《【書籍化&コミカライズ】創魔法の再現者 ~『魔法が使えない』と実家を追放された天才年、魔の弟子となり正しい方法で全ての魔法を極めます。貴方の魔法は、こうやって使うんですよ?~》118話 生來
あとがきに告知あります!
……とりあえずは間に合った、と見て良さそうか。
付近にカルマが現れ、第一王子ヘルクが迎撃に向かったと知ってから即座に一番速いエルメスが駆けつけ間一髪。ヘルクがやられかけているところで參戦に功した。
ボロボロのヘルクが何とも言えない表でこちらを見ているが……正直なところ今関わっている暇はない。
彼がここにきた目的は二つ。一つは勿論ヘルクの救援だが、それに加えてもう一つ。
──カルマの分析だ。先ほどまでローズと話し合って詰めたカルマの能力、質、それらに関する仮説。それらに関して分析するためにもここに來た以上、今からはカルマの観察に全神経を注ぐ必要がある。
「へぇ。……その魔法、良いね」
対するカルマの注意は最早ヘルクにはない。そんなものよりももっと面白そうなものを見つけたと言わんばかりに先ほどの魔法を観察して──
「──こんなじかな?」
やはり、いとも容易く手元での壁を再現する。
だが、これは想定。
もとより『霊の帳(テウル・ギア)』は差し上げるつもりだった。向こうが既に強力な結界系統の魔法を持っていることは承知済み、ならばもっとも『再現されても問題ない魔法』をある種のサンプルとして使用し、餌を蒔いた。より向こうの特を詳細に観察し、差分を把握するために。
カルマが満足そうに笑いながらこちらを向いて告げる。
「やっぱりきみ、他の魔法使いとは違うよね。そこの王子さま含めてきみ以外の魔法使いは一つの魔法しか使ってなかったけど、きみはすごく沢山の魔法を持ってる。それも──そこの王子さまみたいな使う気も起きないほどつまんない魔法じゃないものを、たくさん」
「……」
「だからさ、もっと見せてよ。絶対もっと持ってるでしょ? どうして出し惜しみするの?」
「……逆に、何故手のを全て明かす必要があると」
「え? だって──」
奇妙な問答に違和を覚え、エルメスが問いかける。
それに対し、カルマはい顔にきょとんとした表を浮かべ。
「──きみたちは(・・・・・)そのために(・・・・・)存在して(・・・・)いるんでしょ(・・・・・・)?」
一片の曇りも、疑いも持っていない聲で、告げてきた。
「…………」
「だって、そうじゃないとおかしいもん。きみたちさぁ、魔力もそんなのないのと一緒じゃないかってくらいないし、魔法の使い方もその辺の魔の方がマシってくらいにへったくそなのに……扱う魔法自はとっても上等じゃん」
それは。
何処かで、聞いたことのある言葉。
「そんなの勿無いよ、魔法がかわいそう。正直言ってすっごく不快で、人間全員魔法だけ殘して殘らず自分で息を引き取るべき、本當に(・・・)魔法の(・・・)しさを(・・・・)知ってる(・・・・)なら(・・)そう(・・)せずには(・・・・)いられない(・・・・・)はずなのに。けれど、きみたちは愚かすぎてそれに気付かない」
だから──と。
年はにっこりと、天使のようにしく笑って。
「きっと、そのためにぼくが居るんだよ。しい魔法を、素敵な魔法をそうと知らず穢しているきみたちを一人殘らず殺して、その魔法を誰よりもうまく使えるぼくが全てをけ継ぐ。それが當然の理で、やるべきことで、ぼくらにとっての正しいこと」
何か、間違ってること言ってる? と、にこやかに彼は締めくくる。
……納得、した。
この年は、外見通りひどくいのだ。だから生まれて間も無く爭いを続け、その過程でこの國の人間を學び、本能に従って殺し、學習し。
その果てに、この結論に辿り著いた。生としての幹が違うため矯正も最早不可能。
そして──それを當たり前のようにせるだけの規格外の力を持っている。
ふと、益もないし拠も一切ない思考だが。
『魔法』というものに意志があったとしたら、それそのものが人間を憎んだ結果──この年を生み出したんじゃないか、だなんて。空恐ろしくなるような仮説さえ、浮かんでしまった。
……けれど。
當然、それを黙ってするわけにはいかない。
対話で何かを探る期間はとうに過ぎたとエルメスは改めて認識し、魔力を高め。
「あなたの考えは、よくわかりました。ではこう返しましょう──引き出せるものならどうぞ」
「ん、分かったそうする。流石に死にかけてまで出し惜しみするほど馬鹿じゃないよね?」
その言葉を換し。エルメスは解析のために、カルマは學習のために。
何処か似通った特質を持つ二人の年が、再度の激突を開始した。
區切りの都合で短めですみません!
次回、今度こそエルメス対カルマです、お楽しみに!
そして告知です!
長らくお待たせいたしました、
『創魔法の再現者』コミカライズ、9月16日(金)より
コミックガルド様にて連載が開始します!
作畫はうさとる先生となっております。
しっかり原作の良いところを漫畫として表現していただいていますし、
一話は大ボリュームなので何卒!
詳しい話やリンクはまた連載が開始されてから改めて告知させて
頂きたいと思います、ぜひ読んで頂けると嬉しいです……!
今後とも、『創魔法の再現者』をよろしくお願いいたします!
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