《【書籍化】探索魔法は最強です~追放されたおっさん冒険者は探査と知の魔法でり上がる~》9.ビバ、不労生活!!
「ほー? 紫紺(しこん)の寶珠(ほうじゅ)なんて見つけてきやがったのか。我が娘ながら、大したものだな」
「いえ、ロノム様とアイリス様のお力です。養父に対する借金が早めに返せると喜んでおりましたよ」
「あいつ等の力を見込んでの投資のつもりだったが、俺の想定以上にどでかく返ってきそうだな。楽しい限りだぜ」
快晴の太が燦々と降り注ぐ晝下がり、絹糸と麻で織り込まれたお灑落な街著姿のメルティラと亜麻で織られた派手めの服を著こなすゲンさんは、オープンテラスのカフェでコーヒーを飲んでいる。
「養父のおっしゃっていた通り、あのお二人は実力のある冒険者ですね」
「そーだろー? アイリスはいつAランクに行ってもおかしくねえ治癒師だし、ロノムはロノムでランクでは見えない強さを持ってやがる。いやー、ほんと都合よく二人同じタイミングでフリーになってくれたわ。運命なんざ信じてないつもりだったが、これが天命ってやつなんだろうな」
「その天命に、私も連ねて頂けますか?」
「ははは! お前もちょうど前のアライアンス抜けてフラフラしてたしなぁ! あの二人に負けないように頑張れよ!?」
「はい、進いたします」
*****************************
遮る雲のないしい青空が広がる晝下がりの中、冒険者ギルド近くの大通りをロノムとアイリスの二人は歩いている。
「紫紺(しこん)の寶珠(ほうじゅ)抜きにしても相當な額になりましたね。ほっくほくですなぁ!」
「アルケアの星座盤とかポパル眼鏡とか々あったからね。ゲンさんが立て替えてくれたアライアンス設立費用の一部も返せるし、しばらくは家賃も払い続けられると思う。あ、でも、武防の買い揃えやお二人への給金も考えると、またすぐにダンジョン探索に出かけた方がいいのかな」
二人は紫紺(しこん)の寶珠(ほうじゅ)以外の戦利品の換金を行い、冒険者ギルドに対して正式なダンジョン報告に向かう途中だった。
今回探索の目玉である紫紺(しこん)の寶珠(ほうじゅ)は街の商人に対して売るには勿ない代であり、何かの切り札に使える可能もあるので手元に置いておくことにした。
現在はシルバー・ゲイル本部の金庫で厳重に保管している。
「ロッさんのハンドアックスも隨分年季がってますものねえ。今のに拘りがないなら、もうちょっといいもの探しに行きましょうかー。 あと、服! 普段著!! アライアンスの団長なんだから、もっとちゃんとした服を著なさい!!!」
アイリスがビシっとロノムを指さしながらそう言った。
「あ……、やっぱりコレじゃダメかな……」
ロノムは今自分が著ているり切れてボロボロの褪せた服を見回した。
金のなかったロノムの一張羅(いっちょうら)であり最後の砦の服である。
この服が著られなくなってしまったら、まさに「服を買いに行く服がない」と言う狀況に陥ってしまうものだった。
「お金も手にったし、なりはちゃんとしましょー。ほら、丁度仕立て屋さんもあるじゃないですが! 善は急げですふぉろーみー!」
「え、ちょっ! 今!?」
そう言うとアイリスはロノムを引きずりながら、目抜き通りの仕立て屋へと吸い込まれて行った。
*****************************
「やっぱり新品の服はいいですね! サマになってますよ団長!!」
「ああ……なんと言うか落ち著かないと言うか、気恥ずかしいものがあるね……」
ロノムにとって実に數年ぶりの街著の更新であった。
上等とは言えないまでもしっかりした綿糸で織られた服は、おっさんの男前度をしっかり上げている。
「これでまた十年は戦えそうだね。ありがとうアイリスさん。禮を言うよ」
「いや……ひょっとしてその服だけでまたずっと戦うつもりですか……? いかんですよロッさん、まだ服を買うための服を買った狀態ですよ。これからまた服が服を生む戦いに出るのですよ」
「ええ……どういうことなの……」
街の中心へと続く目抜き通りを歩きながら、アイリスとロノムは冒険者ギルドを目指して他もない會話を続けた。
冒険者の都市と言うこともあり一般的な町人の割合がない事が特徴的なアンサスランではあるが、街の中心部は老若男問わず溢れている。
「服と言えば、ゲンさんってなんであんなに羽振りがいいんですかねぇ。いっつもいい服著てますし、アライアンスの設立費用もぽーんと貸してくれましたけど」
「冒険者をやってた頃に偶然とんでもないお寶を発見して一生遊んで暮らせるお金を手にれた、と言っていたけどね。紫紺(しこん)の寶珠(ほうじゅ)も凄いお寶だけど、一生遊んで暮らせるまでには至らないかな」
ゲンさんは自分のことを「しがない元冒険者」と言っていたが、一生遊んで暮らせるようなお寶を見つけられるような人がただの冒険者のわけはない。
そのことはロノムも薄々じてはいるが、それ以前にゲンさんは飲み友達のゲンさんだ。
素を詮索する気はないし、ゲンさんが何も言わないのであれば態度を変えるつもりもない。
「一生遊んで暮らせるお寶手にれてみたいですねー! ビバ、不労生活!!」
「ははは。いずれはそんなお寶も見つけてみたいね。冒険者ギルドに到著したら、報告ついでにダンジョン探索許可も貰っておこうか」
「はい!」
始めはどうなる事かと不安しかなかったロノムだったが、今は不安こそあれ希が持てる気持ちにはなってきていた。
アライアンスの経営者として心配の種は絶えないが、アイリスさんとメルティラさんがいてくれればやっていけるだろう。
「二人に見限られないように、頑張らないとな」
そんな獨り言を呟きながら、ロノムはアイリスを連れてこの冒険者の都市を歩いていった。
[完結しました!] 僕は、お父さんだから(書籍名:遺伝子コンプレックス)
遺伝子最適化が合法化され、日本人は美しく優秀であることが一般的になった。そんなご時世に、最適化されていない『未調整』の布津野忠人は、三十歳にして解雇され無職になってしまう。ハローワークからの帰り道、布津野は公園で完璧なまでに美しい二人の子どもに出會った。 「申し訳ありませんが、僕たちを助けてくれませんか?」 彼は何となく二人と一緒に逃げ回ることになり、次第に最適化された子どもの人身売買の現場へと巻き込まれていく……。 <本作の読みどころ> 現代日本でのおっさん主人公最強モノ。遺伝子操作された周りの仲間は優秀だけど、主人公はごく普通の人。だけど、とても善人だから、みんなが彼についてきて世界まで救ってしまう系のノリ。アクション要素あり。主人公が必死に頑張ってきた合気道で爽快に大活躍。そうやって心を開いていく子どもたちを養子にしちゃう話です。 ※プライムノベルス様より『遺伝子コンプレックス』として出版させて頂きました。
8 144反逆者として王國で処刑された隠れ最強騎士〜心優しき悪役皇女様のために蘇り、人生難易度ベリーハードな帝國ルートで覇道を歩む彼女を幸せにする!〜【書籍化&コミカライズ決定!】
【書籍化&コミカライズ決定!】 引き続きよろしくお願い致します! 発売時期、出版社様、レーベル、イラストレーター様に関しては情報解禁されるまで暫くお待ちください。 「アルディア=グレーツ、反逆罪を認める……ということで良いのだな?」 選択肢なんてものは最初からなかった……。 王國に盡くしてきた騎士の一人、アルディア=グレーツは敵國と通じていたという罪をかけられ、処刑されてしまう。 彼が最後に頭に思い浮かべたのは敵國の優しき皇女の姿であった。 『──私は貴方のことが欲しい』 かつて投げかけられた、あの言葉。 それは敵同士という相容れぬ関係性が邪魔をして、成就することのなかった彼女の願いだった。 ヴァルカン帝國の皇女、 ヴァルトルーネ=フォン=フェルシュドルフ。 生まれ変わったら、また皇女様に會いたい。 そして、もしまた出會えることが出來たら……今度はきっと──あの人の味方であり続けたい。王國のために盡くした一人の騎士はそう力強く願いながら、斷頭臺の上で空を見上げた。 死の間際に唱えた淡く、非現実的な願い。 葉うはずもない願いを唱えた彼は、苦しみながらその生涯に幕を下ろす。 ……はずだった。 しかし、その強い願いはアルディアの消えかけた未來を再び照らす──。 彼の波亂に満ちた人生が再び動き出した。 【2022.4.22-24】 ハイファンタジー日間ランキング1位を獲得致しました。 (日間総合も4日にランクイン!) 総合50000pt達成。 ブックマーク10000達成。 本當にありがとうございます! このまま頑張って參りますので、今後ともよろしくお願い致します。 【ハイファンタジー】 日間1位 週間2位 月間4位 四半期10位 年間64位 【総合】 日間4位 週間6位 月間15位 四半期38位 【4,500,000pv達成!】 【500,000ua達成!】 ※短時間で読みやすいように1話ごとは短め(1000字〜2000字程度)で作っております。ご了承願います。
8 149化け物になろうオンライン~暴食吸血姫の食レポ日記~
何でもおいしくいただきましょう! それを信條にしている主人公はVRの世界に突撃する。 その名も化け物になろうオンライン。 文字通りプレイヤーは怪物となり、數多くのデメリットを抱えながらも冒険を楽しむゲーム……のはずが、主人公フィリアはひたすら食い倒れする。 キャラメイクも食事に全振り、何をするにも食事、リアルでもしっかり食べるけどバーチャルではもっと食べる! 時にはNPCもPCも食べる! 食べられないはずの物體も食べてデスペナを受ける! さぁ、食い倒れの始まりだ。
8 189桜雲學園の正體不明《アンノウン》
「桜雲」それは近年政府の主導により、 急速な発展を遂げた都市である。 特徴的なのは、 全校生徒が3000人を越える桜雲學園であろう。 學園では未來科學というカリキュラムを學び、 それにより與えられたタレントを駆使して、 生徒同士で切磋琢磨しようという develop one's potential 通稱DOPが毎週開かれている。 そんな學園に通うこととなった石崎景は 平穏な學園生活を願うものの天真爛漫な少女、 明日原陽奈に誘われ、ある部活に入ることとなる。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初投稿です。 いいね、フォロー、よろしくお願いします。
8 161現代帰ったらヒーロー社會になってた
主人公 須崎真斗(すざきまさと)が異世界に飛ばされ魔王を倒して現代に戻ってくるとそこはヒーロー社會と化した地球だった! 戸惑いながらもヒーローやって色々する物語バトル有りチート有り多分ハーレム有りハチャメチャ生活!
8 52『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』
勇者と魔王の戦い。勇者の仲間であるベルトは、魔王の一撃を受ける。 1年後、傷は癒えたが後遺癥に悩まされたベルトは追放という形で勇者パーティを後にする。 田舎に帰った彼と偶然に出會った冒険者見習いの少女メイル。 彼女の職業は聖女。 ひと目で、ベルトの後遺癥は魔王の『呪詛』が原因だと見破るとすぐさま治療を開始する。 報酬の代わりに、ベルトに冒険者復帰を勧めてくるのだが―――― ※本作は商業化に伴い、タイトルを『SSSランクの最強暗殺者 勇者パーティを追放されて、普通のおじさんに? なれませんでした。はい……』から『元SSSランクの最強暗殺者は再び無雙する』へ変更させていただきました
8 195