《無雙 ~仲間に裏切られた召喚師、魔族のになって【英霊召喚】で溺スローライフを送る【書籍化&コミカライズ】》第74話 、狼と出會う
私達は早速山道を登っていく。まあ、私の場合は、正確には運(・)ば(・)れ(・)て(・)い(・)る(・)、が正しいのだけれど。
「夜になってしまうと、獣や魔獣の活が活発になりますから、早めに見つけたいですね……」
マーリンがそう言うと、皆で頷いた。
無駄な殺生はしたくない。
私達は、山道と、その付近から聞こえる川や小さな滝の水音を頼りに、鬱蒼とした木々の間をっていく。
英霊(エインヘリヤル)の三人には、かなり早足(?)で飛んでもらって、水源地を探す。
小さな滝を上がっていくと、急に傾斜がなくなり、臺地のように割と広めな平らな場所に出た。
さらにその上流へと探索を進める。
「……水が、かなり汚染されていますね。村よりも濃い。……そろそろですかね」
見た目にはまだ普通の明な水なのだけれど、マーリンとフェルマーは、流れる水に含まれる呪詛と毒をじるのだという。
それを頼りに、さらに木々の合間をって、原因を探す。
すると、ぱあっと視界が開けて、池が広がっている。そして、その先には川は続いていなかった。
「とすると、この池が湧水により出來ていて、川となって下っていっていると考えるのが良さそうなのかしら?」
フェルマーが、この辺りの水の流れを見て、分析していた。
「……何か、いますね」
そんな中、マーリンが指差しして指摘する。その先には、池で水を飲むと言うよりは、倒れ込んでいるように見える、大きな獣のような影があった。
私達は警戒しながら、その獣に近づいていく。
だが、こちらに向かって近づくなと唸る様子もないし、逃げる様子もなかった。
なので、さらに私達はさらにそばに寄る。
すると、その獣は、大人の長の二倍はあろうかという大きな狼だった。本來銀がかってしかったたであろうには、どす黒いがこびりついていた。
そして、部から腹部にかけて斜めに大きな斬り深い傷を負っていた。
開いた口からは、巨大な牙が見えるものの、の悪い大きな舌をだらりと口外に垂らしている。
呼吸も苦しそうで、口で吸って吐いてをしているが、それで腹がくたびに、ごぽっとが溢れ出て、どす黒い汚れたが池の中に流れていくのだ。
「原因は……これでしょうね」
マーリンがその場にしゃがみ込んで、その狼の狀態を診る。
「毒に、呪詛……」
フェルマーもマーリンの橫にしゃがんで狼を見ると、二人で顔を見合わせて頷いた。
「くるししょう……。かわいそうに……」
私は、なすすべもなく、涙ぐむしかできなかった。
ガレスがそんな私の肩に、そっと手を添えてくれた。
「大丈夫ですよ、マスター。早く治してあげましょうね」
今にも泣き出しそうな私の顔を見て、マーリンが優しく宥めてくれた。
「解呪(ディスペル)」
「解毒(アンチドーテ)。……クリーン、そして、ハイヒール」
マーリンの解呪とフェルマーの解毒で口から覗く舌のはだいぶ良くなった。
そして、フェルマーのハイヒールで傷も臓の損傷から傷口まで綺麗に治っていった。
「だが、……が足りてないな」
ガレスが狼の舌を覗き込んでつぶやく。彼の言うとおり、健康的な赤みをさしているかというと、失ったが多いのか、は悪い。
「しばらく、様子見と自力で狩りができるようになるまでは、面倒を見ないといけませんね……」
「城に連れて帰るか」
マーリンの言葉に、ガレスが賛同する。
「じゃあ、この一帯を浄化しましょう。原因は取り除いたのですから、浄化をすれば、あの村ももう大丈夫でしょう。……浄化(ピュリフィケーション)!」
フェルマーが唱えると、彼を中心として円狀に発する。そして、それはどんどん範囲を広げていって、山の下にある村も含めて、この地一帯を清めたのだった。
そうして、気がつくとすっかり日は傾き、山を照らす日のはオレンジになっていた。
一番腕力のあるガレスが狼を橫抱きに抱き上げて、私達は、この地を去ることを告げに、村に降りていった。
「おお! 守護獣様だ!」
「なんておいたわしい……」
二つの村の中央に著地すると、けるようになった村人達が集まってきた。
「守護獣様がかん……。リリス様、一上で何が……」
村人の一人が、マーリンに抱かれている私に尋ねてきた。
「けんで、きられて、いたの」
私は、倒れていた守護獣の倒れていた痛々しい姿を思い出して、目を伏せる。
「そして、恐らく勇者が手にしているらしい、毒と呪詛を與える剣によるもののようでしてな。彼の汚染されたが、水源を侵していたのだ」
口が上手に回らない私に変わって、細かい説明はマーリンがしてくれた。
「リリス様、皆様! お願いです! 守護獣様を助けてください! この方は、我々の村の守護者です!」
「帰ってきてしいのです!」
「お願いです!」
貓獣人と犬獣人が口々に懇願する。その聲が聞こえたのだろうか、狼の耳がピクリと震え、うっすらと彼が目を開いた。
「……我は……、其方達の元に必ず戻る……不安、がるな」
掠れた聲で、狼が獣人達を宥める。それは、優しく彼らの心に響いてめたようだ。
「リリス、様と言いましたか。……お世話に、なります……」
そう、私に告げると、また、狼は意識を失い、ガレスの腕の中でかくりと首が垂れた。
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