《【書籍化】馴染彼のモラハラがひどいんで絶縁宣言してやった》「君は私のヒーローだよ」
1話前の花火のアカウントをミスしていたので修正しました
大道寺絵里花は朝のホームルームがはじまる直前の時間を狙って、登校してきたのだろう。
誰かが大道寺絵里花に聲をかけるより先に擔任もやってきてしまったので、クラスメイトたちは言いたげな顔をしながらも自分の席についた。
擔任は出欠の確認を事務的に終わらせたあと、クラス名簿を教卓の上に置き、迷わず雪代さんのほうに視線を向けた。
「雪代さん、大道寺さんに謝る時間をもらいたいとのことですが、いじめがあったのを認めるんですね?
「え……」
きょとんとした顔で雪代さんが聲を上げると、擔任は訝しげに眉を寄せた。
「あなたが朝のホームルームで、大道寺さんに謝罪したいと言ったのでしょう?」
「私は……」
「待ってください」
突然割ってった俺に、教室中の視線が集まる。
俺は気にせず、大道寺絵里花に話しかけた。
「大道寺さん、最後にもう一度聞くけど、雪代さんにいじめられていたってのは噓だったと認めるつもりは本當にない?」
「なっ……!」
雪代さんに謝罪させられると思い込み、面白がるような顔をしていた大道寺絵里花が顔を変える。
「何言ってるんですか!? これから雪代さん本人が謝罪することになってるのに!」
口元を歪めて大道寺絵里花がぶ。
大道寺絵里花にとってはこの段階で噓を認めてしまった方が絶対にいいはずだけれど、本人にその気がないのなら仕方ない。
「わかった。それならあんたが噓ついてるって証拠をみんなに見せるよ」
「は……?」
席から立ち上がった俺は、昨日のskypeのスクショを印刷したものをクラスメイトに配って回った。
もちろん、大道寺絵里花本人にも。
コピー用紙をけとった瞬間、大道寺絵里花の目が驚愕のあまり見開かれた。
「あっ……あああっ……」
カエルを潰したような聲でぐ大道寺絵里花の周りで、し遅れてクラスメイトたちが騒ぎはじめる。
「噓、何これ……!?」
「skypeの履歴? えりかちって大道寺さんだよね!?」
「はぁ!? ここに書いてあるの本當のこと!?」
「大道寺さんが雪代さんからいじめられてたなんて噓なんじゃん!!」
「ちょっと!! これどういうこと!?」
「あ、こ、これは違……っ」
ガタッと機の音を立てて、大道寺絵里花が思わず立ち上がる。
しかしクラス中から視線で糾弾される彼に逃げ道なんてなかった。
「どういうことですか、大道寺さん。ちゃんと先生にもわかるように説明して下さい!」
これまで大道寺側にいた擔任が、散々雪代さんに向けてきた責めるような眼差しを大道寺絵里花に向ける。
大道寺は揺しまくって、大量の汗を流しながら怒鳴り返した。
「違います!! これ私じゃありません! えりかって名前が一緒だからぐらいで私だって言い張るんですか!?」
「それならもう一枚配るよ」
「へっ!?」
俺が追加でばらまいた紙には、えりかちを名乗る人のアカウントと拡大されたアイコンが載せられている。
「daidouji_erika_0228って、本名と自分の顔寫真をSNSにそのまま載せるのはまずかったんじゃないかな」
「……っ!! こ、これでまだちゃんとした証拠には……」
「その辺の言い訳は先生にしてくれ。まあ、なくともなんの証拠もないいじめの訴えよりはよっぽど信憑があるし、アカウントが大道寺さん本人のものかなんてことは、その気になればいくらでも調べられるよ」
「……っ」
「先生。証拠もこのとおり見せましたし、雪代さんはいじめなんてしてなかったってことでいいですよね?」
「あ……」
雪代さんが否定した時に聞く耳を持たず、林間學校の中止をチラつかせて彼を孤立させた擔任は、の気の失せた顔で後退った。
「あ、あの先生は別に雪代さんが犯人と決めつけてたわけじゃなくて、そ、そう! 雪代さんの疑いを晴らすために良かれと思っていたのよ……」
靜まり返った教室の雰囲気に追い詰められたかのように、擔任がさらに半歩後ろに下がる。
誰も彼を擁護するものはいない。
「そ、そんな目で見ないで……! 先生はあのとき最善の判斷をしたんです!」
俺がチラッと雪代さんを見ると、彼はもういいというじで俺に向かって首を橫に振った。
結局擔任は最後まで自分の非を認めなかったけれど、生徒たちからの信頼を完全に失ったという事実は、今後の學校生活に相當マイナスな影響を及ぼすだろう。
「最後に一つ確認したいんですが」
「な、なにかしら」
怯えた目で引きつるように笑う擔任に問いかける。
「林間學校は予定どおり行われますか?」
「も、もちろん! ちゃんと先生から、今回の顛末と一緒に、林間學校は問題なく行えることを學年主任や校長にお話ししておきます! じゃ、じゃあ早速報告してきますね……! 大道寺さんは一緒にいらっしゃい!!」
擔任が大道寺を連れて逃げるように教室を出て行った瞬間、教室には大歓聲が巻き起こった。
「やったー! 林間學校決行だー!」
「これでやっと重苦しいじがなくなるね!」
「それもこれも大道寺の噓を暴いてくれた一ノ瀬のおかげだな!」
「ほんと! 一ノ瀬ありがとう!! これでみんな林間學校に參加できるよー!」
それまでの張り詰めていた空気が一され、このクラスらしいお祭り騒ぎになる。
やっとクラスが元に戻った。
「ていうか大道寺さんあのskypeの容は、最悪じゃない……?」
「あんなこと思って林間學校潰そうとしてたなんてタチ悪すぎでしょ……」
「でも、それより雪代さん、ごめんね。いじめてるところなんて見たことないのに、ちゃんと庇ってあげなくて……」
「私もごめん。林間學校が中止かもって言われたのを雪代さんのせいみたいに思っちゃって……。最低だったよ……」
みんなが口々に謝罪の言葉を口にすると、雪代さんは驚いたように目を丸くした。
よかった……。
これで雪代さんが居心地の悪い思いをすることはもうなくなるだろう。
そう思いながら雪代さんを振り返ると、目があった雪代さんがパタパタと傍までやってきた。
「一ノ瀬くん、ありがとう。君は私のヒーローだよ」
微かに頬を染めている雪代さんはそう言うと、髪をサラッと揺らして特別な笑顔を見せてくれた。
私が読みたい馴染ざまぁを書いてみました
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