《【書籍化&コミカライズ】追放悪役令嬢、只今監視中!【WEB版】》303:クロエの願い
何だか寂しい気持ちになるのは単にのけ者にされているからか、長年の聖の系譜によるものか。しかしイエラオ殿下はきっと、労りの気持ちだけで私を巻き込むまいとした訳でもない。
私には魔ヨルダの魂が宿っている。ついさっき告白したこの事実は、思ったよりも重くけ止められていた。このまま王家に利用され続ければ、魔の憎しみは再び蘇り王國を脅かすだろうと。
(そうかもしれないけど……『魔』としてはそうなんだろうけど。本當はヨルダも、クロエだって……)
「あのー、クロエ嬢? 何か思いつめているようだけど、勘違いしてない? 別に用済みだから出て行けって訳じゃないんだよ」
俯いてスカートを握りしめていると、頭上から呑気な聲が降ってくる。どうやら深刻にけ止めているのは自分だけだったようで、何とも言えない表で顔を上げると殿下は苦笑していた。
「言ったでしょ、自由を與えるって。監視を始めてから僕はずっと、無事試練を乗り越えた暁には君の願いを葉えようって決めていたんだ。
國を出たいならそうすればいいし、殘ってくれるならありがたいし。どちらにせよ、バックアップはさせてもらうよ」
「私の……それはいくつでも、何でもいいのですか?」
「今、君の頭の中にある分だけ言ってみなよ。兄上たちに復讐したいとか、好きな相手と結婚したいとか……もちろん、王國を危機に陥れるようであれば、僕は君を敵と見なすけど」
安心させるように笑ってみせるが、目だけは油斷を見せる事なくこちらを抜いてくる。し見ないに、すっかり王者の風格をに付けて……だと言うのに自分たちときたら、そんな彼を目に學園で劇に興じていたんだから、けないわよね。
「お嬢様、なかなか戻って來られないので皆様が心配されております」
その時、シンが私を迎えに外に出てきた。言われてみればすっかり夜も更けていて寒い。イエラオ殿下も、今日はもう遅いからと一旦王都に戻る事にしたようだ。ドラゴンを使えばひとっ飛びなんだから便利よね。
「そう言えば、クロエ嬢はいつまでこの宿に滯在するの? 貸し切りにしておいて何だけど、兄上たちもひっついてるから結構な迷になってると思うんだよね」
「あはは……実はロックが馬車の手配をしてくれましたので、準備が出來次第いつでも出立できるのですよ」
「ふうん……じゃあ、明日また改めて來るから、よく考えておいてね」
その言葉を殘し、月を橫切るように飛んでいくドラゴンの姿を見送りながら、私はずっと考えていた。
「願い……私の願いは……」
「クロエ、こんな時間になるまでキースと何を話していた?」
「殿下、お嬢様はお疲れですので、通していただけませんか」
レッドリオ殿下とシンが言い爭っている聲が聞こえるが、私の頭を素通りしていく。今の時點で得た報を整理して、明日イエラオ殿下にお伝えしなくてはならない。
「クロエ、まだ起きてんのか?」
手元のランプだけ點けて紙に書き付けていると、ベッドの中でモモが眠そうに聲を上げた。
「あら、眩しかった? 先に寢ててもいいのよ」
「おばちゃんから聞いたけど、明日もうここを出るのか?」
「そうよ」
私が答えると、モモはじっとこちらを見つめていたが、もぞもぞと布に潛り込んだ。
カリカリカリ……
ペンを走らせる音だけが、部屋に響いていた。
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※「がうがうモンスター」「マンガがうがう」にてコミカライズが連載中。
※書籍報は活報告にて隨時更新していきます。
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