《無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第29話 、魔族領に帰る
フォルトナー王國の新王都と、國土の周りに壁を築き上げた。
まだ、大外周壁の砦は建設中だけれど、前の王國が簡単に攻め込んでも來られないくらいには、ひとまずの、防制は取れたのだろう。
道も、難所となるであろう箇所については、対処が済んだ。あとは、國から賃金を支給し、仕事にあぶれている者達のための公共事業とすれば良い。
前宰相閣下も、フォルトナー王國の宰相を擔うことに同意してくださって、お父様と、重臣の任命や稅率をはじめ、王國としてまとめるべき事柄の會議に忙しくしていた。
アベルお兄様は、軍務卿や騎士団長が決まるまで、王太子兼王國軍のまとめ役として、既存のメンバーに新しく希者が加わった新しい騎士団の取りまとめに駆け回っている。
そして、テイムされた飛竜達の飼い慣らしと、飛竜隊の結に向けて、力的に働いている。
カインお兄様も、同じく、魔導士団の新規団希者の、適正判別やその人となりの調査、諸々で忙しくしていた。
「わたしは、ひまね」
自室でそんなことを呟いた私の口の中に、甘い菓子が押しつけられた。
「はい、あーん」
マーリンが、私の口に、甘い小粒のチョコレートを押し付けたのだ。
それを、はむっと頬張る。
口腔の熱でとろけるそれは甘く、至福の甘みだ。
顔が緩んでしまう。
「そうじゃなくて!」
私は、児の手で、たん!とテーブルを叩く。
「おや。これは違いましたか、では……」
今度は、一口大のフィナンシェを口に運ばれる。
「あーん」
はむ。もぐもぐ。
ーーそうじゃない!
「ちがうでしゅ!」
もう一度、テーブルをたん! とする。
「お暇なときは、その時間をすべきだと思いますよ?」
マーリンが、私を宥めるように諭す。
「でも、やるべきことが、おわったら、わたちは、かえるでしょ?」
そう、私は、あくまで魔王陛下の溫で実家に滯在を許されている。こちらが落ち著けば、本當は魔族領に帰るべきなのだ。
向こうでの肩書きが私にはあるのだから。
「そうですね。陛下も、待っていらっしゃるかもしれません。一度、魔族領にお戻りになったらよろしいのでは?」
マーリンがそう提案する。
「そうね。……あ!」
私には、まだこの國に懸念があったのだ。それを思い出して、聲を上げた。
「さいやく、は?」
そう、『災厄』。この地を定期的に襲う、大量の魔による襲撃時期のことだ。
このフォルトナー辺境領は、そのために辺境領とされ、お父様のお祖父様の代から、その『災厄』から、國を守ってきたのだ。
ある意味、あれのために、フォルトナー家はこの地に縛り付けられてきたと言ってもいい。
「あれは、確か月の影が日を喰らう日食の時期に、毎回起こりますね。確か、マスターの家には専屬の天文師がいて、それで時期を把握されているんですよね」
マーリンが、まるで『災厄』について、おさらいをするかのように説明してくれる。
「國の端にある深い谷底の大きな亀裂から、魔がとにかく大量に湧いて出る」
普段からその辺りには魔が徘徊しているので、警備はしているのだけれど、日食の日になると、亀裂から禍々しい黒い影が溢れ出てきて、それに呼応するように、魔達が大発生するのだ。
それに対応するのに、毎回どれだけの命を賭す労力をかけてきたことか。
ーー化したと言っても、そこまで忘れていないわよ?
「つき、たいよう……」
確か、まだ、その時期には達していない。
「そういえば、人では知り得ない、その事象も、もしかしたら、古き種族である魔族であれば、報があるかもしれませんね」
確かにそうだ。
私がまだ、勇者一行のメンバーに選抜されていなかった頃、実家の書では埒があかなかったので、王都の図書館にも赴いて、何か報がないかを調べまくった時期があったのだ。
だが、その報は、封じられた場所にあるのか、すでに失したのか。
人の世界では見つからなかったのだ。
「しょうね。へーかに、きょか、もらってみましゅ」
古い種族である魔族、そして、教會という圧力のない場所になら、なぜ災厄が起こるのかの理由がわかるかもしれない。
私は、魔族領にみをかけることにした。
だから、名殘を惜しむお父様や兄様達を後に殘し、私はニーズヘッグに乗って、魔族領に帰ることにした。
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