《快適なエルフ生活の過ごし方》特別編:依頼達

合流しました。

白地に赤いラインのったブレストプレートを著た楓ちゃん。という事はこの軍隊の人なの? そういや隊長って呼ばれてたな。

「みんな、安心していいよ。この人たちは私の知り合いだから」

警戒心を顕にする部下たちに楓ちゃんは落ち著く様に言う。まあもう暗黒熊(ブラックベア)は居ないみたいだし、ゆっくり話しても大丈夫だろう。

「改めまして、王國巡回騎士団、カエデ隊隊長のカエデです」

「騎士団なんだ」

「そうなんですよ。王都に辿り著いたらなんか絡まれちゃって、ぶっ倒したら闘技大會の參加証持ってたんですよ」

どうやら楓ちゃんは王都に近い場所に落ちたらしい。それは良かったんだろう。

「それで屆けたら代わりに出ないかと言われて、あれよあれよと優勝しちゃったんですよ」

「隊長は凄かったんだぞ。優勝候補と言われた剣の鬼、ワイルマールを素手で倒したんだからな」

相手が剣の鬼か何か知らんけど楓ちゃんは本の鬼だからなあ。そら相手にならんて。

「ひとみさんとハルさんは一緒だったんですか?」

「あー、私らはね」

かくかくしかじかでかいつまんで事を話した。

「はあ、じゃあ最近商業都市で登録後いきなりゴールドになった冒険者ってのはひとみさんの事なんですね」

「そうだけど知ってたの?」

「部下たちが私とどっちが強いかって話してましたから」

単純な膂力だとまず勝てません。押し倒されましたし。だから一瞬で蒸発させるかしないといけないんだけど楓ちゃん相手にそこまでしたくないからなあ。

「あ、楓ちゃん、澪ちゃんと葵ちゃんの行方分からない?」

「ひと段落したら澪は探しに行こうと思ってたんですよ。王都には居ないみたいなんで」

なるほど、王都には居ないのか。殘りの二人、クリーチャーでもおかしくはないんだよなあ。葵ちゃんはドラゴンだろうし、澪ちゃんは手生だろえし。

「さすがに手はあんまりじゃ……」

「でも手してると思うでしょ?」

「それは……まあ」

私らが喋ってる後ろで騎士団員たちは手持ち無沙汰にしてる。ふむ、一旦村に戻ろうか。

村まで戻って騎士団の人たちと共に村の周りに暗黒熊(ブラックベア)が居なくなった事を報告する。依頼達の確認をして、商業都市に戻る事に。

カエデちゃんも次の任務が商業都市との事で侯爵様に挨拶するんだと。という事はグレゴールさんと會うのか。ややこしくなりそうだ。

「楓ちゃん」

「なんですか?」

「私らが知り合いってのは無しにしない?」

「そんなこと言われてももう騎士団って目撃者居ますからね」

確かに。

「別に気にしなくていーと思うよー。楓ちゃんも闘技大會で隊長になったんだから実は知り合いでしたーで通るんじゃなーい?」

むむっ、そう言われたらそれでもいいような気がしてきた。まあ知ってるのに知らんつもりするのも嫌だしなあ。

街に戻って騎士団たちは宿屋に。私らは暗黒熊を冒険者ギルドへ納して楓ちゃんと一緒にグレゴールさんのところへ。

「おねーたん、おかえりなさい!」

屋敷に帰ると天使が迎えに來てくれる。ああ、一生ただいまの頬りしていたい。

「ヒトミ様、ハル様、お帰りなさいませ。カエデ隊長はグレゴール侯爵がお待ちですのでこちらへ」

「私達も同席しても構いませんか?」

「大丈夫でしょう。それでは參りましょう」

メイドさんに連れられてグレゴールさんのところに行く。

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