖ソニアが邪神を倒せた理由。

聖だけが魂をれ替える事ができるを使えたからだ。

で邪神と蟲の魂をれ替えて……ハエたたきで邪神を倒したのである。

蟲の方はというと、魂がの魔力に耐えられずあえなく昇天してしまった。

あの過去の映像を見てリシェルはその真実にたどりついたのだ。

ちなみに。

魔族側がっていた神の報は他の文獻と整合がとれてなく噓っぽいとリシェルにあっさり卻下され、エクシスに怪しいと見破られていた。

「……何が一どうなってるんだ」

ぽりぽりと頭をかきながら第一王子ガルシャのにはいったロゼルトが立ち上がる。

エクシスが回復魔法をかけたので刺された箇所も多痛むが命にかかわる程の事でもない。

グエンと今後について會議をしていた所にいきなり『神の使徒』に拉致されて、気を失い、気づいたらこの狀況なのである。

「ロゼルト！！！！」

嬉しそうにリシェルがび。

そのままロゼルトに背を向けて全速力でグエンの後ろに隠れる。

「……って！？なぜ隠れる！？」

「……その抱きつきたいのですが、が第一王子なので……」

と、グエンの背に隠れながら言うリシェル。

リシェルに言われ、ロゼルトは手をみるが……確かに自分ではないような気がする。

というか、王宮に『神の使徒』やらエルフの騎士やら竜人やら揃ってる狀況に意味がわからず

「ちょ！？これ一どういうことなんだよ。

意味がわからん説明してくれ」

ロゼルトがぶのだった。

■□■

「じゃあ何か。

契約を逆手にとって魂をれ替えてガルシャの方の魂を捧げたってことか」

ロゼルトが呆れ顔で聞けば

「はい。ただロゼルトに話してしまうと魔族に筒抜けになってしまうので緒にさせていただきました」

と、しーっと指で仕草をする。

「……つーか、魂れ替えなんてできるのか？

神話でもそんな話聞いたことがないぞ」

「それが聖ソニアだけができたからこそ。

神ですら倒せなかった邪神を聖が倒せたのです」

言ってリシェルが微笑む。

「……なるほど！そういうことか！

なんつーか。流石リシェルだな。

うん。よくやった」

と、ロゼルトがでようとすれば

リシェルが全力でグエンの後ろにワープした。

「……」

「………」

「とりあえず……元のに戻ろうか」

「はい。そうですね！」

嬉しそうにリシェルが微笑むのだった。

■□■

「それにしても、本當に大丈夫ですか？

刺されるのはかなり痛いはずです」

あれから場所を移し、今は王都にあるラムディティア領の別荘にきている。

そこにはガルシャ王子のにはいったロゼルトと、縄で縛られた狀態のロゼルトのがある。

ちなみにガルシャの魂は魔族に吸われ死ぬことのない永遠の苦しみを味わっていることだろう。

マリアの方はといえばエクシスが凄い笑顔で連れていった。

今この場にいるのは『神の使徒』數人とエルフ達。

そしてグエン、ジャミル、シークとロゼルトとリシェルである。

「まぁしゃあないだろう。

リシェルに逃げられるこのじゃ、せっかく生き殘れたのに意味がない」

ポリポリロゼルトが頭をかけば

「……そ、そう言ってもらえると嬉しいです」

と、リシェルも顔が赤くなる。

その手には聖なる短剣が握られていた。

この短剣でを刺さないことには転魂ができないのだ。

リシェル達の後ろには回復の得意なエルフが控えていた。

「私もロゼルトとまた共に歩みたいです」

と、上目使いで顔を真っ赤にしながら言うリシェルが可くて

「リシェル！」

ロゼルトが抱きつこうとすれば

「はい！それじゃあ行きます！！！」

何か勘違いしたリシェルが全力で刺してくる。

「げふっ！！！」

「頑張ってください！ロゼルト！！！」

不意打ちで思いっきりを吹き出すロゼルトと真面目に転魂をはかるリシェルを見つめながら。

「油斷させて刺すとかなかなかマニアックなプレイだな」

と、ジャミルが想をらし

「貴方はし黙っててください」

と、シークに突っ込まれるのだった。

次のエピローグで完結です！