《無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第73話 、調査任務に向かう
私たちは、地面に倒れ込んでしまった男の犬獣人さんに駆け寄って聲をかける。
「……これ、ベルゼブブ様の配下の子が言っていたとおり、同じ癥狀ですね」
マーリンが、うつ伏せに倒れ込んでしまった獣人さんを仰向けにする。
すると、彼のがなくが出している部分が、勇者にやられたというベルゼブブの配下の子と同じをしていたのだ。
そのことを、マーリンとフェルマーが即座に見てとって、解毒と解呪のために、それぞれ手をかざす。
「解毒(アンチドーテ)」
「解呪(ディスペル)」
すると、みるみるうちに犬獣人さんのは良くなって、うっすらと目を開けた。
「……あれ。調子がいい……? が、く……」
まだ病み上がりだからなのか、掠れた聲で呟くと、ぼんやりとあたりを見回し、私達に気がついて視線を止める。
「あなた方は……?」
「魔王陛下から、この雙子の村での異変を解消せよと仰せつかってきたんですよ。こちらが、四天王のリリス様ですよ」
「リリス、様……」
マーリンの説明に、犬獣人さんの視線が私の方へ向く。
「だいじょうぶ? まだ、からだ、わりゅいひと、いりゅ?」
地面に仰向けに寢かされている彼と目線を合わせるために、私はししゃがんで話しかける。
すると、犬獣人さんは私に縋るように、片手で私の腕を握り締める。
「お願いです! 犬も貓も……。どちらも、みんなこの病にやられてしまって……! 助けてください、リリス様! まだ死者が出ていないうちになんとか……!」
絞り出すような聲で懇願された。
死者がまだ出ていないというのは、不幸中の幸いだ。
「マーリン、フェルマー! いしょいで、ぜんぶのうち、まわりゅわ!」
「「はい!」」
私の命令に、マーリンとフェルマーが真剣な面持ちで返事をする。
「しょして、サモン、せんし、ガレス!」
私は、メイス使いの英霊(エインヘリヤル)を追加で喚んだ。
「……ご命令を、マスター」
「うん、かれを、ねどこまで、はこんでくだしゃい」
「承知」
そう。解呪と解毒ができたとはいえ、まだは弱っているだろうし、自分でくのはまだ早い。そして、犬獣人の彼はなかなか格が良かったのだ。だから、マーリンではなく、ガレスが適任だと思った。
そうして、私とマーリン、フェルマー、ガレスで、くまなく二つの村の家々を回って、癒していった。
せっかく間に合ったのに、のんびりしていて死者が出ては目も當てられない。
私たちはその日のうちに、回復だけはして回った。
「さてと。回復は終わりましたね」
全ての家を回り終え、マーリンがホッとしたように表を緩める。
「でも、原因がわからないと、また病気になっちゃいますよねえ……」
フェルマーは、原因がわからず、眉間に皺を寄せて考え込んでいる。
「……村全部が、となると、大水だ」
ガレスが、ボソリと呟いた。彼の生前に経験でもあったのだろうか?
「ガレス殿の意見はごもっとも。流行病といえば、染源が水のことは多いですな」
マーリンが、なるほどといった様子で、「早速村人に……」と言って、治療の済んだ家に再び尋ねに行く。
しばらくして、マーリンが戻ってきた。
「どうも、どちらの村も村と村の間を流れる川から水を汲んで生活しているようです。そして、もう一つ、原因と思わしき報を得たのですが……」
マーリン曰く、この村々の近くの水源地でもある山に、村の守護獣である大型の狼が住んでいるらしい。
そして、その噂を聞きつけた勇者が、やめてくれと懇願しても聞かずに、討伐をすると言って山にっていったのだという。
「……あやしいですね」
「あやしいわ」
フェルマーと私が呟き、ガレスが黙って頷く。
だって、村人達の癥狀は、勇者にやられたベルゼブブの眷屬の子と同じ。
とすると、原因は勇者であり、水源近くにいる守護獣に何かやらかしたか、水源を侵したかのどちらかじゃないかと思うでしょう?
村と村の真ん中を流れる小川を、上流へと目で追っていくと、確かにちょっとした鬱蒼とした山があった。
そして、普段からお供えか何かで通う人がいるのだろうか? と思わせる、自然にできた整地されていない細い山道があった。
村人達を全員見て回って、日は真晝を過ぎて傾きかけている。
今から山にるとなると、普通は考えものなのだけれど……。
「守護獣に、もたもたしている間に何かあったら大変ですからね」
マーリンが言う。
結局、村人達には、小川の水を飲まないように注意した上で、大きな瓶を水魔法で出した純水で満たし、これを飲むよう言いつけた。
そして、私たちは山道を進むことにしたのだ。
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