《【書籍化】厳つい顔で兇悪騎士団長と恐れられる公爵様の最後の婚活相手は社界の幻の花でした》一安心
陛下とリラはダンス中ずっと何かを話していた。陛下はずっと楽しそうに話しているようだが、リラは陛下に対して人見知りしないのだろうか?リラは俯き加減になっているから表が見えない。
陛下になら安心して任せられると思ったのに、一ふたりで何を話しているのかと思うと、チリチリとの中央が痛んだ気がする。
リラと陛下のダンスが終わるや否や、待ってましたとばかりに貴族令息がリラを取り囲み、あっという間にリラが見えなくなる。長な陛下の頭は見えるので、あそこにリラがいる筈だと辛うじて分かるくらいだった。
頭のどこかで「これは凄い。子ウサギ1匹に集団で群がる狼の様だな」と考えてしまう。
それに、もしもいつもこのような狀態になるのなら、俺が過去に何故かリラの顔を見た覚えがなかったのも納得だ。華奢なリラがこれだけの男に囲まれて、更にリラが俯き加減になっていたとしたら、護衛の時に一段高い場所から會場を見ていても顔が見えない。恐らく『誰か知らないがあの塊は凄いな』とでも思っていたのだろう。
ザワッとどよめきが起こった音で我にかえり、そんなこと考えている場合ではなかったと、一歩前に踏み出すとの中心からザっと人が割れた。
陛下が見るからに上機嫌でエスコートしながら、リラを俺の元まで連れて來てくれたのだ。
流石にダンスを終えても陛下が離さない令嬢を一貴族が無理矢理橫取りすることはできない。
狼の群れから姫を守るようにエスコートしている陛下と王子様に守られているリラが目の前までやって來た。絵になる2人を間近に見て、再びチリチリとが痛む気がしたが、陛下のおかげでリラは無事に俺の元に戻ってきた。
陛下はそんな事はしないと思うが、囲まれた時に『踴っておいで』とリラを手放されでもしたらと思うと……無事に戻って來てくれたことにほっとする。
陛下がリラを離さないからか、ダンスのチャンスを潰されたからか何故かこちらを睨んでくる令息もいる。
理由は分からないが俺を睨むとはなかなかに気の強い奴だ。まだ若そうだし、騎士団にスカウトしたらってくれないだろうか。目が合えば逸らす程度の小心者だから無理か。
リラは俺の顔を認めてあからさまにほっとした顔をした。
そのことがとても嬉しく、心に染みる。チリチリと焼け焦げるようにじていたの痛みが一瞬で消えた気がした。
「みんなにちゃんとリラ嬢はヴァレリオのものだって宣言しておいたよ」
陛下がリラを俺のところまで送り屆けてくれたと思ったら、ニヤニヤしながらそんなことを言う。
「それは………お手數をお掛け致しました」
「みんなの反応が面白かったから良いよ」
(でしょうね。皆のその顔が見たくてわざと周りにいったのがバレバレだけど。おかげで陛下も公認だと周知されることとなったのはありがたい。もしかしてそれでさっき睨まれたのか?)
リラが顔を赤くしながら俺の側に來て、腕に手を添えてきた。
何でそんなに顔が赤いのだろう?と気になったが、きゅっと服を摘む指先も、半歩後ろに下がって俺の後ろに隠れるようにして寄り添う仕草も、可い。縋るように俺の腕に巻きついてリラが腕におでこをくっつけてくるのが可すぎて參る。
リラの顔が赤いことが気になっていたのも忘れてしまう程の可い仕草だ。
「幸せそうな顔しちゃって。いいなー」
「……陛下といえども絶対に譲りませんよ」
「違う違う。そんな可いらしく頼ってくれる嫁なら俺もそろそろ結婚しても良いかと思っただけ」
「それは、アントニオが張り切りそうですね」
「あいつに知られたら、間違いなく明日には釣書を持って來る。既に厳選に厳選を重ねた候補が絞られてて、きっと『この3人の中からお選びください』とか言われるんだ。怖い」
「迂闊な事は言えませんね」
「うん。選択肢があればいい方だよ。やっぱりまだ結婚したくない」
その後はずっとリラから離れずにいたら、アントニオとマルコがそれぞれの夫人を伴ってやってきた。
「先ほどはどうも。こちらは妻のマーガレット」
「やあ。初めまして!陛下の近侍をしているマルコ・ゼレールです。それと僕の妻のアリッサだよ。アリッサとも仲良くしてくれると嬉しいな」
「初めまして。リラ・サランジェでございます」
マーガレットとアリッサがリラを囲むように一歩前に出る。
「わたくし、リラ様とお話がしたいと思っておりましたの」
「私もです。夫同士が馴染なんですもの、私たちも仲良くしましょうね!」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いします」
先程のミュラー伯爵が來た時の態度を見て人見知りは大丈夫かと心配したが、両夫人と笑顔で話をしている様子を見ると問題なさそうだ。
同の場合はそれほど人見知りしないのだろうか?
マーガレットは心の優しい娘だが、公爵令嬢だったから凜とした隙のない佇まいがについてるし、きつめの顔をしているから、初対面では誤解されやすいというかな悩みを持っている。その誤解されやすい事を本人は結構気にしている。
程度は全然違うけど俺と同じ悩みだからマーガレットの悩みはよく理解できる。マーガレットとは馴染だから、昔は外見で誤解される事を良くふたりで話をした。
でも、リラはすんなりとけれているようだ。本當に人を見る目があるのかもしれない。
そんなことを考えて心していると、スススー…と靜かにマルコが隣に移してきて聲を潛めて話しかけてきた。
「(なぁ。ほんとに人だな!)」
「は?」
「(俺、初めてこんなに近くで見たけど他のと次元が全然違うな!)」
「(おい。アリッサに聞かれたら怒られるぞ)」
ふたりでそっと陣に視線を送ってみると、すでに聞こえていたようでアリッサにもマーガレットにもジトっと睨め付けられていた。
「ア、アリッサ!これはその、そういうことじゃなくて!ね?違うんだって分かるよね?」
「こんなに綺麗なリラ様を前にしたら同の私でも見惚れてしまいますから?貴方様のお気持ちもわかりますけど?」
「でしょ!?分かるよね!?あ、貴方様なんて他人行儀に呼ばないでさ、いつも通りに呼んでよ。ね?」
「それとこれとは別です!」
「あぁっ、ごめん!アリッサ!」
アントニオがマルコを冷めた目で見る中、マーガレットとリラはクスクスと楽しそうに笑っていた。
意外と仲良くなれそうな雰囲気なので安心した。2人がリラの友達になってくれたら心強い。
良かったと陣3人の様子を見ているとアントニオに「ヴァレリオはそんな優しげな表もできるんだな。怖さが半減……とまでは行かないが」と心したように言われた。
確かにリラのことを思うと優しくなれる気がするし、勝手に表筋が緩んでしまって意識しないと引き締められない。
勝手にやに下がった顔になってしまい、副から『どうしました!?』と心配されたから、最近では仕事中は努めてリラのことを考えないようにしているくらいだ。
その後、新しいドレス3著購――靴やアクセサリーの付屬品含む――の約束で機嫌を直したアリッサと、完全にアリッサのに敷かれているマルコ夫婦を中心に話の花が咲き、楽しい時間を過ごせた。
人見知りを心配していたリラもマーガレットとアリッサは全く問題なかったようで、後日お茶會をしようと約束までしたらしい。
ちなみに、後になって『遠くから羨ましそうに陛下がこちらを見ていた』とアントニオが言っていたが、それには気が付かなかった。気付いていたのに無視するアントニオよ……。
この夜會をきっかけに俺とリラの婚約と間もなくの結婚が社界に一斉に広まった。
陛下が発言された事でリラに求婚してくる者はいなくなるだろうと思うと一安心だ。
【WEB版】王都の外れの錬金術師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~【書籍化、コミカライズ】
【カドカワBOOKS様から4巻まで発売中。コミックスは2巻まで発売中です】 私はデイジー・フォン・プレスラリア。優秀な魔導師を輩出する子爵家生まれなのに、家族の中で唯一、不遇職とされる「錬金術師」の職業を與えられてしまった。 こうなったら、コツコツ勉強して立派に錬金術師として獨り立ちしてみせましょう! そう決心した五歳の少女が、試行錯誤して作りはじめたポーションは、密かに持っていた【鑑定】スキルのおかげで、不遇どころか、他にはない高品質なものに仕上がるのだった……! 薬草栽培したり、研究に耽ったり、採取をしに行ったり、お店を開いたり。 色んな人(人以外も)に助けられながら、ひとりの錬金術師がのんびりたまに激しく生きていく物語です。 【追記】タイトル通り、アトリエも開店しました!広い世界にも飛び出します!新たな仲間も加わって、ますます盛り上がっていきます!応援よろしくお願いします! ✳︎本編完結済み✳︎ © 2020 yocco ※無斷転載・無斷翻訳を禁止します。 The author, yocco, reserves all rights, both national and international. The translation, publication or distribution of any work or partial work is expressly prohibited without the written consent of the author.
8 119《書籍化&コミカライズ》神を【神様ガチャ】で生み出し放題 ~実家を追放されたので、領主として気ままに辺境スローライフします~
KADOKAWAの『電撃の新文蕓』より書籍化されました。2巻が2022年5月17日に刊行予定です!コミカライズも決定しました。 この世界では、18歳になると誰もが創造神から【スキル】を與えられる。 僕は王宮テイマー、オースティン伯爵家の次期當主として期待されていた。だが、與えられたのは【神様ガチャ】という100萬ゴールドを課金しないとモンスターを召喚できない外れスキルだった。 「アルト、お前のような外れスキル持ちのクズは、我が家には必要ない。追放だ!」 「ヒャッハー! オレっちのスキル【ドラゴン・テイマー】の方が、よっぽど跡取りにふさわしいぜ」 僕は父さんと弟に口汚く罵られて、辺境の土地に追放された。 僕は全財産をかけてガチャを回したが、召喚されたのは、女神だと名乗る殘念な美少女ルディアだった。 最初はがっかりした僕だったが、ルディアは農作物を豊かに実らせる豊穣の力を持っていた。 さらに、ルディアから毎日與えられるログインボーナスで、僕は神々や神獣を召喚することができた。彼らの力を継承して、僕は次々に神がかったスキルを獲得する。 そして、辺境を王都よりも豊かな世界一の領地へと発展させていく。 ◇ 一方でアルトを追放したオースティン伯爵家には破滅が待ち受けていた。 アルトを追放したことで、王宮のモンスターたちが管理できなくなって、王家からの信頼はガタ落ち。 アルトの弟はドラゴンのテイムに失敗。冒険者ギルドとも揉め事を起こして社會的信用を失っていく…… やがては王宮のモンスターが暴れ出して、大慘事を起こすのだった。 舊タイトル「神を【神様ガチャ】で生み出し放題~「魔物の召喚もできない無能は辺境でも開拓してろ!」と実家を追放されたので、領主として気ままに辺境スローライフします。え、僕にひれ伏しているキミらは神様だったのか?」 第3章完結! 最高順位:日間ハイファンタジー2位 週間ハイファンタジー3位 月間ハイファンタジー5位
8 105オバケYouTuber
會社をクビになった晴太郎が、生活の為に家賃の安い物件を探していると、1年間タダ!それ以降は2萬と言う、格安賃貸物件をネットで見つける。その物件には告知事項があり、若い女性が変死した訳あり物件だった。幽霊を信じていないし、怖いと思わない晴太郎は、訳あり物件に引っ越しするのだか、信じられない様な心霊現象が次々と起きて、、、
8 96ダンジョン潛って1000年、LVの限界を越えちゃいました
世界樹ユグドラシルの加護により、13歳で肉體の壽命が無くなってしまった変異型エルフの少年‘‘キリガ,,は、自由を求め最難関と言われるダンジョン、『ミスクリア』に挑む。 彼はそこで死闘を繰り返し、気が付くと神が決めたLVの限界を越えていたーーーー もう千年か……よし、地上に戻ろっかな!
8 142スキルが転職と転生?最強じゃないか
これはとある世界から召喚された主人公の物語 主人公の翔は転職と転生というスキルを手に入れたが…? 翔はこのスキルを使い、最強に駆け上がる!
8 167魅力1000萬で萬能師な俺の異世界街巡り〜
毎日毎日朝起きて學校に行って授業を受けて、家に帰って寢るという、退屈な學校生活を送っていた黒鐘翼。 何か面白いことでもないかと思っていると、突然教室の中心が光り出し異世界転移をされてしまった。 魔法の適性を見てみると、全ての魔法の適性があり、 中でも、回復魔法の適性が測定不能なほど高く、魅力が1000萬だった。さらに職業が萬能師という伝説の職業で、これはまずいと隠蔽スキルで隠そうとするも王女にバレてしまい、ぜひ邪神を倒して欲しいと頼まれてしまった。が、それを斷り、俺は自由に生きるといって個別で邪神を倒すことにした黒鐘翼。 さて、彼はこの世界でこれからどうやって生きていくのでしょうか。 これは、そんな彼の旅路を綴った物語である。 駄文クソ設定矛盾等ございましたら、教えていただけると幸いです。 こんなクソ小説見てやるよという方も、見たくもないと思っている方もいいねとフォローお願いします。
8 145