《【書籍化決定】公衆の面前で婚約破棄された、無想な行き遅れお局令嬢は、実務能力を買われて冷徹宰相様のお飾り妻になります。~契約結婚に不満はございません。~》【おまけ②】公爵令嬢は積極的なので。
リクエストおまけです。
『お初にお目に掛かります……先日、父より爵位を継ぎましたフォッシモ・ダエラールと申します……』
黒髪黒目、ほどほどの背丈、清潔があり真面目そうなのに昔はヤンチャだったんだろーなーって雰囲気。
イースティリアの奧さんになったアレリラの弟、という、カッチカチに固くなっている3歳年上の彼の襲名を祝う夜會に參加したミッフィーユは。
―――やだー! 凄くタイプなんですけどぉーーーー!!!
と、心の中で快哉を上げた。
『初めまして、スーリア公爵家が三、ミッフィーユと申します! フォッシモ様、この度はご襲名おめでとうございます! アレリラお姉様によく似ておられて、とっても素敵ですわ!』
『え、あ……ありがとうございます……!』
『ミッフィーユ。ダエラール子爵と呼べ。そしてウェグムンド侯爵夫人と呼べ』
『もう、お兄様はいっつもうるさいですわね!』
ミッフィーユは、とても自由な立場だった。
次代の人たちと親子ほども歳が離れているわけではなく、かといってその世代の人たちとの縁故を結ぶほど近くもない。
すでに政略的には決著がついていて、婚姻を強要されることもない。
外國との縁戚を強化する為にそっちに嫁ぐか? とも言われたけれど、祖國が好きなので斷固拒否。
歳行ってから生まれた歳の離れたミッフィーユに、父も兄弟姉妹もとっても甘いのだ。
―――でも、旦那様はしいわねぇ。
そう思っていたところに現れたフォッシモは、ミッフィーユの天啓だった。
猛アタックした。
それはそれはもう、自由のなので子爵家に足繁く通い、夜會にいれば橫にべったりと張り付き、フォッシモのことなら何でも知りたいとせがみ、ニコニコと自分をアピールして売り込んだ。
イースティリアにもアレリラにも相談した。
『特に問題はないな。アレリラはどう思う?』
『侯爵家と公爵家にそれぞれ縁を持つのは、生家にとって悪いことではありませんが。直接の繋がりではないとはいえ、次代が従兄弟同士になるのは々問題では?』
『ミッフィーユの子が継ぐのは、公爵ではなくダエラール子爵だろう?』
『公爵家の継承権については?』
『今の時點で子が産まれても第6位だな。継承権1位は、もう14歳だ』
『では、問題ないかと』
相変わらず無表で事務的なお二人のお墨付きをいただいて、今。
「フォッシモ様。あーん!」
「じ、自分で食べられますから……!」
「あら、私の手ずから食べるのはお嫌ですか?」
しゅんとして見せると、カフェで向かい合ってお茶をしているフォッシモ様は、真っ赤になりながら頭を橫に振る。
「いや、決してそういうわけでは……!」
「では、あーん!」
こうして、ミッフィーユを嫌ってはいなさそうな彼に、著々と外堀も堀も埋めていっている最中だ。
―――もう、人生順風満帆ね!
ミッフィーユは、自分とイースティリアが仲だという噂が蔓延っているのを知っていた。
無想なあの人と違って、ミッフィーユ自も噂話なんかは大好きなのだ。
だから、特に格の悪いご令嬢がたを伴って、アレリラに対して一芝居打ったのである。
イースティリアは『求めてもいない相手となぜ結婚などせねばならん』とせっつかれる度に口にしていたので、彼が選んだなら當然彼が見初めた相手なのだ。
なら、噂なんて吹っ飛ばしておくに越したことはない。
ミッフィーユとしても、そんな噂があったら結婚相手なんて見つけづらいし。
そのことは、誰にも言っていないけれど。
「あの、ミッフィーユ嬢」
「はい!」
あーんが出來てご満悅のミッフィーユは、いつまで経ってもカチコチなフォッシモを可いと思いながら返事をして。
「その、これを」
と、小さな箱を差し出してくれる。
開けてみると、そこには可らしいブローチ。
「まぁ! 素敵ですわ! これを私に!?」
「はい。贈り、です」
「嬉しいですわ!」
「あの、それと」
「はい!」
ゴクリと唾を飲んだフォッシモが、張した様子で口にする。
「その、私と、結婚を前提に、正式にお付き合いしていただけませんか?」
と、問われて、ミッフィーユは固まった。
「あの……?」
不安そうな顔をするフォッシモに、チラリと上目遣いをして、ミッフィーユは頬を染める。
―――フォッシモ様ったら! こんなに早く際を申し込んでくれるだなんて!
嬉しく思いながら、満面の笑みで答えた。
「はい! 喜んで!」
書けそうだったので書いてみました。
ボンボリーノといいミッフィーユといい、かな子は面白いですねー。
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6/15発売【書籍化】番外編2本完結「わたしと隣の和菓子さま」(舊「和菓子さま 剣士さま」)
「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
8 193【書籍化・コミカライズ】愛さないといわれましても~元魔王の伯爵令嬢は生真面目軍人に餌付けをされて幸せになる
「君を愛することはないだろう」 政略結婚の初夜、生真面目軍人ジェラルドにそう言い渡された伯爵令嬢アビゲイル。 前世は魔王のアビゲイルだが、魔王とはいえ食生活は貧しかった。 憧れの人間に転生して、これで豊かな食生活がと期待するも、継母と義姉は餓死ギリギリを狙って攻めてくる。 虐げられた生活を送っていた彼女にとって、政略とはいえこの結婚はそんな生活から脫出するための希望だった。 だからせめて、せめてこれだけは確認させてほしい。 「……ごはんは欲しいです」 黒髪青目でいかつい系の軍人旦那様は、ひもじい子には意外と優しかった。庇護欲にあふれた使用人にも大切にされ、アビゲイルの美味しい食生活がはじまる。
8 136【書籍化&コミカライズ】私が大聖女ですが、本當に追い出しても後悔しませんか? 姉に全てを奪われたので第二の人生は隣國の王子と幸せになります(原題『追放された聖女は、捨てられた森で訳アリ美青年を拾う~』
☆2022/11/4 スターツ出版様 ベリーズファンタジーより発売予定です☆ 改題「私が大聖女ですが、本當に追い出しても後悔しませんか? 姉に全てを奪われたので第二の人生は隣國の王子と幸せになります」 ☆2022/6/12 白泉社マンガpark様にてコミカライズです☆ 原題「聖女は、捨てられた森で訳アリ美青年を拾う~今の生活が楽しいので、迎えに來られても帰りたくありません!~」でコミカライズ中です。 リアは九歳のとき、十二歳になる姉プリシラについて神殿に行く。そこで、姉妹ともども聖女と認定されてしまう。 この國ではひと家庭で二人以上聖女認定された場合、一人を差し出さなければならない。両親は聡明で美しく魔法を使えるプリシラを手放すのが嫌で、迷わず妹のリアを差し出した。 神殿に召し上げられたリアは聖女候補として厳しい修行を積み、六年後晴れて聖女となる。神殿の聖女の中でも、最も強い神聖力をもつリアは、神託により王太子の婚約者となった。 リアは金髪で美しく優しい王太子に淡い戀心を抱く。しかし、順風満帆に見えた將來に陰りが生じはじめた。 アリエデ王國の最北にある黒の森で魔物が大量発生したのだ。リアはこの國の聖女として討伐隊に參加しなければならない。王都と愛しい王太子に別れを告げ討伐隊とともに旅立った。 そして二年にわたる戦いののち、魔物の封印をなしとげ、王都に凱旋するはずだった。 だが王都に帰ったリアを待ち受けていたのは同僚聖女と戦友のうらぎり。 王太子との婚約もいつの間にか破棄されていて、新たに姉のプリシラが護國聖女の名を冠し、王太子の婚約者におさまっていた。 魔物討伐を長引かせた責をおわされ、役立たずの聖女として國を追放されたリアは、西側の隣國との緩衝地帯である惑い森へ捨てられる。そこにたくさんの魔物が巣食っていて……。 森をさまよううちに彼女は、魔獣に襲われた瀕死の金髪美青年を拾う。 ≪全51話予約投稿済み! 毎日18時ごろ更新予定≫ 流行りの追放聖女テンプレのつもり。聖女は無自覚でざまぁ(予定)します。題そのものがあらすじです。足の不自由な人が出てきます。タグ注意、地雷のある方はお逃げください。 誤字脫字報告ありがとうございます!!
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