《無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第35話 狂信者、く
ところ変わって、ここはノートン王國の教會の地下にある、祈りの間。
そこに、険しい表をした樞機卿と國王が二人で話をしていた。
「……全く忌々しい。陛下! あの異端者は、奴らを封じた辺境の地を起點に、この大陸の面積の大半を占める王國を築き上げております」
彼は宗教家の纏うローブを膝辺りで握りしめ、それが強く皺になっている。
そして、握りしめる拳は怒りによって小刻みに震えている。
「樞機卿よ、其方の怒りはもっともだ。私とて、彼奴めには領土の大半を奪われ、攻めようにも兵士はなく、挙げ句の果てに、國の境を覆うようにあっという間に堅固な壁を作られたわ!」
忌々しげに言い捨てるノートン國王。
「……陛下、一つ奴らを懲らしめる方法がございます」
その言葉に、二人が揃って顔を上げ、にたりと笑う。
「……その方法、教えよ」
國王が尋ねると、「こちらへ」と言いながら、祈りの間の中央に刻まれた魔法陣の上に案する。
「……これは?」
國王が、足元の、石の床に緻に彫って刻まれた魔法陣を見下ろす。
「我らの神ガイアス様にお力を捧げるための魔法陣です。その昔、このように祈りを捧げ、我らガイアス教は『日食』という現象を生み出したのです。ですから、また、刻まれた陣全てに、信者のが捧げられれば……」
そう言って、樞機卿はニヤリと笑うと、懐から豪奢飾りの施されたナイフを取り出して、鞘を投げ捨てる。
「……そして」
ザシュッ!
と勢いよくナイフを握る腕の反対の腕を深く切り裂く。それは、脈も傷つけ、大量のが、彼の足元の魔法陣に注がれていく。
「おお……! 樞機卿、我がを投じて、信仰に殉じるか!」
國王は、極まったように目を見開き、樞機卿を正面から見據え、両肩を摑む。
しかし、その國王自のにも衝撃が走る。
ドン!
「……?」
一瞬我がに起こったことを理解できず、瞬きをする國王。
「……あなた自こそ、この國の、國教の長として、殉教者とならなければ」
樞機卿がニタリと笑う。
「あ、あ、あ……」
樞機卿ので濡れたナイフは持ち替えられ、國王自の心臓を貫いていた。
そして、そのナイフは容赦なく引き抜かれ、大量のが溢れ出る。
國王はその大量の失による衝撃で、聲もなく、その場に倒れ込んだ。
そして、樞機卿自も、自らの心臓に刃を突き刺し、引き抜く。
樞機卿は、濡れの手で、邪悪な祈りを込めて信奉する神、ガイアスの名を床に書く。
「神よ。月の神ガイアス神よ。今こそ、あの忌々しい太の封印を解き、彼の地に災いをもたらさん……!」
魔法陣には、狂信者二人のがじわじわと染み込み、白い魔法陣が、赤い魔法陣へと変わっていくのだった。
◆
その頃、フォルトナー王國の災いの谷では、まだ日食が起こる季節でもないこともあって、調査をしようということになった。
今まで何も調査をしていなかったのも不思議なものだが、教會からの強い圧力があって、立ちることは葉わなかったからだ。
メンバーは、私、カイン兄様、マーリン、パズス、フェルマー、弓使いのエルサリオン、魔師のアグラレス、メイス使いの戦士ガレスだ。
私は、パズスに抱っこされている。
お父様とアベル兄様も行くと言っていたけれど、悪魔が封印されているという危険な場所に、現國王と王太子が行くのは、國を維持する観點から言って、適切ではないという結論に至ったのだ。
二人は、武闘派脳筋だから、一緒に行けないことを歯噛みしていた。
いつも一定數湧いている魔は、マーリンとアグラレスが魔法で焼き、エルサリオンが世界樹の幹から作ったとされる伝説の聖なる弓矢で抜いていく。
そうやって、私達は護衛の英霊達に排除してもらいながら、災いの谷の中にある大きな窟に到著し、その中にっていった。
のも差さずひどく暗いので、フェルマーが魔法でカンテラがわりのの玉を手のひらに浮かべて、あたりを照らしてくれた。
その窟の奧深くまで到達すると、先頭を歩いていたパズスが足を止める。
「ここだ。古の英雄が、悪魔を封印した地」
そこには、お腹の中心を剣で貫かれた巨大な悪魔が、円と五芒星のに押さえつけられながら眠っていた。
獣のような頭とツノを持ち、大きな羽が背に生えている。
人間とも、獣とも、亜人とも、そのどれとも違う、異様な存在だった。
「こわい……」
私は、思わず、抱いてくれているパズスにしがみ付く。
そんなパズスは、私を落ち著かせようと、両手で包み込むように抱きしめてくれた。
「……これが、この地に封じられていたもの。我々がここに封じられていた理由……」
カイン兄様は慨深そうに呟いた。
「ねえ、パズス、あれは?」
私は、悪魔のに刺さっている剣に目が行った。
綺麗な真紅の寶石が柄の先端に飾られた、裝飾も金で施された神々しい剣だ。
「あれが、日の神の剣です。あれが、悪魔を封じているのだ」
パズスがそう、教えてくれた。
なぜだろう。私は、その剣の柄に飾られた赤い石に魅られたように、じっと目を逸らせないでいた。
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