《【書籍化】わしジジイ、齢六十を超えてから自らの天賦の才に気付く【8/26から電撃マオウでコミカライズスタート!】》戦闘
「來たぞ、數は三。ミルチは先頭のを焼いてくれ、あとは俺が二仕留める。ディルじいさんは……適當にやれることをやってくれ」
「了解」
「わかった」
未だ姿が見えていないにもかかわらず異議を唱えることもなくディルは頷く。
今さら疑うような真似をする必要はない、あとは信じてただ備えれば良い。彼はごくりと唾を飲み込み、まだ見ぬ敵の襲來にそのを震わせる。
遠くから聞こえる唸り聲を聞いてから暫くして、ディルにもようやくゴブリンの姿を見ることが出來るようになった。
見切りを発させ、あたりから攻撃が來ないかを確認する。反応はないために、伏兵や木からの弓兵といったものは想定しなくても良さそうだった。
聲のした方角をじっと見つめていると、木の後ろから勢いよく飛び出してくる三のゴブリンの姿があった。
背丈は腰の曲がったディルよりもし小さいくらい。背筋は全的に曲がっていて、どことなし年を取っているようにも見える。
全を覆うのは大きな一枚の布であり、彼らは倒木を削ったような形の武骨な棒を持ちながら雄びをあげ、こちらへと近付いてくる。
ディルとクーリが前に出るのと同時、彼らの間をうようにして炎が瞬きながら空を駆けた。恐らくあれが魔法なのだろう。初めて見る幻想的な景ではあったが、ディルは意識を目の前の敵に向けているためにそれを鑑賞している余裕はなかった。
炎の熱線は先頭のゴブリンのに當たると、が焼ける音と臭いがあたりを満たす。魔法が終わるのと同時後ろから足音が聞こえてくる、ミルチがクーリの後方へと移している音だろう。
苦しみながら足を止める先頭の一に痺れを切らした二が左右別々に別れて二人の方へとやって來る。右にいたクーリには大きめの一が、左にいたディルには小さめの一が向かってくる。
ディルはクーリよりも気持ち前に出たが、もう片方の一が彼の方に向かってくるようなことはなかった。
牽引に失敗した段階で、ディルは最初に二匹くらいならば相手取っても大丈夫だろうどこか余裕ぶっている自分がいることに気付いた。彼は自らを戒めながら一度大きく息を吸い、木剣にれる。
目の前の敵、自分が初めて見るゴブリンという魔をじっと見つめた。
緑の軀、黃ばんで所々が黒ずんでいる歯、生理的な嫌悪を催すような下卑た顔つき。
確かに見ただけで人間とは相容れない存在であることがわかる。下手に人間に似ておらんでよかったわいと爺はしだけ安堵した。
「ギギイッ‼」
金屬をれ合わせるような耳障りな聲を発しながら突貫してくるゴブリンを見ても、ディルに揺はない。
棒を振り上げながら迫ってくる相手を見て、木剣を正眼に構える。
相手がドンドンと距離を詰めてくる、そして攻撃の程圏にると、高く掲げていた棒が振り下ろされる。
「遅いの」
その一撃を難なく避けるディル、その回避は最小限であったために、彼の側頭部の頭髪が風圧でふわりと浮いた。
攻撃のカウンターとして置いておいた木の剣が、ゴブリンのを刺し貫いている。
気道が塞がれくゴブリンの足を崩し、そのまま地面へと倒す。
に刺さった木剣が自重で更に深くり込み、ゴブリンはピクピクとを痙攣させ始めた。
ちらと橫を見ると、近くでクーリが難なくゴブリンを引き裂いているのが見える。あの切れ味の良さがあれば、わざわざ突きを選択せずとも相手を倒せそうだ。
首の角度を変え未だ息絶えぬ魔を見下ろすディル、木剣でも倒せることは倒せるのだが、これだと殺しきるまでに時間がかかる。
を貫き脛椎を抜け飛び出している木剣をよっこらと抜き出してから、ゴブリンを真似て木剣を振り下ろすディル。
大振りの一撃を頭に當てると、ゴブリンは一撃で昏倒しかなくなった。念のためにもう一度振り下ろし、しっかりと絶命させておくことにする。
「ふむ……とりあえずは、なんとかなりそうじゃの」
裝備の都合上二以上を相手取るならば時間がかかりそうではあるが、この程度の戦闘力ならば今の自分でも十分なんとかなるじゃろう。
ディルは討伐証明部位である左耳をどうやって剝ぎ取ろうかと考えていると、クーリが小さなナイフでそれを剝ぎ取ってくれた。
「ありがとの」
「禮はいい。こいつらは全員雄だ、多分近くに雌と子供の住んでるがあるだろうから、次はそこを探す」
「わかった」
「普通に戦えそうだから、報酬は最後に三等分で構わない」
「了解じゃ」
ディルは辺りから痕跡を探っているクーリを見て、もう一度心の中で禮を言っておくことにした。
彼の飯の種を見せてもらっているわけじゃから、後で食事の一つや二つは奢ろう。
手を振って進む方向を示す彼についていくディル。
世の中まだまだ捨てたもんじゃなさそうじゃ。彼はそんな風にじじくさいことを考えながら、再び見切りを使用した。
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