《「もう・・・・働きたくないんです」冒険者なんか辭めてやる。今更、待遇を変えるからとお願いされてもお斷りです。僕はぜーったい働きません。【漫畫1巻+書籍2巻】》1 冒険者を辭めます
昨日、僕は初めて無斷欠勤した。
言い訳するなら、目覚めたら既に晝過ぎで、しかも玄関先の固い床の上だったからだ。よく分からないけど涙がとまらなかったのを思い出す。どうしてあとしベッドまで頑張って歩けなかったのだろうか。僕はなんて駄目な奴なんだ。
月始めの冒険者ギルドの合同ミーティングに間に合わなかった事もあり、そのままボイコットしてしまったのだった。
一晩寢て、朝日を浴びて憂鬱な気分が幾分か楽になったけど気が重い。
また怒られるのだろうか。
冒険者ギルドに行きたくないと重い足を引き摺る。
「おはようございます」
著くなり、付カウンターへギルドカードを提出した。僕は指名依頼が溜まっていて、クエストボードの依頼票を見る必要が無いからだ。
「おはようございます、エクスさん。そういえばギルマスがお話があるそうなのでしお待ちください」
付嬢がバックヤードへと消えていく。
呼ばなくていいのに。
會いたくないのに。
しばらくして、予想通り怒った顔のギルマスが現れた。
「おいっ、欠陥魔法使い。無斷欠勤とはどういう事か説明したまえ。よりにもよって、私が考案した合同ミーティングに出ないとは」
「・・・すみません」
月始めの合同ミーティングは、彼が長い訓示を話すだけなのに、やる気が出るらしく他の冒険者達には人気だった。
「お前の仕事である參加者へ掛けるバフ魔法は、代わりにB級のアリエス嬢にお願いしたから後で禮を言っておくように!冒険者どもは喜んでおったが、そのせいで高くついたわ」
「・・・はい」
ギルマスがニヤニヤと笑うと、目の前に太い腕を突き出してきた。見ると、その手には僕のギルドカードが握られており、ぐぐぐっと力が加えられて僕のカードが変形していく。
rank:E
title:欠陥魔法使い
name:エクス
sex :男
age :19才
data:160cm,45kg
job :魔導師
命題(テーマ) 【効果時間延長(エクステンション)】
犠牲(カルマ) 〈初級魔法しか使えない〉
パキンッ!
冒険者ギルドのカウンターに澄んだ音が響いた。
それは僕のギルドカードを真っ二つに折られた音であり、僕の心が折れた音でもある。
カードを割ったのはニヤニヤと嫌らしく笑うギルマスだ。
「冒険者としての心構えがなってないんじゃないか?罰として1番下のFランクからやり直せ」
rank:Eのカードが取り上げられて破損させられた。
理不盡な降格はこれで3度目。
ついに、1番下まで落ちた。
カウンターをるように渡されたrank:Fのブランクカードを見る。これにを1滴流せば再登録されて使えるようになる。
冒険者として再開出來る。
「・・・・・。」
じっと見つめたまま、一向にかない僕をギルマスはとても不思議な顔で見てきた。
「どうした?さっさとを流せ。お前には遊んでる時間なんてないはずだ。今日も仕事が溜まっているだろう?」
もう、やってられない。
やってられないんだよ。
「僕にはどうやら冒険者は無理だったようです。今までお世話になりました」
そう告げると、ギルマスは酷く揺した顔をした。いつも威厳たっぷりなのに、こんなに狼狽した顔を見るのは初めてかも。
まぁ、いいか。
ぺこりと頭を下げると、それを見ていた元同業者である先輩冒険者達の不愉快な笑い聲が響いた。
「ぎゃっはは。ようやく辭めるのか、欠陥魔法使い。良かった良かった。いやーこれで冒険者のレベルも上がるってもんだわ。初級魔法しか使えないヤツが同じ冒険者だと舐められるからな」
「全くその通りだ。弱者は去るべし」
「お願いだから、元冒険者とかれ回るのは止めてくれよ。格が下がっちまうからな」
「がはは、いい事を言った」
冒険者達が蔑む中、無言で立ち去ろうとした僕に、青ざめた付嬢の悲愴な聲が大きく響いた。
「あのっ!エクスさん。貴方への仕事がまだ殘ってます。こんなにも」
「僕はもう辭めたので・・・」
斷ったら泣きそうな顔で見つめてきた。
ううっ。でも、もう辭めるって決めたし、カードは折られたし。
むしろ僕が泣きたいのに。
昨日は泣いたのに。
もう休ませてください。
僕の苦悩をよそに、背中からやっかみの聲が聞こえてくる。
「ちっ、E級のくせにあいつ指名依頼ばかりで調子に乗りやがって」
「ゴブリンすら倒せないくせにゴマすりだけは上手いんだろうよ」
「味いすすりやがって許せねえよな」
「欠陥野郎が」
分かってない。
みんな分かってないよ。
指名依頼料金は5割増しだから、本來は名譽な事だけど、よく考えて。僕はE級だよ!?D級仕事のゴブリンを狩ったりその辺に生えてる薬草を毟ってるのと大差ない報酬額なのに。もちろん奴隷契約みたいなのは斷りたかったけど、権力者からの依頼らしくどれも斷れないし。
これ以上、誤解で妬まれるのも嫌なので立ち去ろうとしたら付嬢に腕を摑まれた。
「お願いですっ。領主さまと、森林警備隊と、元ギルマスの分だけでも」
付嬢の手が震えている。
僕は甘ちゃんだ。
仕事を辭めたのに斷れないなんて。
僕が斷ると困る人が多いのは見えているので、渋々ながら依頼票をけ取ると、青ざめた付嬢の顔に赤みが戻った。
「・・・・分かりました。それで本當に最後ですよ。その代わりに依頼容と報酬額を大きな聲で言ってください」
條件を付け足したのは、ついでに聞き耳を立ててる冒険者の誤解も解いておこうと思ったから。
「ありがとうございますっ。どうしてもけてくれないと困る指名依頼は3件。領主様から小間使い(魔法修理を含む)。森林警備隊から全エリアの警邏業務および殲滅。元ギルマスから酒場の清掃および設備管理を1ケ月。達報酬はどれも小銀貨7枚です」
弾けるように明るい付嬢の聲が響くと、しーんっと靜かになった。
ほら、ないでしょ?
ざわめきが聞こえる。侮蔑と嫉妬から、侮蔑と嘲笑に変わった。
「ぎゃっはは。小銀貨・・な、7枚だと!?ひっひひひ。指名依頼が聞いて呆れるぜ」
「全くその通りだ。愚かすぎる」
「斷ればいいのに」
「知らないのか?指名依頼は半強制だから無理だろ。だけどそんな無茶苦茶な依頼を出して恥ずかしくないのか。名譽を汚すようなもんだろ」
僕が冒険者を辭めるまで殘り3。
さあて最後の仕事。最初の依頼、領主様から小間使い(魔法修理を含む)から始めよう。
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