そうこうしてるともう夕方のいい時間になった。買いして帰ることにしよう。そう考えて商店街に向かった。

商店街には魔が棲んでいる

いや、個人的な想なんだけどね。これから行く場所の事を考えるだけでこう……ね。私も一人暮らしをする様になって驚いたものだ。何がって？ 今から説明しよう。

場所：スーパーオーナイン食料品売り場

時間：夕方１７時過ぎ

參戦者：近所の歴戦の主婦の方々

おわかりだろうか？

まあ、それでもよくわからない方のために詳しく描寫させてもらおう。

獣たちは解き放たれる時を待っていた。

そのに鍛え抜かれたしなやかな筋（想像）と數々の編み出された業（わざ）を持って。奴（店員）が來る。その手には審判のラッパ（半額シール）を持って。今からこの地に起こる景はまさに混沌と呼ぶにふさわしいものだ。だが、それをわかっていながらも彼らは手をとめない。まるでそれが運命であるかのように……って描寫してたらもう半額シールられてんじゃん！ でーおーくーれーたー！

荒波をかき分けるように人の波をくぐり抜け、目指すはタマゴ！（パック７９円）それから半額牛切り落とし……は既に売り切れてた。まだ五分経ってないはずなんだけど。あと、良さそうな食材、魚系はさばけないからパスだね。出來合いのお惣菜は嫌なんだよねえ。もやしはかさ増しに必要だから買ってるのであとは豚コマかなあ。魔法で豚を牛に変えるとかは無理そうだよね？

「無理だな」

だよねー……って！ なんで答えが帰ってくんの？って思ったら火の霊が居た。

「オレが居るから魔法維持できてんだよ。つーわけでヨロシク」

はあ、まあ他の人には見えないし、私の耳もあらわにならないで済むから良いんだけど。ビックリはするよね！

レジで買いを済ませて帰宅。道々で人に會ったけど特に怪しまれては無いようだった。え、スーパー？ あそこに居たのはほら、獣だから……。ともかく晩飯の支度にかかる。ごま油と塩コショウで炒めるかあ、いつものだけど。作業してるとなんかいつもより火の通りがいいような気がする。

「炒めるんだろ？ 手伝ってやるよ」

火の霊！ そうか、料理の時にこんな手伝いしてくれるのか。ちょっと便利かも。……代わりに料理してくれるともっと便利なんだけど。お嫁さんしい。

「いただきます！ あ、これ、よく火が通ってて味しい！」

「へへへっ」

聲に出して褒めると嬉しそうにしていた。やっぱり子ども（？）は褒めてばさないとね。一通り食べてお腹もふくれたので友人に電話をする事にした。私をネトゲにった張本人のオタクのひとだ。